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この作品には 〔ボーイズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

好きになってゴメン

作者: ネッシー


俺にはすごく大好きな人が居る…。


すごく好きで、好きすぎて、1日中その人が頭から離れなくなるほど、大好きだった。


ただ問題が一つあって、その人の性別が男だったという事だ…。




初めて会った時は、全くそんな事になるとは思わなかった。


自分でも男を好きになるなんて思いもしなかったし、ホモなんて気持ち悪いとも思っていた。



けれど、そいつの優しさに触れて、考え方に触れて、大切な言葉をもらって、いつの間にか好きになっていた。




自覚した時なんて凄かった、そいつにキスをしたいと思った瞬間、体の底から湧き上がるような高揚感と、今まで感じていた違和感がすーっと消えていく感じがした。


そして、完全にそいつが好きだと分かった時、とても混乱した。



でも、一番最初に思ったのは、そいつに『迷惑を掛けてはならない』という事だった…。


だから、好きだと言ったら迷惑がかかると思って、何も言えなかった。



女性向けのBL小説なんかも、恥ずかしながら見るようになって、思わず自分と重ねてしまった。



まぁ現実ではこんなに上手くいかないとかも思いながらも、告白が成功しているのとかを見ていると、とても良い気持ちになったものだ…。




今まで「〇組の〇〇ちゃん好きなんだよねぇ」とか、友達同士で話していた事もあったけれど、そんな好きとは比べものにならないくらい、そいつの事が好きになってしまっていた。


そいつが他の人と話しているだけで嫉妬して、そいつと話しているだけで天国に登ったような高揚感や、世界中で今一番幸せなのは俺だっ!!って叫びたくなるくらい、そいつと話しているのは楽しかった、幸せだった。


そいつさえ居ればもう何も要らなかった…。






日に日にそいつに恋い焦がれる気持ちが高ぶっていって、話せば話すほど好きになって、

メールなんかが来ると思わずにやけてしまって、何度「にやけすぎてキモイ」と言われたことか…。


いつも顔には出さないようなつもりでも、そいつの名前が携帯に出た時はどんな事をしていても、飛び付いていって、メールを見てにやけたり、電話で話して笑ったりしていた。



それくらい大好きだった、どうしても失いたく無かった…。




自覚してから、カラオケに二人で一緒に行った時の事だ、良く二人で行っていたが自覚してからは初めてであった。



(密室で二人…)

とか


ドリンクバーを二人で飲んでいた時に


「お前の頂戴!」


とか言われて


(うわぁっ…間接キス!!)

とか本当にバカな事ばっかり考えていたのを覚えている



マイクを渡す時に手が触れたりすると、本当にドキドキして、もう歌なんて全く覚えていない…。



「お前性格さえ良かったらモテるんだろうなぁ」


とか言われた日にゃ、もう完全に有頂天だった。




その日を境に頭の中がそいつ一色になってしまった。



高校3年のとても大事な時期なのに、授業も全く頭に入らなくて、寝るときもずっとそいつの事だけしか考えられなくて眠れなくて、本当にヤバかった…。




カラオケに行った三日後の深夜1時、俺は告白するために、電話をした。


(繋がらないでくれー!)


と思いながらも電話して、案の定繋がらなかったけど、ホッとしたのも束の間、20分後位にメールが来た…。


『わりぃ、シャワー浴びてて、どうしたの?』




告白しても成功するわけが無い。告白したら、もう二度と会えないかもしれない。


普通はこんな事考えて覚悟したうえで、する事だと思うのだが、その時は、そんな事は全く考えられず。


『俺がそいつの事が好きだと伝えたい』

本当に、ただこれだけだった…。



腹をくくって電話をかけると、



『どうした? 何かあったか?』


と、俺を心配する優しい声、本当に大好きだなと思う…。


「俺ホモになっちゃったかもしれない…」



『はぁっ?!』



「ず、っと好きだった…」



『誰を!?』



「お前だよっ!!」


と、こんな感じで進んでいった、本当に忘れられない出来事である。



「好きになってゴメン」



文章だからこんな風に書いているけど完全に涙声だったはずだ…。



無理して声を明るくしている時も、ちゃんと聞いてくれていたのを覚えている。


こんな時でも頭を占めていたのは『迷惑は掛けられない』で


「ゴメン、もう会えない…」



と言い、何個かやりとりをして電話を切った。



電話を切った後、そいつにはもう会えないんだと、実感してしまって一晩中泣いていた…。



そして後悔した、なんであんな事を言ってしまったんだろうと、その時の感情にまかせてなんて事を言ってしまったのだろうかと…。




でも、今はこれで良かったのだと思っている…。


この告白後もまだまだ好きで、本当に女々しいと思うのだが、何度かメールもしたし、電話かけてしまった。



まぁ、一度も返事が返って来ることは無かったのだけれども。


残念ながら惚れた弱みと言う奴で、それさえも都合良く解釈して、

「俺をちゃんと諦めさせるため」


とか思っていた。


まぁ自分でもバカだとは思うのだが…。


今では、毎日思い出すものの、さすがにずっと頭から離れないと言う事はなくなった。



でも一年に一回位、我慢出来なくなって、携帯の中では消したのに、頭の中では絶対に消えないアドレスに向かってメールを打つことがある。




返事は絶対に来ないと分かっているアドレスに向かって…。




〜end〜

何となく分かるかもしれませんが、この小説はカミングアウトです。(笑)


私が氷帝のD1を書くのは、身長が二人とも全く一緒で性格も結構似ているので親近感が湧いて、それでの妄想です(笑)


気持ち悪いと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、その方は心の中で留めておくだけにして下さい。



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― 新着の感想 ―
[一言] なんか・・・今の自分を、見ているようです。
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