第『2』の扉 空気が吸える。
「ブクブクブクブクブクブク」 俺は、目を覚ました。 水の中だった。 俺は、生きているのか? 其の時、目の前に光が見えた。 手を伸ばしたら、届く距離だ。 「っ」 俺の意識が、はっきりした。 空気を吸いたい。 光の中から右手が、にゅっと伸びてきた。 そして、俺の右手を掴んだ。 「頑張って」 女性の声が聞こえた。 俺は、其の右手に引っ張られた。 俺は、其の方向に向かって、出来る限り泳いだ。 光がどんどん近づいてくる。 そして、 「ぶはっ」 光に顔が包まれたと同時に空気が俺の口の中に入った。 どんどん身体が持ち上がっていく。 「助かった」 何故か、そう思えた。