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狂犬を手なずけたら溺愛されました  作者: 七詩


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8/8

8.転機をむかえる

立ち上がれるようになると歩くのもすぐかと思ったがそうもいかない。


歩くのは大変で一歩が出ないのだ。


まぁゆっくり毎日練習しようと私は立ち上がる練習を終えてゆったりと座り込んでいた。


気がつけば気持ちいい季節のようで大きく開いた窓からは気持ちいい風が吹いてくる。


天気も良くメイドさん達はみんなで洗濯物を干していた。


部屋にいたメイドさんも新しいシーツを出そうといそいそと隣のクローゼットに向かっていると外が騒がしくなる。


メイドさん達の悲鳴に視線を向けると一羽の大きな鳥が窓を突き破って部屋に入ってきた。


私は突然の出来事に唖然とする。


鳥は大きな翼を広げると鋭い爪を私に向けた。


あっ、食べられる。


本能的にそう感じた。


子供である私より大きな鳥に抵抗するすべがわからない。

やはり私はここでも強者に殺されるのだ。


そう思い体の力が抜けた。

正しくは腰を抜かしたのだろう。


鳥が一直線に私に向かって来ると・・・


「ラーミア!」


大きな腕が鳥よりも先に私を掴んだ。

その腕に掴まれると今度は硬い胸へと押し付けられた。


それはいつも扉の外にいた父だった。


父は私をかばいながら鳥と戦っている。

いつもなら男の人が側にいるだけで恐怖するが、鳥の恐怖と諦めのおかげか、なんの感情を出せばいいのか分からずに固まるばかりだった。


父は鳥の爪に血を流しながらも決して私を離さなかった。


その後、警備兵らしき人達がきて鳥を退治すると、私と父は違う部屋へと急いで移動する。


「ラーミアを!」


父は部屋に着くなり自分が側にいることに気がつき、慌てて私をメイドさんに渡して離れた。


そしてバタッと足を着く姿をみて私はメイドさんから顔を布で隠されて何も見えなくなった。


気がつくとそばにお母さんがいて私を抱きしめながら泣いていた。


どこにも怪我がないのを確認してまた安堵して泣いている。


以前私が傷ついてこんなにも泣いてくれる人がいただろうか?

私が傷つくのを助けてくれた人がいただろうか?


そういえばおばあちゃんとロンは私が傷をつくると悲しそうな顔で手当てしてくれた。ロンは私が男の子に虐められているとどこからか現れて威嚇して助けてくれたっけ・・・まるでさっきの父みたいに


私は今になって怖くなりお母さんと一緒に声を出して泣いた。

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