第9話 ダンジョンで遠征しよう
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今日もダンジョンの門に並んだ。
衛兵に身分証を提示し遠征すると報告。
大体の期間をと問われたので、1週間ほどと答えた。
「そんな荷物じゃ無理だから、食料がなくなる前に帰るようにな」
と言われた。
「わかりました」
と答えて、大銅貨1枚を払い木札を受け取る。
木札には10月12日、75番と記載されていた。
門を抜けると心地よさを実感する。
西へ進み、出来れば海を見たい。
西の森に入り、今回は腹が減るまで拾い食いをせずに西を目指す。
途中、7頭のシルバーウルフに遭遇し、昨日と同じように闇魔法と石つぶてで仕留めた。
仕留めた魔物は、素早く取り込んだ。
しばらく進むと体長2mほどのワイルドボアがいた。
こちらに気づいていないようなので、闇魔法を放ち接近してミスリルの剣で仕留めた。
これがステーキの素材。
取り込むと美味しく感じるが、取り込むのは味気ない。
やっぱり肉はステーキみたいに焼いて、口で食べる方が美味しく感じる。
魔石を手のひらに取り出すと、茶色の魔石だった。
大きさは、シルバーウルフより少し大きかった。
見たことのない魔物以外は、なるべくスルーして先に進むことを意識しながら、西へ進んだ。
途中に川があった。
川には3体のカエルの魔物がいた。
トードかな?
体長は1mぐらい。
でかいカエルは気持ち悪いな~
初見の魔物なので戦闘する。
爬虫類に闇魔法って効果あるのかな?
とりあえず、3体に闇魔法を放つが、表情からは効いているのか分からない。
ゆっくり近づいても、襲ってくる感じがしないのでそのまま剣で一体ずつ切り裂いた。
仲間が倒されても、反応が無いので効いていたのだろう。
魔石は小さな水色だった。
川は西の方角に伸びていたので、しばらくは川沿いに進んだ。
途中、野イチゴを見つけた。
気になる気配を感じるので、食べられるのだろう。
俺は、野イチゴを手でつかみ口に運んだ。
「うまいじゃん」
前世で食べた「あまおう」なんかより、甘みは少ないがイチゴの味を感じた。
魔素の濃い食べ物は、素材の味を感じられるんだ。
俺にとっては大きな発見であった。
野イチゴを堪能して、再び西に進んだ。
しばらく進むと今度は大きなワニの魔物がいた。
確実に7メートルぐらいはある。
初見だから倒したいが、ワニは怖いよね。
闇魔法を放った。
カエルと一緒で反応がない。
近づいて、ガブリは恐ろしいので、石つぶてを放った。
頭部に当たって、暴れるがまだ生きている。
闇魔法も効いているようで、こちらには向かってこない。
俺は剣に魔力をまとわせて、思い切って近づき頭を両断した。
魔力をまとった剣はすんなりと頭部を切り落とした。
取り込んで魔石を出すと水色の魔石でこぶし大ぐらいあった。
今までで一番大きな魔石だったので袋に入れた。
そんな感じで川沿いを進み、日が落ちたので、草むらで久々にタールの姿になって身を潜めた。
夜空には月が浮かんでいた。月は大小2つで色は大きいのが赤で、小さいのは黄色だった。
ダンジョンの外の月は赤と緑だから、ここも異世界なんだろう。
翌朝も西に進んだ。
川は途中で南下したので、そこからは川を離れて西に向かった。
途中、動きの鈍い魔物の気配を感じたので、ゆっくり近づくと、黒い大蛇の魔物がいた。
デカい。
長さだけなら10メートル以上ある。
胴体は俺より大きい。
これは恐ろしい。
色も黒いので闇属性で毒もありそうだ。
闇魔法が効くか非常に不安だが、闇魔法を放った。
動きはないが、石つぶてを頭部に向けて放った。
ダメージを受けてのたうち回る。
俺は剣に魔力をまとわせて、胴体を両断した。
半分になっても動くので、今度は頭を切り落とした。
ようやく死んだようなので取り込んだ。
魔石を手に取ると、黒い大きな魔石だった。
大きさは、ワニの魔物と同じぐらいだった。
とりあえず、袋に入れた。
再び西に進むと、また魔物の気配を感じて近づく、大きな蜘蛛の巣が現れて、中心にはデカい黒と黄色のジョロウグモのような魔物がいる。
これも闇魔法を放ち、高い位置にいるので、石つぶてを複数胴体に向けて放った。
しばらくもがいたが、石つぶてを連発して倒した。
落ちてきた蜘蛛の魔物は大きくグロテスクで、取り込みたくないが取り込んだ。
魔石は黒く蛇よりも小さかったので、再び取り込んだ。
早く森を抜けたいな~
こんな感じで西に進むとようやく平原に出た。
空も薄暗くなってきたので、平原の草むらに身を潜めて眠りについた。
翌朝からは平原を西に進んだ。
森を抜けるには、かなり急いで2日かかった。
ギルドの地図では、平原を抜けると更に森があって、海は森を抜けた先にある。
この体は疲れないから森を2日で抜けれたが、普通は何日かかるんだろう?
