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異世界転生後は自分らしく  作者: zawa
第二章 学園入学編
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学校スタート

今日は三話投稿です。

 今日は初授業がある日だ。今やっているホームルームが終わってから、授業が始まる。


「授業は基本的に専門の先生がやるから、授業ごとに先生が変わるわ」


 中学みたいな感じで、先生ごとに専門科目があるんだな。


「ちなみに、君たちの記念すべき初授業は私がやります。時間割を見ればわかるでしょうけど、私の授業は算数です」


 俺たちが一週間のうちにする授業は、国語や算数、歴史などの授業に、魔法の授業や武器を使った戦闘などだ。


「算数なら、正直受ける必要はないな。この本でも読んで勉強していよ」


 正直算数なんて今更受ける必要はない。そんなのは日本でさんざんやってきた。


 この世界の数学は地球の数学よりもだいぶ遅れている。この学校の六年生が習っているものでさえ、あくまで日本の一般的な中学レベル。俺ならば完璧とは言わないが、問題なく授業についていけるレベルだ。


 転生して十年間数学を勉強してなかったので少し不安だったが、こないだやってみたら意外と覚えているもので、七割以上は解けた。俺の頭も案外捨てたものではないらしい。


 歴史などのこの世界特有の勉強は、あくまで小さいころに予習しただけと言えるかもしれないが、数学や国語などは簡単だ。特に一年生レベルだと受けるまでもないし、将来文官にはなる気がないので、そんなにがっつり勉強せずとも、落第しないくらいできれば問題ない。


 この世界は日本よりも自己防衛が大事になってくる。俺は今のところ武力が重要な冒険者になるつもりである。

 

 そのため、今すべきなのは簡単な勉強を授業を聞きながらだらだらと復習するのではなく、将来に必要な知識を得る努力をすべきだ。


「この本を読むのを昨日から楽しみにしていたんだよな」


 俺が読もうとしているのは、昨日図書館で見つけたまだ読んだことのない魔法書だ。王都の図書館には、俺が知らない本がたくさんある。魔法関連だけでなく、他国の知識やモンスターの生態、経済的な本から創作の物語まで、実に多種多様な本がある。


