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晴れ後デレデレ天邪鬼さん  作者: 兎餅ヶ
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第1話 僕の好みはツンデレさん

恋愛本を書きました。どうか読んでいただきたいです。

『べ別に好きなんかじゃないんだから!』

 恋愛漫画を読む今日この頃。

 僕の読む漫画のメインヒロインは軒並みツンデレだ。

 『ツンデレ』とは、恋愛が不器用で自分の想いを伝えようとするが直接で恥ずかしがだたりしたりして、反対の事を言ってしまう。

 まぁ、そういった感じのものなのだ。

 一見、想いを上手に伝えれ無いというのは欠点の様に見える。

 だが、このツンデレというものには妙に惹かれる。きっと男にとってこれは不可抗力。

 それどころか、ツンデレは女性にも人気なジャンル。

 そう、ツンデレとは最強のデレであるのだ。

 僕は、いつか出来るかも知れないが彼女がツンデレである事を望み、その漫画をペラペラとめくる。

「あ〜、僕もツンデレの可愛い彼女欲しいよ〜。」

 部屋でぼやいた。小さな声で。

 そんな毎日を過ごしていた。


 そのときは、憧れのツンデレに振り回されるとはつゆ知らずに。


=====================================

 

「僕は好田 出玲(よしだ でれ)。」

 普通な高校生活を送っている。っていっても、結構賑やかなものだが。

 僕はキモい程ツンデレが好きな男だ。

 どのくらいかって言ったら、ツンデレのキャラだけでお腹が満たされてる程。

 ところで、今日は別クラスの人と合同学習の日だ。女の子2人と一緒のチームになった。1人はボーイッシュな女子でもう1人は学校でも可愛いツンデレと評判の女子だ。

 因みに、今の僕はそのツンデレの子が好きだ。だから少しドキドキとしている。誠に幸せだ。

 おっと、顔に出てしまいそうになった。危ない。僕のツンデレ好きなところがバレたら最悪だからな。

 まぁ今日限りでこのチームは解散な訳だがな。

 

 ある日の放課後。


「好きです、僕の彼女になってください!」

 今日僕は告白した。

 どんな人にって?それはそのツンデレの人だ。

 学校一の可愛いさであり、その上ツンデレ属性も持っている。

 無理だとわかっていても告白するその他ない。

 これまで何回もこんな事やってきた。

 その度に僕は振られた。

 そしてきっと今回も振られる筈だ。

「あなたと付き合えない。恋愛対象にも見れないの」

 ほらな。やはり振られた。

 もし成功の確率が0でも挑戦する。それほど、僕はツンデレが好きなんだ。


 振られた帰り。


「どこかにツンデレいないかな〜。なんちって」

 いつもより速く歩いた。こんな漫画みたいな有り得ない展開の妄想を呟きながら強がっていた。

 こんな僕だって振られるのは悲しい。

 歩いて、辛くなって、早歩きになって、悲しくなって、走って、道を駆けた。

 不思議と涙は出ないが、泣きたいような気持ちだ。

 今の気持ちとは真反対に優しい日光が駆ける僕を照りつける。こういう時こそ雨になって欲しかった。

 行く場がなく走っていたら、いつしか見たことが無い道へと着いてしまった。

 偶然その道から、今日告白した女子が見えた。大通りを彼氏らしい人と歩きながら。

 まったく、羨ましいものだ。ツンデレ属性の彼女だなんて。

「僕もツンデレの彼女欲しいよ・・・」

 そう言っても何も変わらない。そう知っている。 

 

 ・・・「べ別に君なんか心配じゃ無いんだからね!」


 聞いた事が無い声。

 誰かは分からないが話しかけてくれるのはとても嬉しい。

「は?」

「待ってくれ、もしや君ってツンデレなのか?」

「つツンデレなんかじゃ無いんだから!」

「私」

「それに!心配してるのに『は?』は酷いんじゃないの!」

 ・・・「あっ、心配してるって言っちゃた」

「本当にに心配なんかしてないんだからね!それにもう大丈夫そうじゃない!ふんっ!」

 『ツンデレ』だ。

 何に対してもツン。そのツンの合間に見せる恥じらい。

 漫画で見てきた『ツンデレ』と全く同じだ。

 とりあえず話しかけ無いと。

 ツンデレに心配されるなんか一生に一度あるかないかのレベル。いや普通はこんな事ない。

 ここで何もしなかったら僕はツンデレ好きなんて言えないだろう。せめてありがとうを伝えないとだ。

「こんにちは。心配してくれてありがとう。おかげでモヤモヤがちょっと晴れた気がするよ。こんな僕を気にかけてくれるのは、なんとも嬉しいよ」

「ありが・・・ありがとうって言われても嬉しかなんか無いんだからねっ!本当だからね!」

 なんて嬉しい事だ、憧れていたようなツンデレに出会えるなんて。

 晴々しい気持ちになった。

「今日はありがとう。よかったら連絡先交換してもらえます?」

「べべべべべつに連絡先なんか繋いでも嬉しい訳じゃ無いんだからっ!」

 と言いながら、スッとスマートフォンを出した。

 僕にとって、ツンデレの人と連絡先繋げれるなんて人生初の快挙だ。

「さ、さようなら!」

 連絡先を繋いだら早速と帰って行った。

 僕も家に帰ろうか。ずっとここにいてもなんだし。

 家への帰りに夕立で雨が降った。

 そうだ。家に着いたら、またツンデレの恋愛本を読もう。

 そして空いた時間にでも、今日のことを振り返ってみようか。

 

 

 

 

 


 

次話は一ヶ月以内に出します。

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