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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

煉獄転生

作者: 城崎 集

出血・人死・残虐な行為があふれています。注意してください。

 チート転生して無双したい。事故で死んでどうしたいかと尋ねられたら、こう答えてしまった。後ろに並んでいた人たちから、あいつもかよとか、チート転生って何だとか聴こえてざわざわした。裁判官のような厳つい眼鏡のおじさんが、静粛にと言って後ろの人達を落ち着かせる。


「君は転生して、無双がしたいと、そう願うのだね。本当にそれで良いのかい。」


 僕がそうですと答えると、おじさんは了承したと言い番号を言い渡された。係りの人が指定された扉の前まで連れて行ってくれて、指定された扉を開けると、いろんな人がい居た。強面の人が多いけれど、兄位の高校生も全体の3分の1程いるようだった。


 端の空いている席に座って待っていると、手首に包帯を巻いているけれどニコニコ笑っている女の人が入ってきて、ブツブツ呟きながら隣に座られた。聞こえてくる内容が、王子とか、小悪魔双子とか謎過ぎる。次の人は、これで俺もチーレム勇者だ、と元気に入ってきて、強面の人に五月蝿いと怒鳴られ畏縮していた。


 席が一杯になると係りの人に、座席のシートベルトをしてくれと頼まれたので締めて待つ。入らない人が居たけど、縄で縛られていた。止めておかないと危ないんだろうな。係りの人が出ると部屋が下へ動き出す。どこからかすすり泣く声が聞こえる。僕はジェットコースターみたいで楽しかったけど、恐い人も居たんだな。それにしても長い移動だ。落ちるのにも慣れて飽きてきたな。


 落下が止まり少し立つと、別の係りの人が入ってきて、シートベルトを外してくれた。外した後は何の説明も無く外に出ろと言われた。順番が来て出る時にありがとうございましたと言うと、ぎょっとした顔で見られた。送ってもらったから礼を言うのは当然だと、教わったけれど違ったのかな。


 ここから僕のチート転生が始まるのか、と思って辺りを見渡すと真っ赤な荒野で何も無かった。ただ、視界に青で108、赤で0と視界の端に映っている。何のことかは全く分からない。確か兄から貰った小説だったら、最初にチートが貰えたはずだけど現実はうまく行かないようだ。とりあえず、目の前の丘を進む。丘の向こうでは泥人形みたいな物が戦っていた。3対1で戦っていたり、逃げまわったりしているものもいる。僕は逃げている人形を助けようと駆け下りて、間に入る。


 泥人形は会話できないようで、何故襲うのか聞いても答えてくれず、襲い掛かってくるだけだった。泥人形は最初と惑っていたけれど、僕が攻撃してこないと分かると、僕に積極的に攻撃してきた。こっちに来て体の調子が良いから難なく避けられる。もしかしてチート貰ってたのかな。身体能力up見たいな。余裕が出てきたので、追われていた泥人形さんが逃げれたか、後ろを見て確認しようとすると、後ろから首を絞められた。


 苦しくてもがいていると、地面から足が離れた。僕の首を絞める腕が見える。手の部分がない。多分、追われていた泥人形だ。逃げればよかったのに、どうして戻ってきたんだろう。それよりも僕、敵を助けちゃったのかな。僕の足が、殴りかかってきた泥人形に当る。ギッ、ギッっと首から音が聞こえる。目がチカチカする。泥人形はまだ殴りかかってくるし、僕は振り回されている。体が大きく振られた。グキッっと嫌な音が聞こえた。二度目だから分かる終わりの音。


 僕の手の力が抜けだらりと落ちると、泥人形に投げ捨てられた。投げ捨てられる時、泥人形に人相が見えた。あの時の父さんと似た目をしていた。必死で謝る父さんを思い出すと、真っ暗になった。




 目を覚ますと今度はビルの中に居た。青の数字が107に1減っている。無くなったらおしまいなのかな。今度は助けてと言われて、助けようと決め歩き出す。窓から外を見ると、人の形に集まった歯車が戦っていた。戦いから離れるように外に出る。他のビルを覗いても人っ子一人見当たらない。時々歯車人間を見たけれど、僕を見た瞬間逃げ出していった。


