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第10話 大空を駆けて海へ

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 朝になって、俺は再び西を目指した。


 しばらく、西に進むと上空から魔物の気配を感じた。

 魔物の気配は高速で近づいて来る。

 俺は草むらに潜んで、気配のする上空を見上げると、しばらくして鳥のようなものが近づいてきた。


 プテラノドンのようなあれはワイバーンでは?

 魔物は俺には気づいていないが、ワイバーンに変身できれば空を飛べて、冒険が楽になると考え、草むらから立ち上がった。


 俺の姿を見つけたワイバーンは、獲物をとらえて向かってきた。

 近づくと、ワイバーンはすごくデカかった。

 7メートルぐらいある。

 立ち上がったことを後悔した。


 どんどん近づいて来る。

 とりあえず、覚えたての身体強化魔法で自身を強化した。

 接近するワイバーンに石つぶてを放った。

 石つぶては、ワイバーンの膜のような防御に阻まれて直撃しなかった。

 俺は低空飛行で、口を開けて突進するワイバーンを横っ飛びでかわした。

 直ぐに立ち上がり、旋回するワイバーンに向けて、闇魔法を放った。

 闇魔法を受けたワイバーンは方向感覚を失ったのか地上に墜落した。

 チャンスと見た俺は、暴れるワイバーンに近づいて、魔力を流した剣で首をはねた。


 終わってみれば、あっけなくワイバーンを倒した。

 取り込んで魔石を出すと、緑色のこぶしよりも少し大きい魔石を得た。

 魔石は袋にいれた。


 ワイバーンに変身すれば空を飛べて、冒険が楽になる。

 俺は装備を脱いで、剣などの長物はリュックに結んだ。


 ワイバーンに変身して、荷物を足で掴んで空へと飛んだ。

 飛行機以外で初めて空を飛んだ。

 しかも自分で翼を動かすと、どんどんと高度が上がる。

 気持ちいい。

 下を見ると草原が見える。

 前方には森が広がる。


 さっきワイバーンとの戦闘で、石つぶてを膜のような防御で弾いていたのを意識すると体全体に風をまとった。

 風をまとうと、物理攻撃への防御と風の抵抗が無くなって、飛行速度が跳ね上がった。


 下を見ると瞬く間に草原を抜けた。

 草原の先には、再び深い森が続く、最初の森はモンスターを討伐しながら徒歩で急いで2日を要したが、やっぱり空の旅は楽ちんだ。

 ハイスピードで飛ぶと体感時間にして1時間ほどで森を抜けて海に着いた。

 俺は、海岸沿いを旋回して、砂浜に降り立った。


 海だ~

 砂浜でカイルに変身した。

 磯の香りがする。

 前世での俺は漁港のある小さな町に住んでいたので、磯の香りに懐かしさを感じた。

 海水を少し舐めると塩の味がした。

 魔素を多く含む海水だから俺でも塩の味を楽しめるんだ。


 この塩があれば、俺の異世界食事ライフが向上する。

 出来るか分からないが塩を作ってみよう。

 俺は海水を大量に取り込んだ。

 身体の中を意識して、海水から塩分のみを残して、水分を吐き出すイメージをする。

 大量の水分を排出し、塩のみを手のひらに取り出した。

 手には白い塩が出てきた。


「成功した!」


 少し、舐めると塩の味がした。

 俺は、リュックから袋を探して塩を詰めていった。

 魔素入り塩を大量にゲットした。


 海とくれば、ウニやアワビ、サザエ、塩で焼き魚も食べたいな。

 海に潜ろう。

 裸のまま、護身用のナイフを持って海に入った。


 魔物の俺は水中でも呼吸は必要ないようだ。

 手つかずの海の中には、多くの魚が泳ぎ、ウニやアワビ、サザエに似た大きな貝もいる。


 俺は、とりあえずアジやタイに似た魚と貝類を取り込んで砂浜に戻った。

 早速調理しよう。

 鉄板なんかは持ってないので、取りあえず上部が平らな大きな石を探して、覚えたての火魔法で石を熱した。


 取り込んだアジとタイに似た魚の鱗と内臓を取り除くイメージをして、熱した石の上に置き塩をかけた。

 アワビとサザエも石の上で焼いた。


 ウニは可食部を取り出すイメージをして、手のひらに可食部のみを取り出した。

 身体から取り出した食材を、また口から食べるのはどうなんだろうと、少し矛盾も感じるが、食事はやっぱり口で食べるのが正解でしょうと、自分を納得させて、ウニを口に入れた。


「美味い!まさにウニの味だ」

 舌にのせて味と触感を楽しみながら堪能した。


 木の枝をナイフで削って箸を作り、魚を裏返す。

 石に油など引いていないので、上手には焼けなかったが新鮮な魚の塩焼きを食べれた。


 アワビとサザエも塩味のみだが、コリっとした触感がたまらない。

 これで醤油があればと思ったが、十分に海の幸のバーベキューを楽しめた。

 ついでにいつもの魔素キノコも切って塩で焼いてみたが、塩味のみだが焼くとマツタケのような風味があって、とっても美味しく頂けました。


 今までは調理の必要性を感じなかったが、ダンジョンの食材は俺に食への欲求を訴えかけた。

 イーシャの町に帰ったら、鍋や鉄板なんかの調理用具を揃えようと心に誓った。


 夕日が海に沈むのを眺めて、今日は浜辺の茂みに潜んで眠りについた。




 翌朝も、海に潜って貝類を中心に取り込んだ。

 帰り際に魔物の気配を感じた。

 やっぱ海にも魔物はいるよね~

 しばらくすると、蛇のような巨大な白い魔物が現れた。

 サーペントっていうのかな?


