委員長
いくら叫び声を出しても中からは何の反応も音も聞こえない!?
この建物じゃあ無いのかな…とつい思ってしまうのだった。
ここで諦める訳には行かない!必ず俺がこの手で沙織さんを助け出すんだ…
吉田沙織さんは俺に取っては大切な女の子だから、必ず助け出すんだ!!
窓には鉄格子があり、玄関は見当たらない!?
さてどうする…
二階建てなんだから、一階が無理なら二階から中に入れないかと懐中電灯を二階に充てた。
二階にも窓には鉄格子が有った!
チクショウ〜ダメか…
こんな事で諦めたら、沙織になんて顔向けが出来ないじゃあないか…
窓が無理ならばと…中に入ったなら、必ず何処かに入り口がある筈だ…
其らしき所を隈無く探したら、板でカモフラージュした様な場所を見つけた!
するとまた携帯電話のメール着信音が鳴った。
俺は携帯電話を開いた…
画面にはリミット残り30分と記されていた…急がなくては時間は残り少ない!
何とか成りそうだ!
玄関らしい所に打ち付けられた板を一枚づつ剥がしていった、するとやはり、玄関らしい、ドアが板の中から現れた!
俺は急いで残りの板を剥がした。
入り口のドアには鍵が駆けられていなかった…助かった!
ドアを開けて家の中に入った、真っ暗な玄関に懐中電灯を照らした。
中に入った様な足跡を見つけた、複数の足跡が奥の手の部屋に向かっている足跡を見つけた!足跡を懐中電灯で照らしながら奥の部屋の前に着いた。
「沙織さん!中に居るのか!」
「俺だ信人が助けに来たぞ!!」
耳を澄ませて中からの音を聞いてみたが何も聞こえない!?
何故なんだ!?
中には居ないのか?
用心をしてドアに手を掛けてゆっくりと開けた…
部屋の中は真っ暗だ懐中電灯をぐるりと部屋の中を照らした。
ベッドが有るが誰も居なかった!?
ここにも居なかった!?
やはりこの建物では無かったのかな・・・・
部屋の隅々まで懐中電灯で照らして何か手掛かりに成る用な物が落ちていないか調べた!?
ベッド下に何かある。
ベッド下に落ちていたのはハンカチだった!
このハンカチには見覚えは無かった!
一応臭いを嗅いでみた…
石鹸の臭いがした、手洗いで洗ったのかな?
懐中電灯でハンカチを良く照らして、隅々まで見ても沙織の持ち物だとは確信がもてない…
携帯電話の時間を見たら後10分で零時に成る・・・
急いで別の部屋を探さなくては…
今はもう…この建物に沙織が居るんだろと信じるしかない…時間がたりない…
急いで二階に上がった、二階には部屋が二つ有った!
時間がない…ドアを開いて手前の部屋に入った
懐中電灯で照らす。
誰も居なかった…
急いで次の部屋のドアに手を掛けて、開けようとしたら…鍵が掛かっていて開かない?
大声て中に向かって叫び声を挙げた!
「沙織さん〜俺だ信人だ助けに来たぞ〜!」
ドアに体当たりした!
何回も体当たりした!
「くそーっ!!開いてくれ〜!」
時間がない…
力を振り絞ってドアに体当たりした。
ガチャン!
と音がしてドアが開いた…
直ぐに部屋に飛び込んだ!
沙織…!!「沙織ーッツ〜!!」
大声で叫びながら部屋に突入した!
真っ暗な部屋の隅々に懐中電灯を充てた!
「沙織… 」
「沙織… 」
部屋の隅に小さく踞っている沙織を見っけた…
俺は何も考えないで、沙織を抱き起こして抱き締めた!
「沙織確りしろ…」
「俺だ!!信人だ、解るか?」
沙織に話し掛けたが、反応がない…
「沙織確りしろ… 」
すると携帯電話の着信音が鳴った。
謎の人物からのメールだ!
画面を開いた…
メッセージは
おめでとう、お嬢様は解放出来たみたいだな…
今回はリミット達成出来たが、次はどうだかな…
楽しみに次の獲物を物色中だ俺様を見くびらないで貰いたい…
俺様の名前を紹介しょうじゃあないか…
エナス…と読んでくれ…
メールの内容を見た
何!エナス…
奴は何が目的なんだ…
俺が携帯電話のメールを見ていると!
沙織が意識を回復してきた
「沙織確りしろ大丈夫か」
「あっ!信人なの…?」
「怖かったよ〜」
沙織はいきなり俺の胸に飛び込んできた…
「怖かったよ〜」
震えながら泣き出した!
「もう大丈夫だ!」
俺は沙織に優しく声を掛ける。
沙織はいきなり俺に顔を近づけて眼をつむり、俺の唇に自分の唇を合わせてきた…
俺は沙織にキスをされた…
一瞬俺の頭がホワイトアウトした!
沙織は恐怖と寂しさを一人で耐えていたのだ…
そう思い俺は沙織を抱き締めた…キスをしたまま…
まだ興奮の治まらない沙織に自宅に無事を知らせるんだと言って、俺の持っていた沙織の携帯電話を渡した。
沙織は母に無事だからと伝えて、此れから一緒に帰宅するからと話した。
電話の向こうで母の歓喜が聞こえるほどに喜んでいるのが解った!
沙織を落ち着かせて建物から出た。
自分の家と沙織の家族に連絡を入れた。
親父にも無事に沙織さんを見つけて此れから自宅に送ると連絡を入れたら、
「信人、お前は無茶苦茶な事ばかりするが、今回は無事に沙織さんを救出したから良いが彼女に何か有ったらどうするんだ!お父さん達警察官に任せなさい」
親父に散々叱られた…
電話を一通り掛けて
「もう安心して良いんだからな!」
「私…謎の人物にね・・・・」
「もう良いから、何も無かったんだ…」
沙織の頭を撫でながら落ち着かせ要と試みた…
まだ興奮が治まらない沙織
「ヒック-ッ〜ツ・・・ありがと…うの ぶ と」
「もう大丈夫だからな」
沙織にかけてやる言葉が、大丈夫と心配するな、しか言えない…
心の傷は当分癒えないだろうな〜俺だけでも沙織の傍に居て上げよう…
沙織を強く抱き締めながら自宅まで送った!
沙織の家が見えてきたすると母が玄関の外で、待っている姿があった。
沙織は母の姿を見つけて、走り寄って行った…
「お母さん〜怖かったよ〜」
「お帰り沙織、無事でよかったね、怪我は無いかい、お腹空いたでしょう、お風呂に先に入りなさい、それから食事にしましょうね」
母の愛情を全身で受けて、やっと落ち着きを取り戻した。
俺も沙織のお母さんに「スミマセンもっと早く助けれなくて・・申し訳ありませんでした」
頭を下げて沙織の母に謝罪した。
母は俺の眼を見て
「ありがとう御座いました、沙織をいつも大切にして頂き感謝してます、不束な娘ですが、此れからも宜しくお願いいたします」
と逆に丁寧にお辞儀をしてくれた。