ep003 天井の先
俺は、ある程度必要な物を買いラアイエバナシティを出た。
闘い石珠を手に入れるため、魔物と闘い続けなければならない。
闘いは、そう嫌いではないのだが魔物が人だと思うと闘いたくなくなる。
この世界には、人と闘うことはある。腕試しのような、デュエルや悪党──どんな願いでも叶える石結晶を探して悪用しようとする奴等。
──我に全てを委ねよ。
「!!?」
突然頭に響いてくる声。なんだ、これは・・・・・・?
──そうすると、そなたの思うような世界が創り出せる。
「誰だ!!」
俺は、大きく叫び辺りを見渡す。だが、誰もいない。
──いつかそなたと出会うであろう。石結晶を見つけようとするやつは我が阻止する。所謂、最上級のボス魔物って言ったところであろうな。
「・・・・?阻止する必要があるのか?」
俺は疑問に思い、なんとなく問うた。
──我の所有物だからだ。他者に授けるなど出来やせん。そなたは、この世界が気に食わないのであろう?なら、全て我に委ねよ。
「・・・・そりゃあ、気に食わないさ」
俺は、何故か素直に口を開いて言っていた。
「人を殺したところでなんの意味がある?何が生まれる?否、何も意味もないし生まれやしないから──だが」
俺は、そこで一つ間を空け拳を握る。
「だが、この世界は俺が終らせる。だから、自分で石結晶を手に入れこの世界を終らせる。お前なんかに負けてたまるか」
──そうか。
奴は、微かに笑ってるような気がした。
──だが、世界はそうは行かない。きっと、この世界をそなたは再び恨むだろう。今、昔の記憶を思っているようにな。そなたは、なかなか強い人間のようだ。腕的に。気に入った。我は、そなたをいつしか手に入れるぞ。一つ教えてやろう。3つ目の条件“石珠をできるだけ沢山集める”というのがあるが、具体的に何個集めるかわかるか?
俺は、眉を顰め続きを聞く。
──100個だ。100個集めると天空に浮かぶ“レイエント・セゼル”の扉が開かれる。全部の条件を満たした上でな。ふふ、そなたと闘えることを楽しみにしておるぞ。
と、ふっと頭に響いてきた声が煙のように消えていった。
「なんだったんだ・・・・。意味わかんねえ」
昼間は、闘いに没頭していた。石珠が手に入った数はたったの2個だった。
「これで7個。アイツが言っていた通りならあと93個か・・・・」
とりあえず、自分の宿場に移動することにした。
レンライラスシティにて。
ここは、他の所の中でも唯一真ん中に位置する街だ。
中央のほうが楽だと、思った俺は前からここの街の中のレダント宿を寝床にしている。
部屋に戻ると、俺はベッドに顔から埋もれた。仰向けになり、右手を額の上にのせ天井を見る。
色々考えてるうちに、いつしか瞼を閉じていた。