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第二十一話『収益化記念、感謝のマシュマロ読み 其の二』

 しろさんは、ひとしきり最初のマシュマロについて語ると、二つのマシュマロを画面外に追い出した。そして別のマシュマロを画面に貼っていった。



「というわけで、ここからもマシュマロを読んでいこうと思うよ!まあ大半は企画の提案だからね、基本的によっぽどのものでない限りここで取り上げてるからね」




【散髪音(ハサミのチョキチョキ音)】



「これね、そもそも私は散髪音ASMRなんて存在自体知らなかったから、びっくりしたね。検索して、うわ、ある!ってなってさ」



【うわ、は草】

【変なものを見るリアクションで笑う】

【へー、散髪ASMRなんてあるのか知らんかったわ】



 私も知らなかったね。そんなコンテンツの存在自体、検索して初めて知ったよ。

 本当にこの業界は奥が深い。

 咀嚼音、金属音、はては環境音やタイピング音まで、なんでもASMRになりうる。

 こうして、色々調べて試してみるまで、随分と狭い世界に生きていたんだなと実感する。



「いやいやいやいや、一応言っておくけど別にそれで嫌な気持ちになったとかでは全然ないよ。むしろ、聞いてみて、あ、こういうのもあるんだ、いいなって思ったし」



 

 しろさんは、よくASMRを聞いている。

 最近は、寝る前にも何かしら聞いているんだよね。

 それでも、一度寝るとうんうんうなされているみたいなんだけど。

 本当に毎晩うなされているから、何があったのか訊きたくなる。

 流石に訊けないけど。

 ただの勘だが、そこまで踏み込んだら怒られる気がする。

 ともあれ、私もしろさんの散髪ASMRは聞いてみたいし、彼女もやりたいと思っているはずだ。 



「ただ、散髪ASMRは実写が多かったんだよね。現状、私は冥界から出るつもりはないから、Vtuberとしてやっても需要はあるのかなって悩んではいる」



【あるよ】

【Vtuberでもやってる人いるし、そこは大丈夫じゃないかな?】



「お、そうなんだ、教えてくれてありがとう。いつになるかはまだ明言できないけど、やることにするよ。……忘れないうちに、メモをしておこうか」



 彼女は、本当にスマートフォンを取り出してメモを取りはじめた。

 最近は、スマートフォンのメモをパソコンに転送したりできるから便利だよね。

 いや……最近ではないのか?

 というか、しろさんの使ってるの地味に最新機種だね。

 ボタン使わずにどうやって起動するんだろう。


 

【両手指かき(両耳から聞こえてくると全体的な没入感があるので)】



「これはねえ、やりたいと思ってるんだよね。普通に今まで聞いてきたASMRでもそういうのあるしさ」



 実際、しろさんはよくASMRを聞いている。

 そんな彼女の経験から言っても、そして彼女より遥か昔からASMRを聞いている私の記憶と照らし合わせても、確かに指かきはメジャーな部類だ。

 むしろ、今までやってこないのが不思議なレベルかもしれない。



【確かに、耳かき系のASMRではよく聞くタイプのやつだよね】

【耳かき一つでもバリエーション、増やしてくれたら嬉しいねえ】



「いろんな道具とか、やり方を試す耳かきオンリーASMRとかは絶対やりたいかな。多分結構需要もあるだろうし」



【オッケー、楽しみにしてます!】



 私も楽しみだ。

 いろんな変わり種のASMRも好きだが、結局は慣れ親しんだ耳かきメインのASMRが一番よかったりするものだしね。

 因みに、心音ASMRはーー他の誰でもないしろさんによるちょっと例外なので別だ。

 あれはそもそも、ASMRとは一切関係ない部分での刺激が強すぎる。

 ひとつ、言えることがあるとすれば。

 しろさんは、ご立派(・・・)だなあということだけである。

 ……これを言ったら、三日間ぐらい口を利いてくれない気がするので本人には絶対言わないけどね。

 



