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悪霊令嬢 あくりょうれいじょう ~とんでもないモノに憑りつかれている私は、そのまま異世界に転生してしまいました~  作者: にわとりぶらま


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第085話 まさか先生が!?

 あの『悪役令嬢』達が一同に会したお茶会の翌日、私は学園で授業を受けていた。そして、今日の授業が全て終わった後は、私自身の近況報告もかねて、ディーバ先生にアレン皇子の素行についても相談に行くことになっていた。


 午前中の授業は新しく取った、植物学と農学の授業なので、『悪役令嬢』達は同席していない。以前、マルティナが一緒の授業を取りたいと言っていたが、一度同席しただけで、興味がないのか来なくなった。


 農学の授業ではサナーと、植物学の授業ではジュンとサナーと一緒であったが、サナーの方はいつもと変わりなかったが、さすがにジュンはあの事件以降、気落ちして元気を失っているようだ。


 私は気になってジュンに声を掛けたのだが、彼女は力なく微笑んで答える。


「レイチェルさん、お気遣いありがとうございます。私自身も亡くなったユリの為にも元気を出さないとダメなんですが、もう少し時間が掛かりそうです…」


 確かにそうだ、まだあの事件から一か月も経っていない。親友の死から立ち直るにはまだ時間が必要であろう。


 そこでふと私は、前世での玲子の事を思い出す。


『私の母は私の死を乗り越えられるだろうか… そもそも、あの世界の時間からどれだけの時間が立っているのだろう…』


 母は私がいるから、あの父から捨てられた酷い状況下でも頑張って来れたと思う。しかし、その私が死んでいなくなってしまった後の母の事を考えると、今でも私は胸が締め付けられる思いになる。


 そう思うと、親しい人の永遠の別れは、立ち直る事はできたとしても、忘れ去る事はできないのだと思う。今、ジュンは同じ思いを感じている事であろう。


「ジュン、親しい人の別れは、忘れ去ることはできないし、しなくてもいいと思うわ… ただ悲しみ疲れた時に、立ち上がって歩き始めたら良いと思うわ」


 私の言葉はジュンの胸に届いたのか、ジュンは目を丸くした後、何かを納得したように小さく頷く。


「ありがとうございます。私は立ち直るためにはユリの事を忘れないといけないのかもと思っていました。その反面、親友の事を忘れようとする自分自身に嫌悪感や罪悪感を感じていました。でも、ユリの事を忘れないままで、立ち上がってもいいんですね…」


「えぇ、そうよ。残されたものは生き続けるのですから…」


 私はジュンにそう答えるが、前世での母もそうあって欲しいと祈っていた。


 そうして、午前の授業が終わり、昼食に向かおうとした時に、何故か私の受けていた植物学の担当教師ではない、ディーバ先生が教室の中にいて、私の事を見ていた。


「ディ、ディーバ先生、どうしたのですか? この授業は先生の担当ではありませんでしたよね?」


 私はディーバ先生の姿に少し驚いていたが、私の方から先生に声を掛ける。


「とある生徒達から、君の面白い噂を聞いてね、確認しに来たのだよ」


「私の…噂ですか?」


 ディーバ先生ともあろう人物が、私の噂ごときで何を確認しに来たのであろう?


「レイチェル君、君の家は帝都から近い所にあって、近々、レグリアスとの転移魔法陣を設置するそうだな」


 私はディーバ先生のその言葉に驚いて、目を丸くする。あのディーバ先生が、お茶会で話していた私の実家の立地条件の良さに喰いついてきたのであろうか?


 教室の出入口の扉の所を見ると、ミーシャとマルティナがいて、マルティナがニヤニヤしながら、私にサムズアップを送ってきている。


『あぁ、原因はマルティナが早速、ディーバ先生に教えたのか…』


 しかし、マルティナは一体どのようにディーバ先生に私の実家の事を教えたのであろう。そもそも今日は放課後にディーバ先生の所に訪れる予定であったのに、その放課後まで待てず、昼休みにディーバ先生自ら私に確認に来るぐらいである。


 ディーバ先生はそんな風に見えなかったが、実は婿入り先をそんなにも捜していたのであろうか。私の中のディーバ先生像が崩れていきそうだ。


「あ、は、はい、確かに私の実家の一部をとある領主に貸し出して、そこに私の実家とレグリアス地方ツール郡のとある場所とを繋ぐ転移魔法陣を設置する事になっております。しかし、あくまでも私の実家は土地を貸し出すだけで、私の実家が設置するのではありません」


「なるほど、やはり転移魔法陣を設置するのには間違いないのだな。本来、転移魔法陣の技術はラビタート家の独占技術だったものだ。それを実用化レベルの転移魔法陣を設置するものが現れたのは驚きだ。後でその領地の事を詳しく聞かせてもらえるか」


 あぁ、なるほど。ディーバ先生は別に条件の良い婿入り先を捜していたわけではなく、純粋に知的好奇心から訳を知りたかっただけなのか。私の中のディーバ先生像は保たれそうである。


「分かりました。放課後、先生の事務室にお伺いした時に詳しい話はいたしますが、あくまで私の実家は土地を貸し出すだけなので、技術的な事は詳しくはお話しできませんので、詳しい事情はレグリアス地方ツール郡セネガのアープ家にお問い合わせくださいね」


「分かった、放課後を楽しみしているぞ」


 先生はそう答えると、なんだか少し楽しそうな顔をして教室を去っていく。その先生が立ち去る姿を確認すると、教室の外で私たちの様子を伺っていたマルティナとミーシャが私の所へやってくる。


「レイチェル、ディーバ先生、なんだか上機嫌だったようね。もしかして、婿入りの事を承諾したの?」


「えぇ!? レイチェルさん、もうディーバ先生のプロポーズを受け入れたんですが!?」


 二人の声が教室の中に響き渡り、他の生徒がざわついて視線が私に集中する。


「ちょっと、お二人ともおやめください! そんな話では無いです!! ただ、転移魔法陣を設置する領主の事を尋ねられただけです!」


 私は教室の皆にも聞こえるような声で、二人に否定の声をあげる。


「えぇ~、私があんなにディーバ先生に推しといたのに、婿入りの話はでなかったの?」


 私は再び声をあげるマルティナを掴み、耳元で囁く。


「ちょっと、マルティナ! みんなに聞こえる様に言わないでくれる!? 食堂で詳しい話をするから」


「わ、分かったわよ…」


 マルティナも皆に注目されていることに気が付いて小声で答える。


「私にもお話を聞かせてもらえますか?」


 ミーシャはまだ私とディーバ先生のロマンスを期待している様で、恋する少女の目をして尋ねてくる。


「と、とりあえず、食堂へ行きましょうか…」


 私たちは、皆の注目を受けながら食堂へと向かった。





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もご愛読頂ければ幸いです。

※はらついの次回は現在プロット作成中です。


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