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昼食とレズ

ハーピーが持ってきた昼食を、観測手は嬉しそうにほおばる。

モグモグ。パクパク。

とても美味しそう。


それとは逆に、狙撃手はゆっくり淡々と食べる。

ぼそぼそ、ごくん。

とても事務的。


随分と波長が違う二人だが、これでも半年近くコンビを組み続けている。

恐らく、相性がいいのだろう。


「にしても」


二人の様子を眺めながら、ハーピーが声をかける。


「……なに?」


「今日も暇そうっすねえ」


「……まあね」


暇なのはハーピーも同じではある。

だからこそ、こうやって二人の食事を眺めながら談笑していられるのだけれども。


「それもこれも前線で戦ってくれてる方達のお陰ですね~」


「特に獣人兵団の方達は本当にすごくて!」


早くも食事を終えた観測手が会話に加わる。

普段から能天気ではあるが、この時の観測手は普段よりもテンションが高く感じられた。


「あー、最近調子いいらしいっすね彼女達」


「ほんと!凄いんですよ!特に団長を務める白い耳の……」


観測手の言葉を遮るように狙撃手が呟いた。


「……その噂の兵団が出撃するみたい」


「へ?」


「……城門が開くよ」



ゴトン、と大きな音が櫓に響く。

櫓に隣接した城門が開き始めたのだ。

それと同時に、複数のヒトの声が聞こえ始める。

ザワザワ、ガヤガヤと。


「おおー、そういや伝令会議の時に今日出撃するって話出てたっすねえ」


「わ、わわわ!か、確認!確認しないと!」


観測手はわたわたと遠眼鏡を取り出すと、城門付近の様子をうかがい始めた。

狙撃手は食事を続けながら、その様子をぼんやり見つめる。



「12時方向、距離15、高度0」


「団長さん、今日も格好いいなあ……」


「いいなあ、白い兎の獣人、いいなあ……」



何だか熱っぽい様子の観測手を眺め、ハーピーは狙撃手に声をかけた。



「ねえ、狙撃手さん、私、前からちょっと思ってたっすけど」


「……ああ、私も思ってた」



観測手は城門の様子に気を取られ二人の会話を聞いていない。

上機嫌で何やら呟いている。


「白い耳、ふわふわ、髪きれい、ふっふっふ……」


その様子を見ながら、狙撃手は核心的な一言を漏らした。


「観測手ってレズなの?」

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