モートドッグ戦 事後
<経験値獲得レベルが上がりました>
俺の第28階層での初めての戦闘が終わった。
正直まだ少し怖いし、気分が高揚していて体が少し震えている。
「すぅー、はぁー。すぅー、はぁー。」
深呼吸をしてひとまず落ち着く。
そしてようやくまともに対峙したモートドッグの死体を見る。
本当にこれを俺がやったんだ。まだ少し信じられないな。
まあ、取り敢えずこのモートドッグを解体しようと思う。
てなわけで俺は「動画アプリ」を使ってモートドッグの解体の仕方を調べることにした。
すると「モートドッグ解体完全解説」という32分の動画がヒットしたので視聴しながら解体することにした。
約3時間後。
ようやくモートドッグの解体が終わった。思っていたよりも時間がかかった。その原因としてはまず解体などしたことがなかったこと、そして解体に特化した道具を持っていなかったこと、最後にモートドッグがでかくて硬かったことが挙げられる。特に脚は硬い上に繊細で処理に総計1時間ほどは費やした。
ところで何故真っ先に解体をしたのかというと、素材の鮮度が落ちると買取額が落ちること、死体を長時間放置しておくと他のモンスターがやってくる可能性があることなどが挙げられる。ちなみに買い取りは「買い取りアプリ」がやってくれる。なんと素晴らしいことか。
ただこの「買い取りアプリ」なんと買取額はこの世界の適正価格だそうだ。俺の場合は口で殴り合いをしても勝てる自信はないし、そもそも適正価格なんてわからないということからなにか素材を得ても安く買い叩かれるのがオチだろうからそれがないのはありがたい。
ただし当然短所もあって、人間が買い取りてだと状況によって需要と供給は変化するためタイミングが良ければとても高値で売れる可能性があるが、アプリでの「適正価格」はあくまで平常時のものなのでそのような大儲けは狙えないことだ。
まあ俺からするとアプリの常に買取価格が安定していることを保証されていることはとても喜ばしいことなのだが。
そんなわけで俺は「買い取りアプリ」を起動してモートドッグの素材を売ることにした。
今回売るのは
モートドッグの牙
モートドッグの爪
モートドッグの心臓
ノートドッグの背骨
モートドッグの目
の5点だ。
その他のものは肉のように自分用に保持しているものと売れねいものだ。
モートドッグは行為の魔物なので全身売れるかと思ったが案外そうではないらしい。少し残念だ。
ということで5点の素材を売ったのだがすごいことになっていた。
ちょうど先の戦闘でレベルも上がったことなのでそれと一緒にステータスを確認することにする。
「ステータスオープン」
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カトウ シュン 16歳
レベル4
<種族> 魔を喰らいし奇跡の勇者
<職業> 無職
第2職業 暗殺者(2/25)
体力 4100
魔力 4550
攻撃 5500
防御 3400
俊敏 7200
魔功 4200
魔防 4300
スキルポイント 130
ジョブポイント 6
所持金 365779500
装備 銅の剣 鉄の胸当て
<スキル>
言語理解 アイテムボックス スマートフォン 暴食(レベル1) 恐喝(レベル1) 剛腕(レベル17) 投擲(レベル1) 逃走(レベル8) 解錠(レベル2) 短剣術(レベル12) 隠密(レベル15) 強化聴力(レベル6) 強化視力(レベル3) 高速移動(レベル37) 回避(レベル7)(パッシブ)
<称号>
奇跡を起こした勇者
魔を喰らいし人間
副業をする無職
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まあこんなカンジダ。
まずさっきも言ったがレベルが上がった。
そして暗殺者の隣りにある(2/25)だが職業熟練度を表している。この数値がマックスになればその上級職への転職が可能となる。ちなみにこの上級職への転職をクラスアップという。転職は俺の場合アプリで可能だがこの裏技なしでは各ギルドや教会などでしかできず、しかも金を取られる。また転職した場合スキルは残るが職業補正はなくなるためクラスアップ以外で転職する人はまずいないという話だ。
次にステ値だ。
ステ値では特に攻撃と俊敏の値が伸びている。これはおそらくは職業補正や努力値ってところだろう。モートドッグとの戦闘ではこの足と力は特に込めていたからな。
そしてスキルだ。特に使っていたものの伸びが良いな。スキルは使うことで伸ばせるという話は本当だったらしい。<強化視力>よりも<強化聴力>の伸びが良いのはこのダンジョン内が暗くて視力よりも聴力に頼っていたことが原因だろう。
また新規スキルとして<回避>スキルを手に入れた。
これはパッシブスキルで所持していれば常に回避行動の精密度、スピード、回避率などを上げてくれるものだ。
モートドッグとの戦闘でも死にかけた俺からすると非常にありがたいことだ。
最後に金額だが、これは見ての通りすごかった。
そうなんと!
