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LAST GAME〜楽しいゲームの世界に転生して〜  作者: あき
狂気のデスマッチ編
29/86

29.アミィの失敗が見たい?

 オニキスが異世界に来て、彼も最初は、前世の科学知識で無双!なんて事も考えたりしていた。


 しかし、魔法の力は強大で、義務教育程度の科学の知識では手も足も出なかった。


 特に医療分野。

 常に外をモンスターが闊歩する世界だ、その医療分野と戦闘分野は群を抜いて進化していた。


 前世なら手術が必要な傷も、この世界では子供にだって治す事が出来るし、回復魔法使いは腹を裂かずに内蔵の外科手術だって出来る。


 そんな回復魔法の最高峰の使い手が、今、オニキスの目の前にいる。


 生徒会室の一角でメーガンとアミィは真面目に資料と向き合い作業をしている。


「メーガン、トラウマ克服の魔法ってある?」

「勿論あるわ、だけど私は使えないわよ?」

 メーガンは何故そんな質問するのか分からないと言った顔をしている。

「えー、じゃあ今から覚えてよ」

「はぁ、使えないのは法律的な意味よ.....精神に作用する魔法には特別な免許がいるの」

 少し苛立たしげにメーガンは答える、彼女はオニキスに侮られたと思ったのだろう。

「じゃあ使えるって事か」

 オニキスは怪しい笑みを浮かべる。

「.....やらないわよ、聖女が逮捕なんてされたら洒落にならない」

「絶対バレないようにするからさ」

「やらない」

「ふーん」


「アミィは?魔法じゃなくてもいいからさ、トラウマ治せる?」

「タンザーさんの事ですか?」

 アミィが無表情で答える。

(少し興味持ったか?なんで?タンザーは普通の魔力だった筈だけど....)

「そうだよ」

「なら貴方の魔法を使えばいいじゃないですか」

「俺の魔法?」

「貴方の人を落ち着かせる魔法ですよ」

 オニキスは本気で分からないという風な顔をしている。

 

「そういえば最近使って無いですね......」

 そう言ってアミィが考え込む。


「メーガンさん!彼をスキャンしてください!」

 少ししてアミィが何かに気づいたように立ち上がり、メーガンを呼ぶ。

 生徒会の他のメンバーもなんだなんだと、アミィに注目し始める。

「何?どうゆう事?」

「頭部だけでいいので、早く!」

「え、ええ」

 困惑しながらメーガンはオニキスの頭に触れる。


 オニキスの頭部に手を当てたメーガンに、少し焦りの表情が浮かぶ。

「.....なるほど、記憶障害ね、他に異常はない、症状は軽い、記憶を無理矢理引き出す事もできそう...」

「む、無理矢理?! それって免許は要らないの?」

「勿論いるわよ?でもバレなきゃいいんでしょ?」

「あ、いやー、駄目だよ...聖女が逮捕されたら洒落にならないよ.....」

 メーガンの華麗なカウンターに、オニキスの顔が恐怖に染まった。



ーーーーー

 生徒会の先輩が助けてくれたおかげでなんとかオニキスはメーガンの治療を回避した....


「あの時だ...あの化け物の腕を切り落とす時、目を強化した」

「なるほど、目への強化の副作用が記憶に.....ダイジジャナクテヨカッタデスネ」

(アミィの目、キラッキラしてるな....)

 全く心配する素振りがないアミィに、オニキスは少しショックを受けていた。


「あんたの記憶障害は時間が経てば治るわ」

 先輩から軽い注意を受けていたメーガンが帰ってくる。

 

「そのー、俺が人落ち着かせる魔法を使ってたのは何となく思い出せたんだけど、、魔法陣の方はさっぱり思い出せない...」

「私が思い出させましょうか?」

 アミィは温かな湯気が立っている飲み物をオニキスに差し出す。

「魔法で無理矢理はやだよ」

 オニキスはそれを受け取り1口飲む。リラックス効果のある、香り高い紅茶だった。

「魔法は使いません」

「はぇーどうやって?」


「催眠術」


ーーーーー


 オニキスとアミィは2人で、向き合う様に座る。

「オニキス、あんまり思い出そうとしないで、楽にしてください、大丈夫です、私の手にかかればすぐに思い出せますよ」

 アミィが身を乗り出しオニキスの肩に乗せ、落ち着かせるように軽くトントンと叩く。

 次に、手をテーブルの上に乗せ、魔法陣を書き始める。

「精神に作用する魔法は大体この文字を使います、覚えていますか?」

「う〜ん、分からない」

「大丈夫、私が居れば貴方はこの魔法が使える様になる」


 アミィの透き通る目がオニキスを捉え、いつもより低い声が、オニキスを眠りに誘うように響く。

「貴方の記憶は失われた訳じゃない、ただ、鍵が掛かってるだけ」

 アミィの声のせいか、この、妙に落ち着く紅茶のせいか、オニキスの瞼が閉じていく。

「私が貴方の肩に触れれば、貴方の記憶の鍵は開く」

 いつの間にかオニキスの背後にいたアミィが、彼の肩を叩く。


「どうですか?思い出しました?」

「い、いや、思い出せない」

 オニキスが申し訳無さそうに答えた。


「そうですか....失敗ですね」

「なんか...ごめんね」

「タンザーさんなら効くかも知れません、行きましょう」

「え?...」

 スタスタとアミィが歩いて行ってしまう。

(悔しかったのかな?可愛いな)


ーーーー


 オニキスとアミィは学園の図書館に入った。

 アミィ曰く、タンザーは部活の無い日はここにいるらしい。


 多くの本棚を乗り越えると、大きな椅子とテーブルが現れ、奥に本を読む金髪の美青年が現れる。

(はぁ、溜め息が出るほどイケメンだ.....かっこいい////)


 内心ウキウキなオニキスを他所に、アミィは澱みない歩みを進める。

「タンザーさん」

「ん?何か用かい?」

「新しい魔法の実験体を探してるの、来て」

 言うことだけ言ってアミィは去ってしまう。

 置いていかれた2人は顔を見合わせている。

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