1.転生
一人の男が真っ白な世界にいた。
その世界は天も、壁も、床も真っ白で、狭いか広いかも分からない。
その男の見た目は平凡だ、彼はここに来たばかりのようで、辺りをキョロキョロと見渡しているが、ここが何処なのか確信しているのか、妙に落ち着いている。
「ここが地獄かぁ」
彼は死後の世界がある事に興奮を覚えながら周りを見渡す。
「違いますよ」
いきなり背後から声をかけられ悲鳴をあげながら振り向く。
そこには人のような生き物が立っていた、見た目は綺麗な女性であるが、その背には真っ白な綺麗な翼を持っている。
まるで宗教画の様な綺麗な女性、だが彼はその女に少しばかりの恐怖を感じていた、その羽から彼女から溢れる気品から、生物としての格の違いを彼は彼女に感じていたからだ。
(もしかして女神か?)
「分かった!じゃあ天国だ」
「貴方には実験台になってもらいます」
「ちょっ「別の世界に貴方を送ります、希望はありますか?」
わけもわからず話が進んでいき頭がパンクする。
(やべえなんか言った方がいいよな)
前にいる女神(仮)が真顔でカウントダウンを始める。
「5.4.3.」
「ちょっと待って!楽しい所!とか?」
女神様が呆れたような顔で見てくる。
「じゃあ、ゲームの世界で!」
突然空が光始める、目を向ければ空に巨大な幾何学模様が黄金の光を放ちながら重なっている。
女神が告げる。
「普通に生きてもらって結構です、頑張ればまた選ばれるかも知れないので頑張ってください」
「もうちょいちゃんと説明をーーーー
その男の視界はすべて金色に染まった。