 さっそく、闇魔法を放つと、固まってその場で暴れだした。

 効果はあるようだ。

 ミスリルの剣は砂浜に置いてきているので、今回は高圧力で細い水を指から噴出する「水の刃」を選択し、サーペントに近づいて頭部に振るう。


 海の中で刃の水は見えないが、至近距離では固い岩をも貫く「水の刃」は高威力。

 巨大なサーペントの頭部も豆腐のように切り裂いた。

 俺はそのまま砂浜にあがって、バーベキューの準備をした。

 今回は魚介類と先ほど戦ったサーペントの肉を塩で焼いてみたが、サーペントの肉は、脂がのってとっても美味でした。

 魔石を取り出すと、拳より大きくて光りを放つ魔石だった。


 魔法はこれまで、土、風、闇、水、火、無を取得してきたが、これは無属性なのか光属性なのか?


 もしも、光属性であったら魔法をコンプリートできるかも?

 食後に再び海に潜って、サーペントに変身した。

 可哀そうだが、大きな魚の尻尾を水の刃で切り裂いた。

 尻尾を切られた魚がもがく。

 俺は魚の尻尾の再生をイメージして魔法を放った。

 すると魚の尻尾が生えてきて、そのまま逃げていった。

 光魔法のヒールを習得したようだ。

 その後も、魚に毒魔法を放ってから解毒魔法を試したり、光の玉を発したり、海中で光魔法の練習を続けた。


 これで魔法はコンプリートなのかな?

 もしかしたら知られていない属性なんかもあるかもしれないし、魔法の種類なんかも増やしたいが、魔法の情報って秘匿されていて、調べようがないしな~

 魔法は地道に練習しよう。


 これからどうしようかな~

 海を渡った先もみたいけど、先ずはこの大陸を冒険してみようかな~

 とりあえず空を飛んで地図にあった南の山岳地帯の上空を回ってからイーシャに戻ろう。


 俺はワイバーンに変身して、南東に向かって飛んだ。

 風を体にまとうとスピードが加速する。

 ワイバーンの姿で夕方までひたすら飛ぶと、ようやくダンジョンの門の真南付近になったと体感した。

 眼下は山岳地帯となっているので、これが地図にあった山岳地帯か?。

 元の世界で方向音痴だった俺だが、魔物の体になってからは方向感覚が抜群に良くなった。


 山岳地帯に舞い降りた俺は、目立たない場所で変身して眠りについた。


 翌朝は、カイルに変身して、装備を整えて先ずは朝飯の食材探しを始めた。

 ここでも、ダンジョンに入ってからよく見る空を漂う色のついた玉をよく見る。

 食べると魔素と違ったうま味を感じるが、俺にしか見えないようなので、あまり気にしないようになった。

 山岳地帯では、茶色が多いようだ。

 大地の影響かな?


 森の中のように魔力草や魔素キノコの気配はほとんどないので、漂う玉を食べて回った。

 しばらく探索すると魔物の気配を3つ感じた。

 近づくと、オークよりも大きく、鬼のような魔物が3体いた。

 オーガかな?

 3メートルぐらいある。


 闇魔法を放つと膝をついたので効いているようだ。

 ミスリルの剣に魔力を流して、首を切って取り込んだ。

 オークの魔石よりも大きくて、色は白だった。

 これが無属性の魔石かも?

 一つだけリュックに入れた。


 食後はワイバーンに変身して門を目指した。

 風をまとって速度を上げた。

 眼下には山岳地帯がしばらく続き平原に出た。


 平原ではときたま冒険者の姿が見える。

 ワイバーンの俺を確認した冒険者は身構えるので、少し高度を上げて飛んだ。

 平原を抜けると森が広がる。

 森の上空をとんで、門が近くなったので着陸して、周りに冒険者がいないことを確認してから変身した。


 森で食事をとって、換金用の素材を採取した俺は、予定より早く6日の滞在で町に戻った。

 森に、ワイルドボアがいたので、剣のみで倒して取り込んだ。

 後で肉だけ、取り出してアイラちゃんへのお土産にしよう。

 町では、アイリス停に宿をとった。

 宿でアイラちゃんにお土産として、葉っぱに包んだワイルドボアの肉を10キロほどプレゼントした。

 アイラちゃんはとても喜んでくれた。


初投稿作品です。

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