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LAST GAME〜楽しいゲームの世界に転生して〜  作者: あき
狂気のデスマッチ編
31/86

31.イカれた仲間

 タンザーの剣を堪能したオニキスは、ホクホク顔で生徒会室に戻った。

「どうでしたか?」

「ああ、とても美しい剣だった、オーケストラの演奏を生で聴いた時と同じくらい感動したよ」

 アミィが真剣な目でオニキスを見る。

「何が目的なんですか?」

「え?剣聖が認める天才の剣だよ?みんな気になるでしょ?」

「悪趣味ね」

 メーガンが冷たく言い放った。


「で、アミィ、設計図は出来た?」

「ええ、出来ましたよ」

 アミィがこっそり紙をオニキスに渡す。

 そして一瞥もせずにメーガンにそれを横流しする。

「なにこれ?」

「いいから見てみなよ」

 メーガンがその紙を広げると、人体図が出てくる。

 その人体図の胸には、魔石が嵌め込まれており、人体の改造に関する事や、移植手順が細やかに書いてある。

「これって....」

「今夜はパーティだよ、開けといてね」


「オニキスさん」

 声の主は2年生の先輩、黒髪でメガネを掛けている女性のシエナだ。

「今、夜にパーティをすると聞こえたんですけど?」

 凛とした佇まいの彼女が、少し怒りの籠った目でオニキスを見る。

「....先輩も来ますか?」

 オニキスが可愛く笑う。


ーーーーーーー


 シエナ先輩にこってり絞られた為、パーティは明日の土日の休み、明るい時間に行われることになった。


 そして、次の日、オニキス、アミィ、メーガンのイツメンは、アミィの家に集結する。

 当たり前だが、シエナ先輩は来なかった。


 浮き足立っているオニキス、アミィとは違い、メーガンの表情は暗い。

「本当にやるの?」

  メーガンにはまだ人に魔石を移植する事に抵抗があるようだ、と言っても、おかしいのはオニキスとアミィであり、メーガンの考えの方が一般的だろう。


「....メーガンさん、オニキスさんの右肩から胸部をスキャンして見て下さい」

 メーガンも、オニキスも、その発言の意味は分からず、ポカンとしている。

 次第にメーガンはその発言の意図を察し始め、急いでオニキスのスキャンを開始する。

「な?!なに....これ....」

 メーガンはオニキスの胸を触りながら、少し恐怖の混じった顔で驚いている。

「え?何があったの?」

「私は肩から胸までの細胞が軒並みダメージを....」

 メーガンがオニキスから服を剥ぎ取ると、その右肩は黒く変色してしまっている。

「そんな...」

「あの腕を移植した副作用って所ですね....メーガンさん、早くしないと手遅れになります」

 アミィの手にはいつの間にか魔石が握られている。


「ええぇぇ!なにこれ?俺の肩が黒くなってる!」

「オニキスさん....痛みは無かったんですか?」

 アミィが呆れた表情でオニキスを見る。

「いや、もちろんあったけど...このくらい俺の体じゃ日常茶飯事だし...」


 メーガンはそんなオニキスを見て、意を決して呟く。

「分かった」

 メーガンは腕の袖を捲り、立ち上がる。

「オニキス!早くベッドに行って、あんたを立派な魔族にしてあげる」

「別に魔族になりたい訳じゃないのに...」


 オニキスは腑に落ちない顔でベッドに横たわった。


ーーーーー


 アミィとメーガンはオニキスの改造を進めて行く。

 辺りには白と紫、2種類の色を持つ魔法陣が沢山浮かんでいる。

 既に人形を使ったシュミレーションは終わらせており、メーガンの魔法には迷いがない。


 メーガンの額には大量の汗が滴り、アミィの顔にも少し衰弱が見える。


 治療開始から既に12時間以上経っていた。


 アミィからメーガンに、銀色の何かで装飾された黒く輝く石が手渡される。


 片手で受け取ったメーガンの手は震えている。


 そして、その石をオニキスの胸に、嵌め込んだ。


ーーーーーー


 オニキスが目を開ける。

(右手が重い、失敗したのか)

 オニキスは上体を起こし、右手を見る。

 そこにはオニキスの右手を握りながら寝ているメーガンがいた。

「起きたみたいですね」

 少し静かな声でアミィが語りかける。

「身体の調子はどうですか?」

「ああ、凄くいい感じ、凄くお腹空いてるけど...」

「結局14時間も掛かってしまいましたからね、メーガンさんも流石に疲れたのでしょう」

「ありがとう」

 何時になく真剣な表情でオニキスが呟く。

「う、う〜ん」

 メーガンが身体を揺らしながら目を覚ます。

「お疲れ様、メーガン」

「そっか....良かった...本当に...」

 メーガンは安堵か、寝起きだからか、目に涙を溜めている。


「ごめんなさい、オニキス」

「ん?何が?」

「腕を移植する時に気づくべきだった、ちょっと考えれば分かる事を見落としてた...貴方の肩が壊れたのは私のせいよ、あれは私のミスなの...」

 オニキスは首を傾げながら肩を回す。

(よく動くし、痛みもない)

「でも、もう治してくれたんだろ?じゃあいいんじゃない?

 あの時は皆んな、冷静じゃなかったし、ミスするのはしょうが無いよ.....」

 そこでオニキスは自らが発した言葉に違和感を覚える。

(皆んな?いや、アミィはずっと冷静だった気がする)

「もしかしてメーガンが万全の状態なら、副作用を出さずに、腕を移植する事が出来たって事?」

 メーガンは首を縦に振る。


「アミィは、どうやって俺の肩の異変に気づいたの?」

 オニキスは、その答えをある程度察していた、だが、聞かずにはいられなかった。


「ご察しの通り、腕を移植する前には分かってました」

 アミィが無表情で、そう言い放った。

 

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