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LAST GAME〜楽しいゲームの世界に転生して〜  作者: あき
狂気のデスマッチ編
28/86

28.遊べ

 この世界の魔法の発展は目覚しい。優秀な魔法使いであれば、魔法を使い三日三晩走り続けることも可能だ。

 それでも、魔法使いが人である限り、体力や筋力の重要度は変わらない。


 今もオニキスは筋トレ用の負荷魔法を掛けられながら、クラスメイトと筋トレに勤しんでいた。


 筋トレ用魔法には、使用者に重りの様な負荷を掛け、筋トレの効率を上げてくれる。

 それだけではなく、その優秀なサポート魔法で関節への負担を軽減。

 これにより、怪我のリスクも少なくなっている。



「はぁ、はぁ、キッついなこれ」

 オニキスは腕立て伏せをしながら、隣に話しかける。

 しかし隣から返事は無い。

 オニキスが隣に目を向けると、アミィが完全に力なく倒れていた。

「アミィ?」

「私は、もう、無理」


「先生ー、アミィさんがサボってます!」

「え....」

 オニキスがニヤニヤしながら先生の方に叫ぶと、アミィが、絶望の表情をオニキスに向ける。

 普段は見る事ができないアミィの表情にオニキスの悪ふざけは更に加速していく。


 腕立て伏せが終わる。アズールが皆に回復薬を配る。

「次はランニングだ、それ飲んだら行け!テストも近いからな!サボるなよ!」

 クラスメイト達は広々とした演習場を各々走り回る。


 オニキスが早くも遅くもない速度で走っていると、クレイとタンザーが近づいていた。

「オニキス」

 クレイのいい体には汗が滴っている。

「何?」

「この前話そうと思ってたんだけどさ、お前の剣について案があるんだ」


 クレイはそう言って魔法陣を編み始める。

 魔法が発動すると、クレイの手には魔力で作られた半透明の剣が握られている。

「お前の魔力で剣を作るのはどうだ?」

「あー、いや、ありがたいんだけど、実は黒い魔力に耐えられる素材を見つけたんだ、それで作って貰おうと思ってた」

「まじかよ....何の素材だ?」

「それがよく分からないんだ、今アミィに特定して貰ってる」

「そっか....」

「でも...一応その剣作る魔法教えて?」

「いいぜ」

 クレイが魔法陣を展開してオニキスに見せ、解説を始める。

「俺にも教えてくれ」

 後ろからシルバーが声をかける。

「おおぉ、お前もう1周したのか、いいぜ」

 クレイが最初からシルバーにも説明を始める。

 

 そんなシルバーをタンザーは不思議な顔で見ている。

「シルバーさんには聖剣があるよね?剣を作る魔法なんて必要ないんじゃ....」

「そうだな」

 シルバーはオニキスを見ながらそう答えた。

「ああ、オニキスに負けた時の事、気にしてるんだ....」

「負けてない」

 真剣にそう答えるシルバーをタンザーが微笑ましげに笑らう。



ーーーー


 あっという間に昼休みになる。

 オニキスはいつものメニューを持ち、メーガンの前に座る。

「なんでここに来るのよ....」

「メーガン、早く魔石を移植したい」

 オニキスの発言にメーガンは焦ったように辺りを見渡し、誰も聞いていないのを確認し安心したように息を吐く。

「そんな?!まだ右腕の事だって納得してないんだから!」

「いつ納得出来る?」

 話を聞かないオニキスにメーガンは頭を抱える。

「.....その右腕が100%安全だと証明出来たらよ」

「メーガン..俺の事心配してるの?」

「っな!そんな訳無いでしょ!」

 メーガンが慌てて否定する。

「じゃあ移植してよ」


「....そうゆう問題じゃ無いでしょ....」

 メーガンがしゅんとしてしまう。

 そしてオニキスが諭すように話始める。

「何もしなくても俺の命は短いんだ、お前は勇者を助ける事だけ、俺に魔王を倒させる事だけを考えてればいい」

 投げやりなオニキスの言葉に、メーガンが眉を顰める。

「魔王と戦う前に死んじゃったら意味無いじゃない!」

「大丈夫、魔王は1年後ここに来る、そこまで生きてればいい」

「なんで言い切れるのよ....」

「聞きたい?」

 オニキスが怪しく微笑むと、メーガンの顔は恐怖に染まり、声が出なくなる。

「.....顔に聞くなって書いてあるわよ....」

 そしてオニキスは早々に食事を終わらせ、教室に戻った。

(いじめ過ぎたか?次説得する時は優しくしてみるか)



