俺ときどき災難
女……?いやどう考えても女の人だ。この膨らみは女で間違いない。見た感じ俺と年齢はあまり変わりなさそうだし、何であんな事してんだ?次々に疑問が浮かんでくる。
「うぅ……」
どうやら目が覚めたみたいだ。
って黒服戻してない。すぐに戻して、俺気付いてませんよ状態にしないと!
戻そうとした時、目が合う…
「「あっ…」」
一瞬の沈黙が流れる。だか沈黙はすぐに消えた。
「この変態!!」
「これは誤解…ぐふっ!?」
枕で顔面を思いっきり叩かれる。何で俺がこんな目に合わなきゃならないんだ…
ビシビシ…「これには誤解が…」
ビシバシ…「だから誤解が…」
ビシバシ…「話をいい加減に聞けコラァ」
軽く受け止め、枕を掴む。これ以上叩かれる義理はない。
「俺はお前が倒れたから介抱してたんだ。だから決してやましいことなんて全くしていない。」
「…ホントにか?」
「本当に」
「…ありがとう。それて何か聞かずに叩いて悪かった」
そう言って、女はマスクとグラサンを取った。
可愛い……見惚れていたことに気付いたのは数秒経ってからだった。
でも尚更怪しくないか?
「で?お前あそこで何をしてたんだ?」
「僕か?僕は千年病を治す為の手掛かりを探してたんだ」
ボクっ娘?今時いるんだな変な奴も。俺の知り合いのオタである山岡だったら発狂している所だぞ?今は全く関係のない話だけど。
「千年病?なんだそれ。聞いたこと無いな」
「千年病は通常千年経たないと治らない病気だ。しかもその病気の影響はランダムで厄介。しかし、異世界には治せる方法があるらしく、だから僕はこの世界に来たんだ。」
ふーん異世界から来たのか…最近のガキは色んな中二病設定あるんだな。放っておくと山岡みたいになるぞ…重度の中二病シスコンアンドロリコン次期ニートオタクが大量発生したら日本が困る。ここは正義感ある俺が何とかせねば…
「でその設定はどこから由来してるんだ?」
「設定…?僕はその世界でも最強クラスの魔法使いで、この世界に来れたのも魔法を使ったお陰だ」
「なるほど。魔法使いも設定なのか。とにかくそんな魔法使いぶらなくていいから」
「信じてないだろ…まあ無理もないか…助けてくれたお礼に魔法を見せてやる」
そう言うと立ち上がって、手を前に出した。
さっきそれで何も出来なかっただろ…と呆れながらも見てみる。
しかし、俺の予想とは裏腹に食器棚にある食器が、急に浮き出した。
「はぁ!?んなバカな」
彼女は得意げに少し笑い、食器は彼女の手元に一枚づつ移動を始める。数秒経つ頃には彼女の手には重ねられた食器が載っていた。
「少しは信じてくれたかな?」
余裕のありそうな表情に少し苛立ちを思いつつ、しかしそんな感情よりも驚きの感情が大きかった。
「流石に信じるしかないだろ。で?俺に見せて何が目的だ?流石にお礼だけで魔法を見せるリスクを冒すとは思えないんだが?」
「話が早いな。僕をこの家に住ませてくれ」
「え?」
「だからこの家に住ませてくれって言っている。安心しろ。どうせお金の心配だろう?ちゃんと異世界の宝を換金してお金はある。後、学校とやらに通いたいから手続き手伝ってくれ。日本語を話すのはいいが書くのは苦手だからな。戸籍か?魔法で捏造したから安心しろ。えーと次に…「少し待ってくれ!頼むから!頭の中整理させて!」
何かもう何がなんだか…分からない。分かることはとにかく魔法便利過ぎって事だ…
でも何で学校?
「なあ一つ聞いていいか?なんで学校に通うんだ?」
「人が沢山集まるし、情報収集しやすい。それに折角この世界に来たんだし、この世界を充分に楽しんでおきたいからな」
なるほど…これで大体理解した。
「忘れてたんだが僕には欠点があるからその時は頼んだからな」
「え?欠点なんかあるのか?」
「まず日本語ほぼ書けない、この世界の常識を知らない、料理家事出来ない、何より魔法を連発出来ない」
「まあ料理家事とか、常識知らないのは予想通りだけど、魔法連発出来ないのか?お前さっき最強クラスの魔法使いって言ってなかったけ?」
「ああ。本来はそうなんだが、この世界に慣れないせいで魔力供給の調子が悪いんだ。それに千年病の影響もあるかもしれない」
「なるほどな。で、千年病の影響ランダムって言ってたけどお前の場合は何だっだんだ?」
「……男から女になった」
ふーん女になったのか。男から女になるなんて大変だなぁ……え?
「え?男なの?本当は?」
「そうだ。だから僕口調なんだ」
山岡…そんなにボクっ娘の現実は甘くないぞ。
ただでさえ混乱している俺の頭の中は更に酷く混乱する結果になった…
不審者「ってかさっきから山岡って誰やねん!!いい加減に気になるわ!」
唯人「キャラ変わりすぎだろ!関西弁キャラって流石に後書きでも変わりすぎてダメだろ!ちなみに、山岡君はそのうち出るから安心(恐怖)してくれ」
不審者「そうか楽しみだ。僕と仲良くなれるかな?」
唯人「あれ?キャラ戻ってる。あぁ…たぶんなれるとオモウヨ」
不審者「……」




