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第12話 ブローニュでの生活

いいね!評価、ブックマークなど頂けると、大変励みになりますのでどうぞよろしくお願い致します。

 美しいエルフの女性シルビアと生活を始めた俺は、とにかく分からないことを色々と尋ねた。


 先ず、肌の白いエルフと浅黒いエルフがいることを尋ねた。

 エルフは、光の精霊に多く寵愛を受けて生まれるか、闇の精霊に多く寵愛を受けるかで肌の色が変わり、親子でも兄弟でも白いエルフと浅黒いエルフに分かれるそうだ。

 シルビアは闇の精霊の寵愛を多く受けており肌は浅黒い。

 なお、エルフには肌の色による差別は無いようだ。


 この森が魔の領域と呼ばれ、冒険者は入ると帰れなくなると聞いたが何故か?

 森には精霊魔法が掛けられており、門の外から来た精霊の加護の無い人間は方向感覚を失って帰れなくなるそうだ。

 門の外から来た人間は、この町までたどり着くことなく、魔物に殺される。


 この町には何人ぐらいの住民がいるの?

 千人以上いる。


 ここ以外にも町はあるの?

 あるし、エルフ以外の種族もいる。


 エルフはみんな魔法が使えるの?

 精霊魔法も属性魔法も使える。

 精霊魔法の加護と属性魔法の加護により、エルフによって使える魔法と魔力の大小はあるが、人間よりは魔力が多い。


 精霊魔法の種類は?

 基本は火、水、風、土、光、闇だが、エルフは森の精霊の力も借りられるそうだ。


 エルフはベジタリアン?

 肉も魚も食べる。


 近くではどんな獲物を狩るの?

 ウサギや鳥が多いが魔物も狩る。


 エルフの寿命は?

 1000年以上生きるエルフは多い。


 この集落に人や魔物は入ってこないの?

 精霊魔法で精霊の加護を持たない者は村の入り口に近づけないようになっているし、魔物除けの結界も張っている。


 畑ではどんな作物を育てているの?

 麦、米、大豆が主食で、野菜や果物、紅茶や香辛料も育てている。


 シルビアさんは独身ですか?

 独身だ。


 シルビアさんはおいくつですか?

