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190  作者: Nora_
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「うぅ、大丈夫なんですかね……?」

「大丈夫、外で普通に着られる服だからこそ売っているんだからさ」


 くそう、郁沙にとっては普通でも私にとっては違うから困る。

 やはり肩のところがすーすーするし、私には短すぎて下の方も不安だった。

 幸い、じろじろと見られているような感じはしないから縮こまってばかり、止まってばかりというわけでもないけど……。


「ぐっ」

「え?」

「て、手を繋ぎたいのに我慢をするしかないから」

「ああ、別にいいじゃないですか、ただのお友達同士でも女の子同士ならありだと思いますよ」


 ということで手を掴んでみたらなんか落ち着けた。

 他の人は私なんか見ていない、これからのことに集中しているだけだ。

 で、何故か今度は郁沙の方が微妙そうな状態になってしまったという、上手くいかないようになっているのかな?


「買うつもりはありませんけど服でも見に行きませんか?」

「わ、分かった」

「はい、郁沙に似合う服を探したいんです」


 映画を観るとかよりはそうして体を動かせている方がよかった。

 というか、座席と座席が近いから映像よりも郁沙の方に意識がいってしまって駄目になりそうだったからこうした形になる。

 ほら、夏休みまでの毎日で残念な集中力だと分かってしまったわけだからね、迷惑をかけたくないのだ。


「こういう大人のお姉さん系の服装を郁沙にはしてもらいたいです」

「露出が多いのは嫌い?」

「って、そこまでではないですけどね」


 だってもしそうならいまそれを着ている私は? ということになってしまう。

 私の基準が低いだけだ、私からすればちょっとだけ派手な物でも派手すぎる物になってしまうから。


「なるほど、埜乃はこういう服を求めるのか」

「静かにしているときの郁沙にはよく似合うと思うんです」

「って、いつもはやかましいみたいじゃん……」

「違いますよ、それにギャップがあっていいじゃないですか」


 黙っていたら奇麗系で、喋っていたら可愛い系になれるのなら最強だろう。

 私がどちらかだけでもなれるのだったら多分こうはなっていない。

 いちいちどこを好きになってくれたのだろうとか考えずに、むしろ当たり前よぐらいに考えられていたかもしれない。

 いいのかどうかは分からないけど、少なくとも自己解決からすぐに不安になってしまっているよりは、ねえ?


「そういう格好で勉強を教えてもらたりしたらやる気が出るかもしれません」

「嘘つき、埜乃はいつでも真面目にやるじゃん」

「それはどこの私ですか……」


 郁沙は「え、いつものここにいる埜乃の話だけど」と言ってくれたものの、そんなことは全くなかった。

 やはり彼女は無自覚に精神攻撃を仕掛けてくる存在なのだった。

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