memory7 白石
memory7 白石
それは、人形のように整った顔立ちをした二人だった。
天才だと言われる殺し屋二人はまだ幼いという言葉がぴったりな顔付きで華奢な体付きをしていた。細い手足は一握りで折れそうなぐらいで到底殺し屋には見えなかった。
「陸番隊の3席と5席か……」
二人はその声に気が付いたのかこちらを見た。
「何かご用でしょうか?白石零番隊長」
少女はちらりと後ろに立つ少年を見てから問うた。圧倒されそうな異質な空気を纏う二人。
「あぁ。零番隊にこないか?架聖莉磨、それから紅夜捺輝」
白石は平然とした表情と声で本題へと入る。白石は二度ほど頭をかき少し首をかしげた。
「…………」
碧眼が微かに揺れている。迷いの揺れだ。
「紅夜には副隊長を、架聖には副官補佐を努めてもらいたいと思ってる」
白石は真剣な顔付きで言う。少女―莉磨は少年―捺輝をちらりとみた。捺輝もまた莉磨を見て莉磨は視線を白石の銀眼へとうつす。
「私達でよければ」
無表情だった莉磨が微かに微笑んだような気がした。
莉磨と捺輝は寮にいることが多くあまり待機室などにいることはなかった。時折隊長室に来てはほんの少し会話をしてあとはよく音楽をきいていた。
「隊長、これは?」
たまたま目にとまったのか一枚の資料をてにしている莉磨。
「クリスマスの逆襲について」
資料には以下のことがかかれていた。
十二月二十二日。
美月家は襲撃を受け美月光紀、美月マリア死亡。
十二月二十三日。
各家襲撃を受ける
十二月二十四日。
町が一つ破壊された。
十二月二十五日。
紅桜捺輝により襲撃者死亡。
「おそらくだが、緋桜家への襲撃もそいつらだったんじゃないかといわれている」
白石は莉磨を見て淡々と説明した。莉磨はただそれを無表情にきいていた。
「まだ調べは続いてる。いつか必ずつきとめるさ」
はたからみれば無表情な莉磨に白石は微笑みかける。白石には莉磨が哀しい表情に見えたのだから