表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
風に吹かれて  作者: lima
66/106

59 トラブルⅣ

59 トラブルⅣ


広大は遅れて東門へとつく。飛び交う複数の巨大な妖気。空気はキリキリとはりつめていた。

広大から笑みがこぼれた。

戦いの中に身をおくことが、スリルを味わうことが、このはりつめた空気が愉しいと感じた。

広大は昔莉磨からもらった2mほどある日本刀・アリスの魔剣をゆっくりと引き抜いた。黒と白の柄から漆黒の鍔、薄く光る刃。

「打ち砕け……シリウス」

2mある日本刀―シリウスをゆっくりと相手に向け鞘を投げ捨て呟くように唱える。投げ捨てた鞘は空中で塵となり消え、シリウスを持つ右手をゆっくりとひきやや低い体勢へと体重を移動させる。爆発的な力で地を蹴り宙を舞う。シリウスを大きく振るいシエルへと切りかかる。ソラトとの戦闘に巻き込まれないよう移動しつつ更に数度きりつけるがたいした傷にはならない。広大は舌うちし一度地へと着地する。妖気を右手に圧縮し纏わせ一歩大きく踏み出し切りつけた。


腹に勢いよく刺さったシエルの腕をきりおとし距離をとる。ぼたぼたと血が落ち痛みが躯を駆け抜けた。体剣を右手でしっかりと握り飛び出す。無論、シエルへとソラトにではなくまわりのフォリンに、だ。傷は内臓の一部を傷付けついて恐らく全力とは程遠い力での戦闘となる。それでは手助けにもならないため徐々に集まり始めた回りのディセントと共にフォリンの殲滅へとあたった。


ロイはなにも言わず莉磨が落ち着くのを待ち続ける。

「ゴメン」

莉磨はロイに呟くような声で謝り立ち上がる。ロイもまた立ち上がり莉磨の後ろに立つ。

「押されてる…………」

莉磨はまわりを見渡し小さく呟く。

「……たてなおすよ」

うつ向き小さく頷きやや上を見上げる。

「ロイ!裕斗!侑士!憲!拓也!広大!捺輝!」

莉磨はこの場にいて戦力になり抜けても持ち堪えられるというのを前提に名を呼ぶ。すぐに反応し莉磨のまわりへと集まった。

「侑士とロイはシエルとソラトのまわりのフォリンを殲滅して。裕斗と私でシエルの気をそらし憲と拓也でおおまかにきりおとし広大と捺輝は更に細かくきざんで」

「「了解」」

それぞれが動き出した。


収集室の扉はけやぶられた。

「逃げ……」

まだきたばかりだった優哉の声は途切れる。それもそのはず、優哉の首は切りおとされ地に落ちる前にさらにこまかくきざまれた。血を吹き出す胴もまた切りきざまれ肉片へと代わりゆく。由哉は大剣を作り出し構える。由哉は扉の近くにいるルナをみた。ルナはこくりと頷き書類の束をもった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