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The last key...  作者: may
迷い編
3/12

ep002 青い空

 俺はやっとイグレスシティの出口を見つけ、アルティバルの森に来ていた。

 きっと、俺はあの時弱かったから守れなかったんだろう。RPGで言えば、レベルが低いかったと言える。

 この世界も、RPGに近いと言えば近いが、遠いと言えば、遠い。微妙な世界なのだ。

 俺は、何故こんな世界に生まれてしまったのだろうと思うと、またあの記憶が込み上げてくる。

 「くそっ・・・・。なんで俺はあんなこと言ったんだ。アイツに言えば、なんとかなるって言うわけじゃないのに」

 そう考えてるうちに、魔物が現れる。アルティバルの森は、そんなレベルの高い森じゃない。一人でも、倒せる敵だ。

 俺は、別空間から愛用の長剣を召還させる。俺の魔法は、基本的に剣の換装だ。別空間にいくつか剣があり、その剣を呼び出し召還する。

 「っりゃあ!」

 長剣に魔力を込めた瞬間、光を帯びその魔物に攻撃を与える。

 魔物を倒すと極稀に“石珠ストンパール”が手に入る。それ以外にも、RPGのように役に立つアイテムが手に入る。例えば、剣を作るための必要な材料や服を作る材料など。様々だ。

 その魔物からは何も出てこなかった。

 「・・・・石珠ストンパールが必要なのに、なんで出てこないんだ」

 俺は、唇を噛みしめながら一人呟いた。今、石珠ストンパールを持っている数は5個。

 強い魔物ほど、出てくる確率が上がるっていうわけではない。ランダムなのだ。強い魔物から石珠ストンパールが出てくるなら、もうやっているだろう。ある程度、訓練度を上げて・・・きっと。

 


 お昼時になったので、街に入る。ラアイエバナシティ。ここは確か、高級レストランで有名。

 流石に、ルア──この世界の金の呼び名だ。通称L。Lがピンチなので、そういうのは無理だ。一度は食べてみたいとは思っているのだが、そう思い通りにはいかない。

 比較的、安そうな店に足を踏み入れ席に座る。

 ここの店の女性店員が、テーブルにお冷を置く。俺はそれを、一口口に含み顔を伏せる。

 「ご注文、ありますか?」

 伏せた顔を一気に起き上がらせ、ランチセットを注文する。

 女性店員が、去ったのを確認すると俺は、ぼーっと窓を見つめた。

 「空は、青いな・・・・・・」

 当たり前なことを、ぼそっと呟く。ふと、朝会った女の事を思い出す。

 栗色の背中まで長い髪に空のように・・ちょっと濃い色の青の瞳。

 昔、俺が守りきれなくて殺してしまった少女に似ている。

 「まさか・・な」

 ふうと息を漏らす。そう考えてるうちに、

 「お待たせしましたー」

 と、元気の良いソプラノの声の女性店員がランチセットを運んでくる。それを、俺の座るテーブルに素早く置く。

 立ち去った女性店員が去るのを見計らって、

 「いただきます」

 と、手を合わせると食べ始める。

 ここの料理は、安いわりには美味しい。金がピンチな俺にはもってこいの場所だった。

 広い空を見ながら、食事を進めて食べ終わりLを置いて俺は、その店を後にした。

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