そんなことを考えながら西へと進んだ、
しばらく平原を進むと、前にはテントが見える。
他の冒険者がいるようだ。
遠くからのぞくと、10名ぐらいの男性パーティーのようである。
声をかけようか迷ったが、一人でここまで来た俺は不審に思われそうなので、声をかけるのはやめた方がよいと考えた。
大きく迂回して、西に進もうと考えていると、豚顔の魔物の集団が冒険者パーティーに近づいていた。
オークのようだ。
オークはこん棒を持ち、体長は2m近くありそうで20体以上いる。
冒険者はオークの集団に気づき、戦闘の準備を始めた。
オークと冒険者の戦いは見てみたい。
俺は草むらに身を潜めて、先輩冒険者の戦いを観戦することにした。
数はオークが25体ほどいる。
冒険者は10人前後。
不謹慎だが、冒険者がどんなふうに戦うのか見学するのも貴重な体験である。
3人の冒険者が、弓をオークに放った。
オークは数を武器に突進していた。
矢を受けてオークが2体倒れたが、怯まずに突進している。
冒険者は再度矢を放ち、2体が倒れた。
先頭のオークが冒険者に迫る。
冒険者は7名が横一列になり、剣と槍で応戦した。
弓の冒険者は、再度弓を放ってから剣に持ち替えて参戦した。
弓による3射の攻撃で合計5体のオークが倒れたが、オークは残り20体。
冒険者の倍だ。
オークは怯まずにこん棒を振るう。
冒険者は、こん棒を盾でいなして剣を振るう。
しばらく戦闘が続き、オークが10体倒れたが、冒険者も7名倒れている。
これは冒険者が不利だよな~。
その後、3人となった冒険者は逃げ出すが、10体のオークに襲われて全滅した。
冒険者が勝つと思っていたが、オークが勝ったようだ。
戦闘に勝利したオークは、冒険者に食らいつく、弱肉強食の世界。
倒れていたオークも3体が立ち上がって、冒険者に食らいつく。
俺はオークに近づいて、まとまった5体に闇魔法を放った。
俺を見た残りのオーク8体が再びこん棒を手に俺に突進してきた。
石つぶてを5体のオークに放ち、魔力を込めた剣でオークに突っ込んだ。
3体のオークは振りかざしたこん棒ごと、剣で切り裂いた。
息のあるオークと、闇魔法を受けたオークに止めを刺し、オークとの戦闘はあっけなく終了した。
その後は、オーク25体を取り込んだ。
お腹は膨れない。
冒険者は10名全員が息絶えていた。
身分証を集めると、ランクはCが8名でDが2名だった。
冒険者の木札を確認すると日付は8月25日となっていた。
行きか帰りかは分からないが、ここまで来るのに49日もかかっている。
身分証で火小と無小の加護をもっている冒険者がいた。
俺は冒険者全員を取り込んだ。
その後は火属性を持つ冒険者に変身して、以前から考えていたファイヤーボールや、火炎放射、火炎トルネードを試した。
考えていた魔法はすべて使えるようになった。
無属性魔法は、エマさんが持っていて、身体強化が使えると言っていたので体にはわせて強化するイメージを浮かべた。
走ったり、ジャンプしたらいつもより早く走れて、高く飛べるようになりました。
オークの魔石は、茶色でゴブリンソルジャーよりも一回り大きかった。
俺は再び草原を西に進んだ。
草原を進むと、コボルトの集団とゴブリンの集団が戦っている現場に遭遇した。
この世界では魔物同士の集団戦闘もあるんだ。
ゴブリンの中にはゴブリンソルジャー、魔法使いのようなゴブリンメイジがいた。
コボルトの集団にも、コボルトソルジャーと一回り大きい個体がおり、それぞれ30体ぐらいで戦っている。
初めて見たゴブリンメイジの魔法に興味があったので、俺は草むらから戦いを観戦した。
ゴブリンメイジが魔法を放つと、3体のコボルトが眠りについたようだ。
近くにコボルトソルジャーと一回り大きな個体がいたが、コボルト以上の個体には魔法が効かないようであった。
闇魔法は、自分以上の個体には効果を発揮しないのかな?
戦闘はほぼ互角の戦いで、しばらくすると双方が戦闘をやめて、相手の死体を持って、引き上げていった。
食料確保の戦闘で全滅までは争わないのかな?
魔物同士の戦闘を観戦した。
平原を突き進んで、日が落ちたので草むらで眠りについた。
初投稿作品です。
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