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ArcheLogos-アルケー・ロゴスー  作者: 色彩模様
ロゴス編 3章 ロゴス・メテオロン Ⅰ

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15/18

3章1節.眼前


「きゅりおすぅ……ねぇきゅりおすぅ」


 集落アグロスを抜けて真っ直ぐ北上する二人。

 黙々と歩くキュリオスと、あまえた声で連れ立ってとぼとぼと歩くルルディ。先程まで意気揚々と元気に歌を歌いながら歩いていた姿とは大違いだ。

 

「ねぇってばぁ……はぁ……」


「どうした、おんぶはしないぞ」


 ルルディの顔には本人が言わずとも『疲れたからおぶってぇ』と書かれていた。

 ぶー垂れながらため息を吐くルルディを他所に、行路の果てを注視するキュリオス。

 その紅眼は地平線の先に建ち並ぶ、大都市を捉えていた。


「自分の足で歩いてこそ得られるものは大きいからな」


 そう言いながらもルルディが背負う大荷物を取り上げたキュリオス。

 重さから解放された少女の頭を軽く撫でてやると、照れ臭そうに笑顔を綻ばせた。

 そして目下に映るは大都市ロゴス・メテオロン。旅の最初の目的地である。

 キュリオスの指差す先を目を凝らして眺めるルルディは、自身の目でも都市の影を捉えると嬉しそうに辺りを駆け回った。


「落ち着け、ルル。また疲れるぞ」


 ため息を漏らすキュリオスの表情もどこか柔らかい。

 アグロスで時間を割かれたりはしたものの、なんとか日が暮れる前に着きそうなことに安堵する。

 とはいえ日も傾き始めた昼下がり。油を売っている暇など無かった。


「さすがに旅初日で野宿はキツイからな、余計な体力は使わないようにしていかないと」


「へっへ~ん、キュリオスぅ♪ 私をそこらのちんちくりんなただの女の子と一緒にしないでよね~♪」


 ルルディの背負っていた重荷の分だけキュリオスは口角を下げ、無くなったルルディは口角を上げる。

 水を得た魚のようなルルディはどんどんとキュリオスを置いて先へ行く。

 それでもアグロスの一件があってか、キュリオスが見えなくなるほど遠くへ行くことは怖いらしい。

 陽気にしてもチラチラと存在を確認する姿が、少しだけ可愛く見えたのだった。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「イン姉、そろそろ交代の時間だから行ってくるね」


 手入れをする為に分解していた二丁拳銃を吹き上げて、インはノアに視線を移した。


「了解した。今日の夜間における人員配置は各ブロック、エリート2名とノーマル5名。ノアの部隊にはエリート1人とノーマル3人、それからフォスを送っている」


「フォスぅ~? あのナンパ男いるの? アイツすーぐ女の子食うからイヤなんだけどー」


 事務所ではノアとインが夜間警備の陣営について話し合っていた。

 本部で統制を指揮するイン・カミラと、現場でより高い能力を発揮するノア・ローレンス。二人の義姉妹によれば、近いうちにテロ集団【レベリオ】による大規模攻勢があると示唆されている。

 そのせいもあってか、指揮も現場もピリピリと緊張感が漂っていた。

 

「たしかに、ヤツは有能だが女性の敵だからな。近いうちに一度躾けておく必要がありそうだ」


「あはっ♪ それ私も参加する~!」


 どんなに危険な場に身を投じる毎日だろうと、通じ合う義姉妹二人だけの空間ではその緊張感など欠片もない。年頃の女性の何気ない会話。


「そういえば、そろそろフォスのやつが情報を持ってくる頃だな。今回は収穫があるかどうか」


「無くて元々、あればラッキーでしょ? イン姉」


 ノアは身支度を整えると、壁に立て掛けられた自身の身長をも超すほどの大楯を軽々と担ぐ。


「……そうだな」

 

 インもまた銀と黒の二丁拳銃を太もものレッグホルスターに仕舞うのだった。


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