 ある程度進むと見えない壁があるようで先に進めなくなった。出口を探して歩いていると、路地の横手から出てきた歯車人間に刺されて倒される。焼けるように痛い。何度も何度も刺される。最初は痛かったけれど、途中からお腹を押されているように感じた。寒いので動かさないで欲しい。押されるたびに温かいものが零れて寒くなる。寒くなってきたら眠くなってきた。そのまま、僕は眠ってしまった。そういえば、最後の時も兄さんが手を握ってくれてたな。会いたいなあ。




 起きると数字がまた1つ減っていた。










 それから、色々調べ物をして分かったんだ。この世界で死ぬと青い数字が1つ減ること。人を殺すと青も赤も1つ増えること。青の数字が減れば減るほど最初から強い武器が使えるようになること。青は108で限界なこと。100人殺すと次のステージで、5人のバトルロワイヤル。その次も4人で同じ様にバトルロワイヤル。そして最後が1対1で戦うんだ。


 初めて殺したのは、あの手をなくしていた泥人形。青の数字が77だったかな。武器はその前から出ていたけれど、使う気になれなくて置いていたら、どんどん強い武器に代わって言ったんだ。ずっとやられてばっかりだったからさ、大きいナイフに変わったから持ち歩いたんだ。そしたら、あいつがいたんだ。しかもまた逃げ回ってた。あいつだけは敵って分かっていたからそっと近付いていったんだ。あいつが行き止まりで戻ってくる時にばれちゃったんだけど、僕を見た途端襲い掛かってきてね。倒せるとでも思ったのかな。また首を絞めてきたから、お腹にズドンと刺したんだ。


 そしたら面白いんだ。さっきまで殺そうとしていたのに、急に手を離して逃げようとするんだ。絞めたままなら勝てたかもしれないのにさ。しかも刺さったナイフが抜けないんだ。ちゃんとある左手で掴めるけれど、抜けないみたいで後ろにズリズリ退()がりながら逃げようとしてた。追いついて抜いたら血が出てきたから驚いたよ。泥から血が出てきたからね。びっくりして見てたら、人形の青が0になるのが見えてね、死にたくないって叫ぶ人に変わったんだ。今まで僕を殺してきたのは実は人だった、そして、数字が増えてることにも気付いた。でも、やっぱり人を殺したくないから逃げて回ったんだ。それでも、人は僕を殺してきたんだ。


 だから、僕も反撃したんだ。青が3になったからね。そこから108まで増やしたんだ。頑張ったんだよ。最後の1対1で負けちゃったけどね。そこからまた、青を1にして、武器を貰ってクリアしたんだ。あっ、注意だけど、何度も武器を使っていると貰えなくなるらしいよ。そっか、関係なかったね。クリアしたんだから。


 貰った武器がね、ナイフと銃しか使わなかったから、爆弾とかすごいのが残ってたんだ。まず、戦ってる真ん中に落として、一杯倒したんだ。一気に60位増えて、他の所に仕掛けていたのも爆発させたらビルが倒れてさ、90位まで増えたんだ。残りを瓦礫の中から見つけ出すのが面倒だったよ。まあ、見つけ次第銃で撃って終わりだったからね。探すのに時間がかかったんだ。最後の1人は見つけられなかったから、残りの爆弾全部使ったらカウントされたからね。


 バトルロワイヤルも銃撃ってるだけで終わったから、むしろ物足りなかったよ。そのまま最後も勝ったけど、今度はもっと強い人たちと戦うことになってさ。嬉しかったよ。ずっと、ずっと戦えるんだ。最初は負けてたけれど、ここでは制限が無くてさ、何度でも蘇って戦えるんだ。知ってると思うけど、今1番強いのは僕なんだよ。


 この前も、戦いの邪魔に来た変なのをグチャグチャに出来たしさ。あれ、そういえば僕と戦ったよね。何で、生きてるの。聴いてるの。




 飾ってあった首が落ちる。そっか、僕が倒したんだ。転生したがっていたから、いつの間にか来てたもんな。


 扉が開かれて呼ばれる。もう時間なのか。今回の赤107人達成者は遊べるのかな。僕達の所に来れるかな。108人集まらないと次が始まらないんだよな。

本当の第2ステージが…



転生まで後107ステージ


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