買い取り総額は3億6572万4800ゴールドもしたのだ!
1ゴールドは日本円にして1円なのでたった一体のモンスターで相当な金持ちになってしまった。
いきなりこんな大金を得た俺ははしゃぎそうになりながら、驚愕で腰を抜かしそうになりながら、あまりの額に混乱して奇行に走っていた(どんなことをしていたかは想像にお任せ……)。
モンスター一体で3億もすることに最初は驚いたがすぐに納得はできた。そりゃあそうだ、爆絶級のモンスターを狩れるのなんてこの世界に50もいないのではないかと思われる、そんなレベルなのだ。
その素材の希少性など言わずもがなだろう。
ただこの先も俺はまずこの階層である程度までレベルを上げるつもりだ。死闘なんてやりたくないからな。
そうすると相当な金持ちになるだろう。なんかちょっと不安だ……
ここで実はモートドッグを解体して、ステータスの確認をしたのには実は別の目的があったことを伝えたい。
そう、<暴食>の実験をしたかったのだ。
詳しく話すと、この<暴食>は身体にダメージを受けずにモートドッグの攻撃を喰った。ただその吸収率の高さからおそらく身体が受けるはずだった痛みまで吸収していたのだと考えられる。そのことから<暴食>の吸収能力は理解できる。またこの前起こった「奇跡」はモンスターの魔石を喰らったことで起こった。もたその時に<暴食>は手に入った。この二点から考えると魔石を<暴食>で喰らえばまた強化される可能性が考えられたのだ。
ということで早速やってみることにする。
「<暴食>」
そう唱えた途端、右手に握っていた無色透明のモートドッグの魔石がオレンジ色に輝き出したのだ。
それとほぼ同時に体の奥底がとてつもなく熱くなった。不思議と苦しくはなかったのだが。
そして次の瞬間にはその「熱さ」と魔石がなくなっていた。
不思議に思いステータスを開いた。
「ステータスオープン」
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カトウ シュン 16歳
レベル4
<種族> 魔を喰らいし奇跡の勇者
<職業> 無職
第2職業 暗殺者(2/25)
体力 4300
魔力 4650
攻撃 5800
防御 3500
俊敏 8000
魔功 4400
魔防 4700
スキルポイント 160
ジョブポイント 6
所持金 365779500
装備 銅の剣 鉄の胸当て
<スキル>
言語理解 アイテムボックス スマートフォン 暴食(レベル1) 恐喝(レベル1) 剛腕(レベル17) 投擲(レベル1) 逃走(レベル8) 解錠(レベル2) 短剣術(レベル12) 隠密(レベル15) 強化聴力(レベル6) 強化視力(レベル3) 高速移動(レベル37) 回避(レベル7) 超嗅覚(レベル1) 風魔法(レベル23)
<スペル>
①そよ風
②ウィンド
⑨ウィンド・ボール
⑪ウィンド・カッター
<称号>
奇跡を起こした勇者
魔を喰らいし人間
副業をする無職
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魔法使いになってしまった。
ステータスが上がったことと、スキルが増えたことから魔石を喰らえば強化されることはこれで確定しただろう。つまりこれから俺はモンスターを倒すことでレベルアップの強化と魔石喰らいでの強化二重得するということだ。これはありがたいことだ。
またもう一つ魔法使いになってしまった件に関してだろう。この説明にはまずこの世界の魔法についての説明からしようと思う。
「魔法」
それは皆さんの想像する通り魔力を消費することで代価としてその力を発揮するものである。
