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24.日常パート

 「じゃあお願い、やってくれ」

 オニキスがまたベットへ寝転がる。

「いや、今からは無理ですよ」

「えっ」

「時間的にも、まだ細かいプランを建ててないですし、機材とか臓器とか色々と足りてません」

「そりゃそうか」

「魔石は絶対欲しいので取ってきてください」

「いやいや、魔族が襲ってくれないと無理だよ....

え?! もしかしてそれまでお預けって事?!」


ーーーーー

 

 「お邪魔しましたー」

 オニキスとメーガンはアミィの家を出ていく。

 空はもう暗くなっている。

 メーガンは暗い顔をしていて、気まずい空気が流れる。

 そんな空気に耐えきれなかったオニキスが口を開く。

「俺がお昼に読んだ本さ、ミステリーものだったんだよ」

「へぇー珍しいわね」

 この世界のミステリーはそこまで人気がない、魔法というなんでもありな世界では、犯人がどのようにして殺したのという楽しみがないからだ。

 もちろんミステリーの面白さはそれだけでは無いが、前世のミステリーより3分の2くらいの面白さになっているのは確かだった。

「アミィってそれに出てくる探偵みたいだよね」

「確かに」

「アミィの口止めはしっかりしといた方がいいね」

「そうね、思った事なんでも口に出すものね、まあ、私に喋られたくない秘密なんてないけど」

 オニキスが急にニヤニヤしだす。

「なによ」

「シルバーの事好きなのバレてると思うよ」

「な?!」

 メーガンが顔を朱に染め、言葉になっていない言葉で必死にオニキスに反論している。


 オニキスが笑い終わり、分かれ道の前で止まる。

「俺の家こっちなんだけど、送って行こうか?」

「いいえ、大丈夫、じゃあね」

 メーガンはスタスタと帰り道を歩いていく。


 

 オニキスが道を歩く。

 先日とは違い誰もオニキスに突っかかってこない、むしろ恐怖の目でオニキスを見る。

(早く帰りたい)

 すると目の前に男の子が現れる。

「お父さんを返せ!」

 その子供がオニキスに石を投げた。

 石はオニキスの額に当たり、浅いが大きな傷を付ける。

「お前、昨日俺の顔面蹴りつけた奴らの子供か」

 額から血が流れる。流れた血は鼻の横を通り、口にたどり着く。

 が、オニキスの足が止まる事は無い。その目が子供に向くことも無い。

 オニキスが子供に近づき、そのまま通り過ぎて行った....

(いつかこの街をぶっ壊そう)



 オニキスが屋敷にたどり着き、大広間に行くとベリルがいた。

「どうしたの?その傷」

 額の傷を見てベリルが近づいてくる。

「傷?」

 ベリルが額に手を伸ばし傷を治療しようとするがオニキスはその手を払い除ける。

「ベリルさん、聖女と友達になったんだ俺」

「そっか!良かったわね」

「だからもうベリルさんは俺の治療しなくていいよ」

 オニキスが回復薬を飲み干し、部屋へ戻る。


「そっか....私にも言えない秘密ができたのね」

 ベリルがオニキスの背中へ語りかける。


(俺がベリルさんの嫌いな魔族になるって言ったらどう思うかな?)

 オニキスは自分の部屋のベットで本日二度目の眠りについた。


ーーーー


 次の日もエメリアを避けて登校した。

 講義はまだ簡単な基礎、実技科目はランニングと筋トレの平凡な授業だった。


 気がつけばお昼の時間になっていた。


「メーガン、お昼行こ」

「いいえ」

「「オニキス」」

 オニキスを呼ぶ2重の声が聞こえる。

 声の主はクレイとシルバーだ。クレイの隣にはタンザーもいる。

「えーっとお昼一緒に食べない?もちろん、シルバーも一緒にさ」

 クレイが気まずそうに話しかける。


「俺メーガンと食べる予定だったんだけど彼女も一緒でいい?」

「もちろん」

 オニキスがメーガン見てシルバーに見えないように下手なウインクをする。

 

「最悪な奴にバレたわ...」

 メーガンが誰にも聞こえない声量で呟いた。


 相変わらず混んでいる食堂に5人は並んだ。周りは彼らの存在感に圧倒され、異様な空気が流れている。

「シルバーは俺に何か用があったの?」

「同世代でそんなに強い人初めて見たから....話してみたかった」

「可愛いとこあるじゃん」


 オニキスは食堂でバランスの良い食事を意識して料理を注文していく。

 そこに食べ合わせの概念はなく、中華風やフレンチなどが節操なく皿に乗っていく。

 

 5人が長方形のテーブルに着く、オニキスの両脇にはシルバーとメーガンが、対面にはクレイとタンザーが。

 オニキスは相変わらず全ての料理をパンに挟んで食う。

「な、なあ、なんでそんな食い方を?」

 タンザーがドン引きしながらオニキスに問う。

「こう食べると早いんだ」

 オニキスがなんでもないように答える。


「だから嫌なのよ貴方と食べるのは....」


 オニキスが早々に食事を終わらる。

「シルバー、聖剣は大丈夫だった?」

「ああ、少し刃こぼれした程度だ」

「なーんだ、ぶっ壊そうと思ったのに....」

 オニキスが残念そうに答えると、周りは何を言っているのか分からないというふうに首を傾げている。

「お、なあい、聖剣をぶっ壊すって...冗談だろ?...あれは人類の希望だぜ?」

 クレイが困惑気味に問うが、オニキスは意味深な笑みを浮かべるのみで何も答えない

「お、おい、何か言えよ....」


「刃こぼれならクレイが直せるよ」

 空気を読んでタンザーが沈黙を破る。

「う、うーん、おう」

 クレイは聖剣に触れるという興奮と、修理に失敗したら殺されるという恐怖の間で揺れ動いている。


「やめときなよシルバー」

 オニキスが急にニヤニヤし出す。

「クレイは聖剣を超える剣を作るのが目的なんだからさ、あいつは敵だよ」

「おい!なんで知ってる!」

 クレイが立ち上がり大きな声をあげる。

「冗談だよ」

 オニキスがケラケラ笑う。


「聖剣を超える剣か.....」

 シルバーはクレイを見て、そう呟き、笑った。

 

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