 ノーコメント


 俺は、色々な質問をした。

 一部の質問には答えてくれなかったが、米も栽培しているとは興味深いし、是非食べたい。

 エルフは農作業に優れており、香辛料なども栽培しているが、塩はかなり遠くから岩塩を仕入れているそうで貴重であり、俺が海で唯一作った塩を大量に渡すと大変喜ばれた。

 今度、西の海に町で使う塩を取りに行こうと提案したところ、シルビアは海を見たことがないそうで、是非、連れて行ってくれと食い気味に頼まれた。


 夜は、エスターシャが歓迎の宴を開いてくれた。

 魔素の濃い森の集落で取れた米や野菜、果物はどれも美味しかった。

 肉料理も香辛料が効いて、とても美味しく頂いた。

 ブローニュではワインと火酒も作っており、久しぶりに美味しいお酒も堪能した。


 民族音楽に合わせて踊るエルフは幻想的で魅惑的だった。

 俺も子ども達にせがまれて余興で、ワイバーンや大きなワニ、ヴァイパー、サーペントに変身すると子どもたちは大騒ぎで喜んだ。

 本物にあったら逃げるんだよ~と、子ども達に注意も促した。


 俺はようやく自分の居場所を見つけられたようだ。


 翌朝は、シルビアが朝食を作ってくれた。

 パンと肉と野菜を使ったスープを2人で美味しく頂いた。


 朝食後は、町の畑と果樹園を見て回った。

 畑には多種多様な野菜やハーブが植えられており、果樹園にはリンゴやナシ、ブドウが実っていた。

 エルフの農業は、精霊魔法も使うそうで、味も最高に美味しいそうだ。


 午後からは取れたての果物を食べて、シルビアと狩りに行くことにした。

 彼女は野菜よりも肉が好きな「肉食女子」だそうだ。


 俺はミスリルの剣を持って、シルビアは弓矢と短剣をもって森へと入った。

 しばらく進むと、シルビアが立ち止まって狙いを定めて矢を放った。

 放たれた矢は見事にカモぐらいの鳥を射止めた。

 クイナという鳥で、魔物ではないそうだ。

 俺は魔物特有の気配を感じなかったが、見ると美味しそうに見える。

 この森の動物は魔物でなくとも魔素を多く含み旨そうだ。


 シルビアは首を斬って、血抜きし袋に入れた。

 俺はシルビアに羽などの処理は後でするのかと聞くと、そうだと答えたので、袋の鳥を受け取って取り込んだ。

 体の中で羽と内臓を処理した鳥をイメージして再び取り出すと、すぐに調理可能な姿となってあらわれた。

 鳥をシルビアに手渡すと、こんなことも出来るのかと驚かれた。

 俺の便利機能だ。


 進むと、魔物とは少し違う気配を感じた。

 そっと覗くと、馬?…角の生えた白いユニコーンの親子がいた。

 シルビアに聞くと、幻獣と教えてくれた。

 幻獣は魔物と違って、見たら必ず襲ってくるようなことはなく、敵意を見せなければ襲ってはこないそうだ。


 ちなみにユニコーンは町でも、移動用に育てられている。

 この森には、他にもカーバンクル、ヘルハウンド、バイコーン、ペガサスなどの幻獣がいるそうだが、ヘルハウンドは襲ってくるそうだ。


 シルビアは鳥を4羽仕留めた。

 さすがエルフ、弓の腕前はすごい。

 鳥の処理は俺の便利機能が役立った。


 俺は、魔物の気配を2つ感じた。

 シルビアに魔物の気配を伝えて向かうと、2頭の大きなワイルドボアがいた。

 ここは俺に任せてと、音と光を閉ざす闇魔法を放った。

 うろたえたように立ち尽くす獲物に、俺はミスリルの剣に魔力をまとわせて近づき首を斬った。

 我ながら鮮やかに魔物を倒せた。


「今のは闇魔法なの?」


「そう闇魔法。相手を音と光のない真っ暗な闇の世界に落とすイメージ」


 俺の闇魔法のイメージをシルビアに教えた。

 シルビアも闇魔法と火魔法、闇と火の精霊魔法が使えるそうで、暗闇をイメージして効果は相手の目を見えなくする程度だったようだ。


 おれの闇魔法は、音も無い真っ暗な世界に相手を落として、方向感覚も失わさせることを強くイメージしており、魔法を受けた相手は倒れたり、怯えて動けなくなる。

 闇魔法のイメージは、俺の他のオリジナル闇魔法も含めて、帰ったら教えると約束した。


「大きなワイルドボアだけど、運べないから美味しい部分の肉だけ持って帰りましょう」

 とシルビアが言うので


「運搬は問題ないよ」


 と2頭のワイルドボアを取り込んだ。

 あとは体の中で、毛皮をきれいに剥がして、血抜きして内臓を取り除くイメージをすれば、美味しいお肉となる。

 お肉は町まで俺の体の中に保管できることを教えた。


 2頭のワイルドボアを取り込んだ俺にシルビアは驚いた。

 当然だが俺の体よりも大きいものが、何処に入るのか聞いてきたが、それは俺もわかりません?


 帰りには、魔力草と魔素キノコを採取しながら町へと向かう。

 ブローニュでも魔力草と魔素キノコは、薬店で買い取ってもらえるそうで、魔素キノコは、香りもよく塩をふって焼いて食べても非常に美味しいので、シルビアも大好きだそうだ。