【オノマトペ(声がかわいい・綺麗なら何言っても勝てる感)】



「これもねえ、調べるまで知らなかったんだけど、オノマトペのみのASMRとかもあるらしいね」



 オノマトペ自体は、しろさんも全くやっていないわけではない。

 というか、「ごしごし」とか「さらさら」とか説明をするのに擬音語擬態語を使うのが一番柔らかいし、伝わりやすいのだ。



「というか声かわいいとか綺麗って言われてるの普通にうれしいなあ。みんなもっといっておくれよ、ほらほら」



『最高にきれいですよ』

【かわいいよ】

【世界一かわいい】

【You are beautiful.$100】




「ふえっ!そ、そういうこと言ってくれるんだ……。ふーん。……ありがとう。あれ?いやあの、違う違う。別にお金払ってまで言えとは言ってないから!でもセンキュースーパーチャット、アリガト!海外ニキ!」




【草】

【海外ニキもよう見とる】

【高校生でこの英語力なの本当に笑う】

【高校生(笑)】



「おいおいおいおーい!今高校生(笑)って書きこんだ人、あと思った人も手を上げなさい。先生怒らないから」



【ノ】

【ノ】

【へ】

【ノ】



「多くない?」

『これは流石に文乃さんが悪いですね』



 何度も言いますが、勉強はしっかりやりましょう、文乃さん。

 ……私でもある程度は教えられるはずなので。

 ASMRという文化では、言語理解を必要としているわけではない。

 なので、こうして海外からの視聴者も観ていたりする。

 日本のみならず、海外の人の耳と心も癒せると考えると、やっぱりしろさんはすごいことをしているんだよなあ。

 


 ◇


【認知シャッフル睡眠法(ガチ寝落ち用)】

【声なし回(同じく寝落ち用)】



「これは、たぶん同じ方かなー?認知シャッフル睡眠法は初めて聞いたんだけど、今度また自分の耳で聞いてみて、その後試すか決めようと思ってるよ。声なし回は、吐息ありとなし、どっちがいいんだろうね?」



 そういえば、吐息ってどっちに含まれるんだろう。

 逆に、吐息オンリーでもよさそうだが。



【うーん、なしで!】

【ありでお願いします!】

【むしろ吐息だけのやつが聴きたいハアハア】

【どっちも欲しいかな】



 コメント欄も割れてるなあ。

 


「了解。じゃあ、両方やることにしようかな」




【音声作品みたいな雰囲気の回】



「音声作品って、いわゆる動画とか、シチュエーションボイスだよね?面白そうだなあ。演技力とかも必要だよね?あ、音声作品ではないかもしれないけど、近日中に動画上げる予定なので、楽しみにしててね」



【了解!動画楽しみ!】

【何気に初めてじゃない?自己紹介動画すらないし】

【切り抜き師が雑談切り抜いているのは観たことあるな】




【壺おじさん(のようなゲーム)発狂プレイ】



「はて、なんで私がゲームで発狂するのが前提となっているのか……。まあでも、ゲーム配信は考えておこうかな。今まで人生で一度もゲームやったことないけど、この壺おじさんっていうのが初心者向けってことなのかな?」




【あっ】

【まずいですよ!】

【草】

【鬼蓄ゲーとして有名なのに、本当に知らないのか】

【はじめてのゲームがあれは……トラウマだろうなあ】




 私も、ちらりとだけ聞いたことがあるが、確か配信者がことごとく発狂するようなゲームだったはずだ。

 さては、しろさんのファンに、しろさんをいじめたい民がいるらしいな。

 そのあたりのことは、配信が終わってから共有しておくか。

 わからないまま突き進んで、トラブルになるのが一番よくないって社会で学んだ。

 そして、それがままよくあることも、ね。

 ともあれ、ゲーム配信をしたいという彼女の意向自体は問題ない。

 ゲームの難易度だけは事前に教えておかないといけない、というだけで。



「え、待って。そんなにこのゲーム難しいの?」



 コメントの情報に恐れおののく彼女をちらりと見て、その必要もないかな、と私は考えを改めた。

 企画案がすべて出尽くし、そして、彼女は別のマシュマロを取り上げた。

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