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悪霊令嬢 あくりょうれいじょう ~とんでもないモノに憑りつかれている私は、そのまま異世界に転生してしまいました~  作者: にわとりぶらま


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第086話 強力なライバル

「で、実際はどうだったの? 私、滅茶苦茶レイチェルの事をディーバ先生に推しておいたのよ、実家が帝都から近いことと、今度レグリアス地方に通じる転移魔法陣ができる事も」


「私も話しておきました! 私のラビタート家以外で実用転移魔法陣を設置できるらしいって」


 テーブルを挟んだ向かいにいるマルティナとミーシャが、私の事を先生に推した事を力説する。


「二人ともありがとうございます…確かにディーバ先生の喰いつきは良かったわよ… あくまで技術的な好奇心からくるものだったけど…」


「えぇ~ それだけなの~?」


 マルティナが不満そうに言ってくる。いや、何を期待しているというのか…


「それだけよ、ただ転移魔法陣の設置する領主の事も知りたがっていたわね… あっよく考えれば、私や私の実家に取り入るよりも、その転移魔法陣を設置するアープ家に取り入る方が、転移魔法陣を設置するだけの財力も技術力もあるからいいかもしれないわね… 転移魔法陣を使えば、帝都までの立地条件も関係ないから…」


「いや、ちょっと、レイチェルっ! 何を納得しているのよ! ディーバ先生をそのアープ家にとられちゃうわよ?」


「でも、先生が聞きたがっていたのは、私の実家の事よりそのアープ家の方だったし…」


 食いかかってくるマルティナにそう答える。


「えぇ~あきらめちゃうんですかっ!?」


「だって、そのアープ家というのは凄い家で当主も凄い御方なのよ。私や私の家では敵わないわ…」


 少女漫画の失恋シーンでも見ているかのように言ってくるミーシャにそう答える。


「えぇ? そのアープ家って、そんなに凄いのですか? 私、そんな名前の侯爵家や伯爵家を聞いたことが無いですよ」


 完全無欠の箱入り娘のミーシャでも、さすが侯爵家の娘。主要な貴族の家名は覚えているようだ。


「いや、そのアープ家は侯爵家でも伯爵家でもなく、単なる子爵家ですよ」


「えぇ! 子爵家でそんな力を持っているんですか!? 今まで無名だったのに?」


 ミーシャが驚くのも当然である。現代日本で例えると公爵家が近畿や中部などの地方長官で侯爵家が県レベル、伯爵家が市長レベルで、子爵位は町長レベルである。そんな町長レベルが、国家プロジェクトを開発したようなものである。


「という事は、新しい当主になってから凄くなったの?」


「かもしれませんね、恐らく今まで昼行燈を決め込んでいた親兄弟の当主になり変わった、敏腕の優秀な方だと思いますよ! なんか鋭い目つきで立派な髭を生やしていて、凄みのあるオーラを纏っているとか…」


 マルティナとミーシャが勝手に当主像を想像している。それも壮年の男性を想像しているようだ。


「いや、それが私たちの一つ上の学園の方だったそうですよ。しかも女性の」


「えぇ!そうだったのですか!? 私はそんな方を学園で聞いたことがないですよっ!」


「なんでも、その御方の母親が突然亡くなったそうで、私たちと入れ替わる様に学園を去って、その僅かな間にここまで領地の力を伸ばしたそうですよ」


 私はミーシャの疑問に詳しく答える。


「えっ? じゃあ、そのアープ家の当主は未婚で年齢も私たちより一つ上なだけで、財力も技術力も持っていると… それって凄いレベルのライバルじゃないの?」


「そうですよっ! レイチェルさん! その人にディーバ先生を取られちゃいますよ!」


 あぁ、よく考えると、本当にアープ家の当主マール様には敵わないのが良く分かる。財力も技術力も向こうが上、その上で、私は跡が継げるかどうか分からない当主の娘で、向こうは未婚の当主… そういえば、ディーバ先生は私の事を話の中で見向きもしなかったことが理解できる。


「そもそも、財力でも技術力でも負けていて、立場も私は単なる当主の娘、向こうは未婚の当主ですよ。最初から敵わないですよ」


「レイチェルさん! そこで負けてたらダメですよ!」


「そうそう! 財力でも技術力でも立場でも負けているなら、先生の胃袋を掴んで落とさないと! でも、胃袋を掴むといっても実際に胃袋を掴むわけではないのよ」


「マルティナ、私でもそんな事ぐらいは知っているわよ、食べ物の事でしょ」


 そんな猟奇的な口説き方があったら恐ろしい。


「そうそう! そう言えば、先日のお茶会の時に出されたあの花型のお菓子美味しかったですっ! あれなんかどうですか?」


「あぁ、あれ、下町で買ってきたお菓子なんだけど、市販品でもいいの?」


「えっ? あれって市販品だったのですか? 男性に贈るなら手作りの方が喜ばれると思うのですが…」


 先日の大王くじやいもくじのお菓子か…


「あれなら、作れると思うのだけれど…」


「えぇ! 本当ですか!?」


「マジ!?」


 私の言葉にミーシャとマルティナの二人が驚く。って、マルティナ…マジはやめようよ…


「恐らく豆かサツマイモを使っていると思うのだけど…」


「レイチェルさんっ! 私にも作り方を教えて頂けますか!?」


 ミーシャが前のめりで私にお願いしてくる。


「あの、似たような物を作れるだけで、完全な物は作れませんよ? それと私の試行錯誤しながらになると思いますが…」


「それでも結構です! ちょっとクッキーはマンネリ化してきたので、新しいお菓子を捜していた所なんですよっ!」


 ミーシャもエリシオを振り向かせるために努力をしているのだろう。


「分かりました。今度、材料を買ってきますので一緒に作りましょうか」


「レイチェルさんっ、ありがとうございますっ!」


 元々は日本のお菓子なので作り方が見当もつかなかったのだろう、ミーシャは凄い喜びようである。


「ところでマルティナはどうする? 一緒に作る?」


「私は食べる人でいいわ」


 これは渡す相手がいない為か、それともただめんどくさがりなだけだろうか。


「では、材料に買い出して来たら、また連絡いたしますね」


 こうして、ミーシャとのお菓子作りの約束を交わした後、私は午後の授業に向かったのであった。






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もご愛読頂ければ幸いです。

※はらついの次回は現在プロット作成中です。


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