喧嘩の行方
加藤には今度飯を奢ることと明日の仕事を半分手伝うことで、今日の仕事の残りを受け持ってもらった。
付き合い始めた頃に俺が約束した事
二人とも付き合う前は友人だったので、付き合ってからも環境の変化はなかった
それから俺は全力疾走である所に寄ってから家に向かった。
勢いよく家に入って全体を見渡すと、誰も居らず静まり返っていた。
思わず血の気が引いたが少し冷静になって考えれば妻は仕事だ
時計は3時を指していた
確か今日は早番だったから妻の仕事はもうすぐ終わる筈だ
その後いつも買い物して帰るから後1時間もあれば家に帰ってくる
変に迎えに行けばすれ違いになるし大人しく家で待ってればいい
・・・・いいのだが
正直居ても立っても居られない
すぐに家を出て妻の仕事場へ車を走らせてた
今すぐ妻に会いたい
いい年して恥ずかしいが今すぐ会って抱きしめたい
妻は10年も俺を信じて待ってくれてた
これ以上待たせたくない
急いで家を出て、妻の仕事場へ向かった
店のほうに走ると妻は店に妻の姿はなくほんの少し前に挙がったようだ
すぐさま社員出入り口に行くと、妻の後ろ姿が見えた
バスに乗るところだった
行ってしまう
「 っ!!」
久しぶりに妻の名前を呼んだ気がした
ずっと「おい」とか、何だかんだで名前で呼んでなかったな
妻はびっくりした顔で俺を見つめている
周りの人間もなんだこいつといった顔をしている
構うものか、今大事なのはそんなことじゃない
俺は妻の傍まで行くとポケットに入れていたものを取り出して、妻に握らせた
妻はまだ混乱しているようで、しきりにプレゼントと俺を交互に見ていた
いろいろ言いたいことはある
忘れてごめん、お前の記憶力すごいな、ずっと待っていてくれてありがとう等
でも、出たのはたった一言
「愛してる」
それに対して妻は呆気に取られた顔をした後泣きそうな顔をして
「遅いよ、馬鹿!」
その言葉とともに俺を殴り、抱きついてきた
ようやく俺は妻を抱きしめることが出来た。
暫くして我にかえり急いで妻と一緒に車に乗った
物凄く恥ずかしい事をしてしまった。浮かれたカップルじゃあるまいしマジで何やってんだ
俺が恥ずかしさで悶絶しているというのに
妻は隣でクスクスと笑っていた。
「あんな情熱的な告白、ドラマでもやらないんじゃない?」
妻は思いっきりからかってやろうとしているやつの顔をしていた
「うるさい、お前だってのってたろ」
「だって、とても嬉しかったのよ」
恥ずかしげもなくよく言えるもんだ
妻のこう言うところは尊敬する
俺の愛想の無い返事でも気にせずさらっと自分の言いたいことを言う
普通じゃあんまりできないと思う
「ところで何くれたの?開けてもいい?」
妻は箱をカタコト振りながら聞いてきた
ちょっと扱いが雑じゃないか
「好きにしろ」
だからあんまり振るんじゃない。そこまで丈夫な物じゃないんだから
厳重にラッピングされた箱をスルスルとほどき出てきたのはレディースの腕時計
街にある小さな時計屋で買ったものだ。
その店はオーダーメイドも承っていて、3年前に店長と相談しながらデザインを考えた
完成した後もずっと店で保管してもらっていた
それなのに、最近忙しくてすっかり忘れていた。
妻は気に入ってくれたようで、手に取ってまじまじと見ていた
「」
最後だけ異様に長々と失礼しました!!
取りあえず、何とか終わらせることができました(^_^;)
ここまで読んで頂いた読者様には感謝しかありませぬ!!!!
本当にありがとうございましたm(__)m