勇者と元王女の邂逅
王都に辿り着いた俺は王様に謁見する為に、王城の門番に掛け合った。
勇者である事を証明する為に、俺は、勇者の証である指輪を見せると、すんなり通してくれた。
ロベルトとアランを連れて、王様のいる大広間に行く。
だが、謁見の場に現れたのは、メリス・ベテルビエフという、次代の女王だった。
まだ、年若く金髪に碧眼の美しい少女だが、纏っているドレスも似合っており、正に女王としての威厳もあった。
王様に用があったんだが……まあ、要求する事は変わらない。
勇者としての魔王討伐の報酬金を俺は要求した。
すると、メリス女王は、「よろしい、期限もまだ効力がありますから、貴方の功績を讃えて報酬金を出しましょう……しかし、勇者様、貴方は、この一年間、何をしていたのですか? 仲間の方々はそれぞれ報酬金を受け取り、先代の王が開いた舞踏会にも出席したり、王都でのパレードにも出たのに…魔王討伐の主役である貴方が…出なかったのは、何か意図があったんじゃないですか? 」
メリス女王の質問に勇者として俺は自分がなるべきだったのか…その問いの答えを探す旅でしたと答えた。
「そうですか…勇者としての自分に疑問を持って旅に出かけたのですね、はあ……貴方は思慮深いですね、それに比べて我が姉ときたら…」
そういえば…王には、二人の娘がいたんだったな、確か、姉にアリスって人がいたような。
「確か、姉君がいたんですよね? その方はいらっしゃらないのですか? 」
妹が女王を名乗ってることは……予想としては、権力争いに負けたのか、自分が女王に相応しくないと思い、辞退したのかのどっちかと思った。
「姉は女王として、相応しくないので城から追放しました、まあ…ある程度の金を渡してるので、野垂れ死にはならない…いや、お金なくても、そんな簡単に死ぬような方じゃないので…勇者様が心配することじゃないです」
あちゃ〜、こりゃ権力争いに負けたパターンか、まあ、でも、それも珍しくはないか。
俺は、このあと充分すぎる程の報酬金を貰い、城を後にし、ロベルトに金を渡した。
ロベルトはこんなにも受け取れないですよと、言うが、母親に苦労させたくないだろっと愉し、無理矢理渡した。
「その金を母親に送ってやんな、まあ、一度にまとめて送る必要はないからな、盗賊の標的にでもなったら大変だからな」
「はい、そうします、アラン、このお金をお母さんに送ってくれない? そして、お母さんの護衛にあたってくれないかな、僕は自分を守れるから」
「!? お坊ちゃま! それは…分かりました、このアラン、母君を守りきります」
アランはロベルトから受け取り、ロベルトの母親の元へ、行くため、馬を貸り、そのまま別れた。
「いいのか? アランとは長い付き合いだったろうに」
「ううん、いいんだ! 僕は世界を知りたい、教えてくれるんでしょ、トウドウさん」
「ああ、勿論さ、さて…折角、王都に来たんだ、ちょっと、寄り道をする」
「ちょーーと、そこの勇者!!待ったーー!」
俺達が移動しようとした時、金髪のオッドアイの少女がこちらに向かって来た。
誰かに似てる……ああ、メリス女王にだ。
―――――――という事は…
「私はアリス・ベテルビエフ!! 勇者トウドウね、あんた、私の世界征服に力を貸しなさい!」
これが、元王女、アリスとの邂逅だった。