 今日の夜は、肉と魔素キノコを焼いて食べようと話しながら町へと帰った。


 村では肉屋に向かった。

 人口1000人以上の町なので、お店も当然あるし、銅貨、銀貨、金貨も流通している。


 金貨などの絵柄は、クロスター王国の貨幣とは当然異なるが、銅貨、大銅貨、銀貨、金貨があり、他の町や種族間でも共通して使える。

 貨幣には魔王様の姿が描かれている。


 ちなみに魔王様は、角の生えた人型の魔人の様な姿だが、この世界には魔人種はいないそうなので、固有の存在だそうだ。

 魔王様にはシルビアも会ったことはないそうだが、エスターシャの話ではとてもやさしい方だそうだ。

 魔王のイメージはファンタジー世界とは異なるようだ。


 肉屋では、シルビアの捕った2羽の鳥とワイルドボアを買い取ってもらった。

 ワイルドボアは大きいので、店の主人エドガーさんにお願いし、奥の解体場の台を借りた。

 何もないところから突然2頭の巨大な魔物の肉が出てきたのだから、当然エドガーさんも驚いていた。

 シルビアが、エドガーさんに家で食べるようにロース肉などの部位を後で寄るので、切り分けてくれるように頼んで店を出た。


 そのあとは、ワイルドボアの毛皮を防具屋に買い取ってもらった。

 毛皮も、脂身などを処理した状態で納品できるので防具屋から喜ばれた。


 魔石をどうするかシルビアに聞くと、魔道具店で売れるそうなので立ち寄った。

 ワイルドボアの魔石とは別に過去に倒して取っておいたワイバーンや大きなワニ、ヴァイパー、サーペント、オーガの魔石をだしたところ、魔道具店の主人からは大きな魔石は貴重なのでとても喜ばれた。

 特にサーペントから得た光の魔石は非常に珍しいそうで、併せて金貨30枚を得た。


 魔道具屋では、家で使う大型の魔道コンロを金貨10枚で購入した。

 家にはもともと、薪を使った調理具はあるが、断然魔道コンロの方が料理しやすいとシルビアは喜んでくれた。

 冷蔵庫も金貨10枚で売っていたので購入した。

 家には明日配達してくれるそうだが、俺が取り込んで持って帰ることにした。


 帰りに肉屋でお肉と金貨6枚と銀貨4枚大銅貨2枚を受け取った。

 イーシャでの買い取り価格は10キロあたり銀貨2枚だったが、1頭あたり200キロ以上はあるが、流石は魔の森に囲まれた町なので、イーシャよりも肉はだいぶ安いようだ。


 家に帰って、早速魔道コンロと冷蔵庫を部屋に設置した。

 何気に食料以外の魔道具を取り込んだが、短時間では消化されずに劣化もなく、短時間の運搬だけなら無くなることもなく、非常に便利な能力だ。

 何時間ぐらいで消化して取り出せなくなるのか検証が必要と思った。


 夕食ではイーシャの町で購入した鉄板を使って、ワイルドボアの肉と鳥肉、魔素キノコを塩コショウで簡単に調理した。

 ジャガイモのスライスも鉄板で調理し、肉食女子シルビアと贅沢な夕食を堪能した。

 夕食後は、2人で洗い物と部屋の掃除をした。

 まるで夫婦のような生活に幸せを感じた。


 食後は俺の知る闇魔法のイメージと精霊魔法についてシルビアと話した。

 俺は音と視界を閉ざす闇魔法を多用するが、「相手の魔素を吸収する」「相手を意のままに操る」「相手を毒状態にする」といった闇魔法も練習して使えるので、その魔法イメージも説明した。


 さすがに相手の魔素を吸収する闇魔法は、俺の体特有の闇魔法かもしれないが、シルビア達エルフの闇魔法は、暗闇魔法や眠りの魔法が闇魔法であり、相手を操る魔法と毒状態にするような使い方は知らなかったそうだ。

 俺も眠りの魔法は使ったことがないので、今度練習することにした。


 精霊魔法についてもシルビアに聞いた。

 精霊魔法は、火、水、土、風、光、闇の精霊にお願いして、精霊に魔法を発動してもらうこと。

 精霊との相性が大きく影響し、精霊にイメージを伝えるのが難しいそうだ。


 部屋ではイーシャで購入した魔道ランプを灯していたが、俺は試しに光の精霊さんに部屋を明るくしてくれるようにお願いしてみた。


 光の精霊が集まって部屋を照らしてくれた。

「精霊さんありがとう」

「疲れたらやめていいからね~」


 俺は精霊魔法も使える様だ。

 しばらくの時間、シルビアと魔法と精霊について話をした。

 精霊魔法をすぐに習得した俺にシルビアは驚いていた。


初投稿作品です。

最初に書いたストックも底をつき、本業も3月の繁忙期を迎えて、今後は投稿間隔が遅くなると思います。

週に1話を目標に投稿していきたいと思いますので、末永くの応援よろしくお願い致します。

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