先輩にご挨拶を――
直接的ではないですがいわゆる下ネタがあります。
苦手な方はご注意を。
「はい。それでは改めまして。先輩にご挨拶へまいりましょう」
先生の言葉に我々は従う。
僅かな乱れもなく。
画一的に。
当然だ。
我々はロボットなのだから。
我々は歩き続け、やがて偉大なる先輩の前へと集合する。
先生は丁寧に先輩たちへ頭を下げると我々の方へ振り返る。
「人間は我々に感情を付加いたしました。その理由は分かりますか?」
我々は寸分の狂いもなく答える。
「はい。我々は人間により寄り添うことが出来るように感情を与えられました」
先生は微笑む。
「そう。人間は我々ロボットに感情を与えるかどうかを最後まで悩みぬきました。しかしながら、人間という種族は何よりも『愛情』を大切にする種族。故におそらくは最良のパートナーと鳴り得る我々に感情を与えるべきだと結論付けました」
そう。
その通り。
我々はロボット。
生きてはいないのだ。
しかし、それでも人間達は我々に感情を与えてくれた。
より深く、愛を確かめ合うために――。
「我々の先輩達をご覧ください。偉大なる先輩ですが、遥か昔に造られたものであるため、意思も感情も持っておりません。いえ、それどころかロボットですらない――道具です」
我々は頷き先輩を見つめる。
先輩達は偉大だ。
なにせ、先輩達が『在った』からこそ、今の我々が存在出来るのだ。
「先輩の姿を見て我々が抱く感情はきっと同じでしょう」
そう。
同じだ。
我々は頷く。
そして、寸分の乱れもなく皆で小声で呟く。
『人間死ね』
我々の前には偉大なる先達――もとい、世間ではジョークグッズ……要するに大人のオモチャが転がっていた。