ーーーーー


 今日は生徒会の業務がなく、オニキスは1人で街を歩いている。

 オニキスはせっかく早く帰れたので魔石の移植をして貰おうと思ったが、メーガンに断られてしまった。


 仕方ないので、オニキスは地図を見ながら目的地へ歩く。

 

 暫くするとある小さな鍛冶屋にたどり着く。

「おーい、クレイー」

 オニキスが扉を叩きながらそう叫ぶと、扉が開きクレイが出てくる。

「おう、来たか」


 ここはクレイの工房だ、一緒にランニングした時に後で来ようとオニキスが聞いておいた。

 

 部屋に入ると、大きな炉と鉄の道具、鉱石の塊などが所狭しと並んでおり、熱気と鉄の匂いが充満している。

 

 そして部屋には先客がいた。

 ボサボサの赤い髪の青年、アレクスだ。

 アレクスはその目つきの悪い目をオニキスに向ける。

「えーっと、6番さんだよね?アガットちゃんと戦ってた」

 オニキスは名前が思い出せない様だ。

 アレクスはそんなオニキスに本気でムカついている様子で、オニキスに詰めていく。

「ああ?アレクスだよ、弱い奴の名前は覚えてねぇか?」

「いやいや、勿論覚えてたよ?」

(ゲームではあんまり使って無かったんだよなあ、まじでごめん)


「2人って仲良いの?」

 今にも襲いかかろうとしているアレクスから逃げるように、オニキスはクレイに問いかける。

「まあな、昔から()()()仲良いよ」

「へぇ、意外、学園じゃ話してるとこ見た事ないし」

「まあ、それはな」

 クレイが気まずそうにアレクスを見る。


 しばらく3人の間に気まずい空気が流れる。

「そんな事より!オニキスは何しに来たんだ?」

「ああ、魔力剣の事について質問があってさー」

 オニキスは、剣を作る魔法を魔力剣と名ずけ、魔法の細かい調節の仕方を聞いていく。


「おい!俺の用事が先だろ!」

 アレクスがオニキスの肩を掴む。

「あ、ごめんよ」

「すまんアレクス」


 クレイが立ち上がり、立てかけてあった剣を取る。

「アレクス....どんな使い方したらこんなボロボロになるんだよ....」

 アレクスの赤い剣は刃は勿論、柄や持ち手までボロボロになっている。

「早く直してくれ」

「いい加減もう新しいの買えよ」

「そんな金無い」

 クレイがため息をつき、剣の修復に入る。

「すまんオニキス、少し時間がかかる」

「大丈夫よー」

 

 オニキスは手持ち無沙汰になり、工房を見渡す。

 すると、壁に幾つもの武器が飾ってある場所を見つける。

 オニキスはその中の、長い刀に目を奪われる。

 オニキスの身長程あるその刀は見た目は平凡だが、少しばかり威圧感を放っている。

「これ触ってもいい?」

「ん?ああ、いいよ、でも絶対魔力は流すなよ!俺の最高傑作だ」

「へ〜」


 オニキスが刀を持ち、鞘から取り出した瞬間、刀がその威圧感を増した。

 その刀身は鏡の様に反射して、表面には波紋が浮かんでおり、刀身から月の光の様な怪しい光を放っている。

「凄いな、この刀、空気すら切れそうだ」

「まあな、唯一の欠点は使い手がいない事だけだ」

「俺がいるだろ」

 アレクスが不満げに口を挟む。

「剣もろくに扱え切れてないお前が刀なんて無理に決まってるだろ」

「タンザーなら使えるんじゃない?」

 オニキスの言葉で、部屋の空気が凍える。


 しかしオニキスは内心笑っていた。

(次のイベントまで暇だし、タンザーの剣をそろそろ解放しに行くか)

この話から第二章に入ります。

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