転生
ふと目を覚ますと俺の顔を見知らぬ男性が覗きこんでいた。
「おお、生まれたぞ!」
「ええあなた、ついに生まれましたね!」
「無事に生まれたようで何よりだ」
「私たちの子供と幼馴染になるわね。」
聞こえる声が四つある。男の声と女の声が二つずつある。そのうちの二つは両親であると思われるが、もう二つは誰だかわからない。また、他にも妊娠を手伝った人がいるようだが、それもよくわからない。というかここはどこだ?家にいたら急に意識がなくなったところまでは覚えている。たぶん死んだんだろう。それはいい。いや、よくはないがどうにもならない。それはいったん置いといて、今の状況だ。正直急すぎて全然ついていけない。周りの様子からして俺は赤ん坊として生まれたのかな?
「オギャー、オギャー(ここはどこ?)」
「なかなか元気に泣いてるわね」
「ああ、元気な男の子だ。」
泣いている?まあ赤ん坊だから当然か。というか現世?でも男として生まれたのか。これは正直ありがたい。というか一応言葉を話しているつもりだが何も伝わらない。
やばい、だんだん意識が遠のいてきた。考えてみれば当然で、俺は赤ん坊なんだろう。というか赤ん坊がこんな冷静な思考をしているのもおかしいだろう。これからどうなるかはわからないが、今はとりあえず本能に任せて眠ろう。
生まれました