 前世ではそんなに本を読むことは無かったが、この世界に生まれてから情報を得るためにたくさん本を読んだ。

 この世界にはインターネットのように便利なものはないので、知識を得るためには本を読むか人に聞くかしかない。


 そんな理由で本を読んでいるうちに、いつの間にか読書癖がついてしまい、本を読むのが好きになってしまったのだ。


 ここの図書館には幸いにもたくさんの本が蔵書されているので、すぐに飽きたりはしないだろう。


「なかなか余裕だな」


 俺が授業しょっぱなから関係ない本を開いたことに、ブーダは皮肉った眼で見てくる。


「算数は得意だからな」


 この学校では、授業中に関係ない本を読んでいても叱られない。なんなら寝ていても問題はない。


 すべての授業で勝手な自習が認められており、私語などによってほかの生徒の勉強を邪魔しなければよい。


 日本の学校、特に小中高ではありえないが、ここでは許されている。


 その理由は、この学校の生徒のレベルがさまざまであり、なおかつ個人主義の傾向が強いからである。


 俺ほどと言わないが、すでに上級生に行っても遜色ないくらい優れている者は結構いる。この教室でも、俺と同じようなことをしている生徒が何人かいる。


 この学校は優秀な生徒を輩出することを是としている。そのため、周りと同じことをするように強制はされない。


 また、もしも授業を聞いていなかったからわからなかったといっても、それは自己責任である。


 この学校には補習はあっても留年はないので、得意なことだけ勉強して最終的に一つのことに特化する人も出てくる。


 特に三年生以降は授業の選択の幅がものすごく広がる。この学校はマイペースな奴でもあまり問題はないのだ。


「なるほど。これにはこういった考え方もあるのか」


 俺は読んでいる本の内容の面白さに、時間も忘れてどんどんのめり込んでいった。





「おいウォル、もう時間だぞ」


「なんだ?算数の授業が終わったのか」


「違う!もう昼休みだ。食堂に行くぞ」


「は?」


 時計を見てみると、確かに午前中の授業が終わった時間だった。


「マジか!時間経つの早いな」


 本を夢中になって読んでいるうちに、いつの間にか午前中の授業が終わっていた。


「そんなに面白い本なのか?」


「ああ。分厚いからまだ読み終わっていないが、いろんな発想があってかなり面白い。魔法使いならぜひ読むべき本だな」


「わかった、わかった。それより、これから昼ご飯を食べに食堂に行くぞ」


 俺たちは寮暮らしのため、弁当などは用意していない。昼ご飯は購買で買った者を食べるか、食堂で食べるかだ。


「ウォル、早く行こうよ」


 俺と仲がいいAクラスの生徒は全員寮暮らしだ。そのため、弁当を持参してきている生徒は一人もいない。


 寮の自分の部屋でも料理ができないこともないが、昼ご飯のためだけに調理道具や食材を用意するのが面倒なため、寮の部屋で料理するのはよっぽど料理好きな人しかいない。


「それじゃあ食堂に行くか」


 みんなで食堂に向かった。





「これから、近接戦闘の授業に入る。今回は基礎体力を測る」


 昼ご飯を食べ終えた後の一発目の授業は、近接戦闘の授業だ。


 先ほどは好きに自習をしていてもいいといったが、今から行われる近接戦闘の授業と、座学ではなく実習タイプの魔法の授業は別だ。


 この二つの授業は、体操服のようなものに着替えて行われる。これらは日本で言う体育に近いものであり、体育で自習ってなんかおかしいだろ?


 これらはこの世界で自己防衛をするための力を学ぶ場である。仮に力が卓越している者がいるならば、その者は強い者同士で模擬戦をすればいいし、場合によっては先生もいる。


 また、基礎基本は大事である。もちろん座学でも基礎基本は大事だが、座学だともう理解しているからで済み、完全に理解していることを何度もやらない。いくら基礎基本が大事だからって、高校生が単純な四則演算はしない。それは完全に理解しているから、いくらやっても時間の無駄なだけであることがわかっているからだ。


 しかし、近接戦闘や魔法では基礎基本は何回やってもいい。これらは基礎基本が完璧にできるという世界ではない。

 

 やれば自分の限界までは強くなれるし、そうすることで応用にも生きてくる。前世で言えば、プロスポーツ選手だって数学で言う四則演算みたいな基礎中の基礎をやっている。


 そのため、この二つの授業は全員参加なのだ。上級生になるといろいろ変わるかもしれないが、少なくとも三年になるまではこうだ。


「それじゃあ、順番に測っていくぞ」


 今日するのは、前世で言う体力測定みたいなものだ。種目は全部同じではないが、やっている目的はほとんど同じだ。


「あいつ、思ったよりもかなり動けるな」


 ブーダは自称動けるデブ(デブとは認めてはいない)だが、その言は嘘ではなかった。


 スリムなうえに機敏な者には確かに劣るが、それでも平均くらいは動けている。あの体格であれだけ動けるなら、簡単には馬鹿にできない。むしろ賞賛すべき体であると言える。


 当然照れくさいから、今さら褒めたりはしないが。


 ブーダ以外にも意外と動けるといった者もいれば、逆に案外動けないんだなという者もいる。


「ルナさんとアーシャさんはすごいね」


「そうそう。男子よりもかっこいいよね」


 ルナとアーシャの運動能力の高さと運動神経の良さは確かにすごい。


 パワーもいれるとブーダでも負けてはいないのだが、残念ながら見栄えの良さで負けている。


 意外と動ける大柄の男がパワーを見せるのと、細身でかわいい女の子がスピードや技術を見せるのでは、どちらに目が行くかは言うまでもない。


 俺も魔力をフルに使えば彼女たちを優に上回る動きができるのだが、それだと今回の趣旨とは外れてしまう。


 俺の純粋な運動能力はこのクラスの中では上位に位置していることはわかったが、ルナとアーシャ、それにブーダには敵わなかった。


「みんなすごいね。僕はもうだめだよ」


「私ももうだめそうです」


 ファナとカイルは運動が苦手なようだ。彼ら以外にも何人かぐったりしているのがいる。


「おまえたち、後もう少しで終わりだぞ」


 先生がそう言ってみんなを元気づけた。


「「「「「「はい!!」」」」」」


 この後、運動が苦手な者と無駄にはしゃぎすぎた者たちが、すっかり疲れ切ってしまった。

 

 彼らは残りの午後の授業には全く身が入らず、授業を受けるでも自習するでもなく、睡眠を取る、もしくは取ってしまう者が多数いた。

 





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