この世界では火、水、風、光、闇の五属性を基本属性としてその他の属性として炎、氷、音、雷、付与、強化、空間など様々な物がある。
魔法を使えるようになるには2つの工程があり、まずスキルの取得である。例えば火魔法(レベル14)や雷魔法(レベル2)である。このスキルによってその属性の魔法への理解が可能になる。そして次にスペルの取得である。これは実際に魔法を発動させるものである。例えば「ファイア・ボール」や「アイス」などが挙げられる。
魔法のメリットとしては魔力切れにならない限りどれだけ撃っても疲れないことや大規模、広範囲攻撃ができることなどが挙げられる。
それに対してデメリットはどんなスペルでも「発動待機時間」を持つため高速戦闘、接近戦に向かないことや、使えるようになるのにスキルを覚えてすおエルを覚えなければいけないため工程が多いこと、魔力や魔攻に依存するため他のステータスが伸びにくい等が挙げられる。
魔法には「階位」が存在しており、例えばウィンドが第2階位魔法でウィンド・ボールは第9階位魔法である。階位が高いほど高威力、広範囲と強力なものになるがその代わりに発動待機時間や最低消費魔力が大きくなっていく。因みにステータスではスペルの横に表記されている。また魔法使いの中でも第5階位以上の魔法を使える者は魔術師に転職可能になる。ただ魔術師の数は少なく、冒険者の魔法職ですら3割強しかいない。
魔法使いはパーティー内ではその特性から基本、後衛職に当たり後ろから魔法を使って戦闘の支援をする役職になる。攻撃魔法、防御魔法、回復魔法など多様な種類の魔法が存在するため複数人の魔法使いがパーティー内にいることも少なくない。
過去に記録されているものではかつて魔王が使ったとされる第32階位炎魔法「獄炎世界」が最高位とされている。
という感じだ(検索より)。
スキルとスペルを手に入れたことで魔法使いになってしまった。この世界に来てから少し憧れていたため嬉しい。
第11階位まで手に入ったので戦闘にも期待できるだろう。因みに発動待機時間についてはスキル<無詠唱>でカットすることげできるそうだ。その<無詠唱>は「ショップ」に9600万で売ってあったため買うことにした。ただしこれは急に大金が入り金銭感覚が狂ったわけではなく、戦闘で確実に勝利するために必要だと思ったからである。たしかにお金は大事だけれどもお金で命は買うことができない。そのため安全のためにお金は惜しまず使うことにしたのである。
そんなこんなで隼は<無詠唱>を手にした。
本話から終了後ステータスを記していこうと思います。
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カトウ シュン 16歳
レベル4
<種族> 魔を喰らいし奇跡の勇者
<職業> 無職
第2職業 暗殺者(2/25)
体力 4300
魔力 4650
攻撃 5800
防御 3500
俊敏 8000
魔功 4400
魔防 4700
スキルポイント 160
ジョブポイント 6
所持金 269779500
装備 銅の剣 鉄の胸当て
<スキル>
言語理解 アイテムボックス スマートフォン 暴食(レベル1) 恐喝(レベル1) 剛腕(レベル17) 投擲(レベル1) 逃走(レベル8) 解錠(レベル2) 短剣術(レベル12) 隠密(レベル15) 強化聴力(レベル6) 強化視力(レベル3) 高速移動(レベル37) 回避(レベル7) 超嗅覚(レベル1) 風魔法(レベル23) 無詠唱
<スペル>
①そよ風
②ウィンド
⑨ウィンド・ボール
⑪ウィンド・カッター
<称号>
奇跡を起こした勇者
魔を喰らいし人間
副業をする無職
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