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LAST GAME〜楽しいゲームの世界に転生して〜  作者: あき
狂気のデスマッチ編
39/86

39.旅行は、友達と

 ルミナリエ島。

 この島で大昔大きな戦いがあった。


 世界中を蹂躙し、恐怖を振りまく邪神という存在と、聖剣がまだ希望の象徴ではなかった頃の勇者。

 その戦いの終着点、その邪神を勇者が封印したとされるのがこの島、ルミナリエ島だ。



 ちなみに封魔の勇者と呼ばれたこの勇者の物語は、数ある勇者伝説の中でも人気の物語となっており、この物語のファンが、今も世界中からこの島に集まってくる。



ーーーーーー


「へぇ、ここが宿かぁ」

 オニキスとアミィは一旦、宿へ行き、荷物を置いたりする事にした。

 ロビーで受付を終え、奥の転送魔法陣に入ると、いつの間にか長い廊下にいた。

 受付で貰った数字の部屋の扉に触れる、すると、魔法が発動したような気配とともに、勝手に扉が開く。

 中はベットと机だけのシンプルな部屋だが、よく手入れされており、綺麗だ。


「個室完備とか、めっちゃ金かかってんなぁ、友達と寝るのが旅行の醍醐味みたいなとこあるけどなぁ」


ーーーーーーーー


 オニキスが宿の広々とした庭に出る。

 荷物を置いたらこの庭で落ち合う約束をしており、アミィは既にベンチに座って待っている。

「ごめん遅れた、これからどうする?」

「とりあえずパーティメンバーに会いますか?」

「パーティメンバー?誰の」

「私達の」

「そりゃそうか、完全に忘れてた、てか俺誰がメンバーか知らないんだけど...」

「じゃあ呼びますね」

 アミィが魔法を発動し、首に手を当てる。



「20分後に来るらしいです。」

「そっか、それまで暇だしゲームでもしようぜ」

「私はあまり知りませんよ」

「俺が知ってるから大丈夫」

 そう言ってオニキスは手の平に魔法陣を組み上げていく。

 魔法陣の大きさが1m程になり、魔法が発動する。

 そしてオニキスとアミィの前に2つの岩人形が現れる。


「ルールは簡単、このゴーレムで殴り合って先に相手を壊した方が勝ち」

「分かりました」

 アミィがそう言って目の前のゴーレムに魔力を繋ぐ。

「よーいスタート」


 スタートと同時にオニキスのゴーレムが動く、オニキスはそのままアミィのゴーレムに攻撃を放つ。


 アミィのゴーレムはその攻撃を避けようとして.....

 そのまま避けきれずに、頭部を破壊され、そのまま倒れてしまった。


「え?」

 オニキスが間抜けな声を上げる。

「ふぅ、流石に強いですね、オニキスさん」

 呆然としているオニキスとは対照的に、負けたはずのアミィは堂々としている。

「いやいや、アミィお前、弱くない?なんで?」

「?私言いましたよね?実技は苦手だって」

「いや、そうだけど」


 今ここにある世界、その元になったゲームはキャラごとにステータスがあった、筋力、魔力、etc..中でも魔法主体のキャラに重要なステータスが知力だった。

 

 そしてゲームを現実に落とし込んだこの異世界でも、知力の重要性は変わらなかった。

 

 色んな種類の魔法を使うにはその魔法陣の言語を覚える記憶力が必要だし、魔法陣の作成には多くの情報処理資源が必要だった。


 異世界に来てまで勉強しなければならないと知ったオニキスは随分ガッカリしたものだ。



「頭がいいのに弱いなんてことあるのか?」

「確かに頭の良さは魔法の上手さに直結します、でも、魔法がいくら上手くても強いとは別でしょう」

「まあ、確かに」

 オニキスは腑に落ちていない様子で、アミィを肯定する。


「なにやってるんだ?」

 オニキスの上から声がかかる。

「クレイ?どうしたんだこんな所で」

 声の主はクレイだった、相変わらず自慢の筋肉を見せつけるように袖の無い服を着ている。

「どうしたって...呼ばれたから来ただけだけど...」

「もしかして、クレイがパーティメンバーなのか?!」

 オニキスの顔がパッと明るくなる。

「オニキス....お前知らなかったのかよ...」

「だって...クレイはどうせタンザーとかアレクスと一緒かと思ってたから...」

「俺だって組みたかったけどみんな妙にやる気でな、武器を作るだけの俺は必要ないらしい」

 クレイが悔しそうに拳を固く握る。

「意外と繊細なんですね」

 アミィが無表情で口を挟む。


(興味無いなら黙っててよ!)

 オニキスはアミィを睨みつけて心の中で叫んだ。

 

「じゃあ遊び行こうぜ!どこから行く?」

 クレイとの再会でテンションの上がったオニキスがウキウキで遊びの誘いをかける。

「まだ全員揃ってませんよ」

「ああ」

 アミィに注意され途端にオニキスはテンションが下がる。

「クレイ、ゲームして待とうぜ、なんか知ってるやつある?」


ーーーーーーーー


 オニキスとクレイの間に光の玉が飛び交う、光のオブジェクトが破壊されたり作り直されたりしている。

「クレイ!お前強すぎだろ」

「オニキス...なんで初めてのゲームでこんなに強いんだよ...」

「盛り上がってる所悪いんですけど、来ましたよ」

 アミィの声につられ、オニキスとクレイが宿の方を見る。


 女の子が2人、宿からオニキス達の座るベンチに向かって歩いて来る。

 片方は自信なさげに下を向いて、もう片方は不機嫌さを隠そうともしない気の強そうな子だった。


 2人の姿はまだ遠く、クレイやアミィには彼女達がただ歩いてるようにしか見えなかった。


 しかし何故かオニキスにだけ、2人の会話が聞こえた。


ー余計な事喋ったら殺すから

ーわ、分かりました...

ーッチ、なんで私がこんなゴミと...


(最悪、仲良くなれそうにないや)

 オニキスが彼女達から目を離し、もう一度ゲームを眺める。




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