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春夏秋冬  作者: 半月
2/2

蒸し暑い。木陰がくっきりと陰影をアスファルトの上に落としてる。

じっとしているだけでも汗が滲む午後3時。

私はアイスにかぶりついた。

毎年異常気象だと騒ぐニュース。

温暖化だと騒ぐどっかの学者。

2006年が本当は折り返し地点だったのだとあの時TVの中の学者は語った。

今は遠に通りすぎてしまっている。

政で戦争をしたがっているどこかの政府。

憲法解釈を変えようとしたり、実際に変えたり。

国民一人ひとりの発言を無断で覗きこむことが可能な法律もできた。

私たちは監視されている。

政府に都合の悪いことばかり言う人はそのうち逮捕されるシステムになる。

歴史は繰り返すというけれど、どうしてそんな愚かなことばかり繰り返すのだろう。

上空を鼓膜をつんざくような航空自衛隊の機体が飛ぶ。

旧型だ。

何もかもが聞こえなくなるほどの爆音と、胃の中のアイスの液体ごとゆすられそうな音の地鳴り。

本気で戦争ごっこをしている人たちだとかつて言われていた人たち。

今では海外派遣をされている。もはやごっこではない。

私達の世界はどこへ向かっているのだろう。

立っているはずの黒いアスファルトの上に吸い込まれそうになる。

体が液体になってしみだして、土に帰れればそれもある意味幸せかもしれないけれど。

支離滅裂になっている頭で眩しいまでの青空を仰ぎ見る。

いつまでも私は少女ではいられない。

けど、だからといって立派なレディなんかにもなれるわけがない。

ここで私ができることはなんだろう。

ここでやってみなければならないことは、なんなんだろう。

春夏秋冬。

季節はめぐる。

また、めぐる。

その中で、私たちは必死に、それはもう必死に生きている。

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