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LAST GAME〜楽しいゲームの世界に転生して〜  作者: あき
狂気のデスマッチ編
33/86

33.転生(2)

 オニキスがベットで目を覚ます。いつもより良い目覚めで、スッキリとした顔でテキパキと起き上がる。

 

 部屋のクローゼットを開け、服を取り出し、着替える。

 カッチリとした服が嫌いなオニキスは、いつも制服を着崩していたが、今日は違い、しっかりとボタンを上まで止める。


「うー、首が気持ち悪い...」


 オニキスは鏡の前に移動し、ボタンを二つほど外す。

 すると、胸元からチラリと、黒い宝石が見えてしまう。

「最悪の副作用だ....魔石、もっと下には出来なかったのかなぁ」

 一人で不満を垂れながら、もう一度、ボタンを閉める。

 カッチリとした服のせいで、自然と姿勢も正された。

 そのまま階段を降り、キッチンに行く、そこにはこの屋敷で働くお手伝いさんが、朝ごはんを作っていた。

「おはようございます」

 オニキスが何時になく爽やかな笑顔で挨拶する。

「おはようございます、今日はお早いですね」

「朝ごはん作るの手伝おうかなって」

「どうかされたんですか?」

 お手伝いさんが不可解な目でオニキスを見る。彼女はオニキスが屋敷に来た頃から働いているが、オニキスが料理を作った所を見た事がないからだ。

「まあ、日頃の感謝だよ」

 そう言って、オニキスは包丁を持った。

(料理は前世ぶりだな)



 料理が出来上がる。焼いた食パンに目玉焼きとトマトとオニオンのソースが掛かった、この世界のメジャーな朝ごはんだ。

「じゃあ、俺は生徒会があるから先に学園に行くって姉さんに言っておいてください」

 オニキスがエプロンを脱ぎながらお手伝いさんに伝言を頼む。

「朝ごはん食べないんですか?」

「ええ、昨日食べ過ぎてしまって、お腹が空いて無いんですよ。

 じゃあ、行ってきます」

「行ってらっしゃいませ」


 オニキスが屋敷を出て行くと、ちょうどベリルが降りてくる。

「あれ?オニーの声が聞こえたと思ったのだけど?」

「おはようございます、奥様、オニキスさんなら生徒会があるのでもう出るとの事です」

「そう....」


 ベリルが食卓につき、朝ごはんをお手伝いさんが配膳する。

「今日の朝ごはんはオニキスさんに作っていただきました」

「え?!オニーが料理?」

「ええ、日頃の感謝らしいですよ」

 お手伝いさんが笑顔で答える。

「何かあったのかしら.....」

 ベリルがナイフとフォークでパンを切り分け、一口食べる。

「美味しい....」


ーーーーー


 オニキスは実技の授業でまた、いつぞやの演習場に来ていた。

 周囲にはクラスメイト達が規則正しく並び、正面にはアズール先生が立っている。

「そろそろテストが近い事は皆も分かっているだろう、分かっているとは思うが、テストの結果で来年にBクラスへ落ちる事もある。出席番号も変わるからな、そのつもりで。」

 アズール先生の言葉に、クラスメイト達の表情が引き締まる。


 「そして、そのテストの内容を一部、ここで開示する」


 周りがザワザワしだす。

「実技のテストは5人1組のチーム戦で行う。パーティメンバーは、こちらからは指定しない、お前らで勝手に決めていい」

 クラスメイトは困惑している。

ーえ?どうする?

ー勇者とパーティになれたら....


「そうゆう言う事で今回の授業は最初と同じだ、2人組でもなんでもいいから、お前らで戦え、中間テストまで1週間しかないぞ、ここで周りの実力を把握しておけよ」

 そう言って先生は横にある椅子に優雅に座る。

 その瞬間、堰を切ったようにクラスメイト達が一斉に喋りだした。

ーお、おい、どうする?

ーとりあえず勇者に声掛けよう


「オニキスさんはどうするんですか?」

 いつの間にオニキスの隣に来ていたアミィが話しかける。

「うーん」

 オニキスはこの先の展開を必死に思い出す。

(この実技試験、ゲームだと結局魔族の介入で有耶無耶になるんだよなー、本気でやるだけ無駄か)

「まあ、俺はBクラスに落ちなければいいかなー、筆記試験だけガチればいいや」

「そうですか...私も概ね同じです」

「じゃあ俺達で組む?」

「いいですね」

 オニキスとアミィが握手していると、人混みからメーガンが飛び出して来る。

 彼女はオニキスとアミィが握手しているのを見て、また、人混みに戻って行った。


「あ....アミィの分も謝るってやつ忘れてたわ.....」

 オニキスが申し訳なさげにアミィを見ると、彼女は少しショックを受けた顔でオニキスを見ている。

 オニキスは彼女の普段見せない表情にキュンとしつつも、心がチクチクと罪悪感で痛む。

「次会った時に一緒に謝ろっか...」

「はい...」

 オニキスとアミィが人混みを眺めていると、オニキスを呼ぶ声が聞こえる。


「オニキス!」

 声の主は真っ赤な髪が特徴的な青年、アレクスだ。

 その手には赤い片手剣が握られている。

「殺ろうぜ、俺と」

「アレクス...先生の話聞いてたの?もう手の内晒してる俺と戦う意味無いだろ?」

「手の内を晒してる?嘘つけ、お前、この前会った時より、強くなってるだろ」

 アレクスの言葉に、オニキスは目を見開く。

(野生の勘ってやつか? まあ、魔石の様子見には丁度いい相手かもな)


 次は、アレクスを呼ぶ声が聞こえる。

「アレクス」

 いつの間にかアレクスの背後に、声の主、天才剣士タンザーがいた。

「あ?なんだよ、お前にもう興味なんて...」

 アレクスはタンザーの手に握られている一振の剣を見て、口が凍りつく。

「お前、もう使えるのか」

「うん、待たせたね」

 アレクスとタンザーは2人で決闘場へ上がろうとする。

「ちょっと待って!俺も混ぜてよ、2対1でもいいからさ!」

(こんな面白そうなイベント見逃せるかよ!)

 オニキスがアレクスを挑発するように叫びながら、2人の背中を追いかける。

「あ?俺達2人とお前って意味じゃねぇよなぁ?」

 オニキスの思惑通り、アレクスが乗ってくる。

「もちろんそうだよ!アレクス一人じゃ少し役不足だなぁって思ってたんだよ!」

 オニキスが、餌を前にしたわんちゃんのように、興奮した笑顔でそう言い放つ。

「なんだこいつ...イカれてんのか?」

 アレクスは目の前の犬にドン引きしながら、そう言い放った。


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