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Numb  作者: おーじ
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Again


鈍器で殴られたような鈍い頭痛がした。どうやらまた私は眠ってしまっていただけのようだ。

重たい瞼を少しだけ開くと、見慣れた白い天井が見えた。鼻をくすぐる柔軟剤の香り。いつもの自室のベッドの匂いだった。


「……」


起き上がってみようとするが、身体が重たくて持ち上がらなかった。しょうがないから目をキョロキョロと動かてみた。時計が朝の9時を指している事を確認し、そのままもう一度目を瞑ってみた。


「痛ぇ……」


目を瞑ると、また頭が痛くなる。この感覚もそろそろ苦痛だとは思わなくなっている自分が居るのが少し怖かった。このまま動かず死ねるのではないかとすら思えた。しかしトイレに行きたくなり、面倒だが身体を起こそうと力を入れたところ、問題なく起き上がることはできた。まだまだ死は遠いなぁとか、そんな事を思った。


立ち上がると、足を幽霊にでも掴まれたかのようにバランスを崩しそうになった。ゴミ箱を蹴飛ばしてしまい、中身をフローリングの茶色い床の上にぶち撒けてしまった。それは気にせずトイレまで向かった。


ちなみにベッド以外に自分の部屋にあるものは、ない。部屋は整然と整えてあるが、それは単にモノが無いからである。高校を卒業して新居に引っ越す際に、必要最低限のものすら幾つか置いてきたからである。金と身分証、携帯と新居の鍵だけを持って独り暮らしを始めた。


アルバイトをし、その日稼いだ分でその日の分のご飯を食べる。私はそれでいいのだから。


トイレを済ませ、再び部屋に戻った私は、ゴミ箱の中身を拾い集める事にした。「エリミン 5mg」と書かれた錠剤の薬が入っていた小さな小包装や「ベゲタミンA錠」などの薬の包みを見て、そういえば自分がODーオーバードーズーをしてしまった事を思い出した。


全て集めてゴミ箱へ戻したが、ゴミ箱から溢れるほど小包装が多かったので、台所からゴミ袋を持ち出してそこに捨てる事にした。


まだ意識がはっきりとしないのは、いつもより遥かに多い量の薬を飲んだからだろうか。台所の棚がどこにあるのかも分からず、なぜか冷蔵庫を開けて、ウイスキーを取り出そうとしている自分に気がついた。


「入ってねぇなぁ! なンだよ」


思わず空き瓶を床に投げつけてしまった。割れることはしなかったものの、ごつんと鈍い音を立てる。いつこれを飲んだのかはあまり覚えていないが、多分あの薬と一緒に飲んだ気がする。


「あぁー……」


冷蔵庫にまだ開けていない薬がある事に気がついた。

ゴミ箱にあったベゲタミンAである。7錠ほど残っているのに気がつくと、私は思わずそれを手に取り残っている酒を探した。


「チッ」


酒の蓄えられていない冷蔵庫を蹴りつけ、財布を持って近所のコンビニに向かった。

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