高次元よ,こんにちは
将真は情報科学を先行する大学院生である。自ら開発した高次元擬似発生装置を用いて現実の世界を拡張することに成功した。
現実世界の拡張には数式を用いてアルゴリズムを開発すること。より強固なアルゴリズム開発することが高次元世界の力を使うことを可能にする。
病気の解析に高次元の計算能力を使ったり,体力を高めるための最適な運動方法などを求めたり可能性は無限大である。
高次元の力に取り憑かれる将真は大学院の研究をそっちのけで没頭することになる。
研究との両立は難しいのだが,必死に努力して友人の悩みを解決したり,犯罪組織の壊滅をしたりと日常の生活も変化していく.自分の力をどのように使えば人が幸せになるのか悩んだりしつつも前に進む物語である.
私はいつものように大学に行き,研究室で論文を見ていた。
今は大学院生で博士課程1年目である。研究内容は数学の分野で幾何学という分野である。なんだか難しい内容の話かと思うかもしれないがそんなことはない。私の人生にほんのエッセンスを加えるためのものだ。
デスクトップPCで画面を見ていると後輩がとてもだるそうに話しかけてきた。
「将真さん,研究どうですかー?今日もクソ暑いですねえ。論文も汗でインクが滲んで最悪ですよー」
「そうだろうね。札幌なのにこんなに湿気もあるのは珍しいよね。論文は印刷したら今年は負けだよ」
あまり,先輩らしいアドバイスはできない。あまり先輩とか後輩とかそういうことを考えて接しないようにしている。
「タブレットで見るのが正解ですね。そういえば,ABC予想の論文前読んでましたよね?」
「ああ,今も毎日読んでるよ。枚数が枚数なのと新しい理論を用いて証明されているからいつ終わるか分からないね。」
ABC予想の証明の論文は数百ページ以上もある。
「僕なんて,一瞬で読むのを諦めましたよ。宇宙際タイヒミューラ理論とか凄い面白そうだとは思うんですが,その先が大変ですよ。」
毎日このような話をして,論文を読んだり,数学の証明をしてみたりして1日が終わる。大学を早めに切り上げるとアルバイトでプログラミングのお手伝いをしている。自分の研究テーマに近い分野の会社なので働いている。
高次元のデータを処理するアルゴリズムの実装のお手伝いが主な仕事である。次元というのは,趣味で例えると,野球が好きなのが1次元,野球と数学が好きで2次元,野球と数学と...他にも数えきれないほど趣味があるのが高次元になる。普通は次元が多くなれば自由度が増える。自由度が増えるとまあ色んなことができるようになる。
最近,高次元の処理をコンピュータで動かしていると不思議な現象を良く見るようになった。次元が多すぎて,今はなんなのかは分からないないけど,簡単にいうと3次元で得られる力が4次元だと別の角度から見ると力が複数あるように見えるということである。これが本当に力が増えているのかは分からない。
まあ,我々人間が直接4次元以上の世界に行くことは不可能なのであまり関係ない話ではある。このアルバイトの仕事がどういう風に役立っているのかはあまり知らない。分野自体多くのことに応用できるというのもあるということもある。
根をつめて画面に向かっていたので,今日はあまり遅くならないうちに帰宅することにした。