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風に吹かれて  作者: lima
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58 トラブルⅢ

58 トラブルⅢ


「暴れスギ」

ソラトはただ微笑んだ。そして覚醒体へと変化する。莉磨はシエルの腕をきりおとし白石を抱え離れる。出血が酷く内部もかなり損傷していた。

そっと首筋へと触れる。まだ温かさは残っているが脈はない。碧眼から不思議と涙がこぼれ止まらない。

「……」

捺輝は莉磨の後ろにたち莉磨がないているとわかった。ただ、自分から涙が流れることはなく何故か悔しかった。

「もぉ……やだ」

莉磨の子供のような呟き。捺輝はシエルとソラトを見て笑みがこぼれた。


隼斗は淋を強く抱き締めた。淋は安心してか、静かに涙をこぼした。淋は昔のように隼斗に身を寄せ泣き付く。

「クソッ!予定は完全に狂ってる」

淋を強く抱き締めるなか莉磨の考えていた作戦は無くなったという事実を残念に思い本来死ぬことのない命が消えたことがなにより悔しかった。


一定のリズムで刻まれる機械音と呼吸音。多量の機械に繋がれベットに寝そべる陸斗。心拍数呼吸数共に正常値だが陸斗は目覚めない。


海斗は刹那の隙を狙っていた。白石が死んだことによる空白の心に隙は生じ海斗は後ろから短剣を突き刺す。

「え?」

じわじわと血が流れだし刹那は自分の躯を支えきれなくなる。息は荒くなり視界が霞む。しかし、その場を離れようとした海斗をつかんではなさなかった。

「離れたら…………あぶ……な……い」

刹那は自分の修復に当たると同時、海斗を守るように盾をはる。それは無意識であり刹那の性格だった。


捺輝は薄く笑いシエルたちへと向かう。ロイはすばやく莉磨へと近付いた。

「莉磨。僕が……」

ロイは莉磨へとそっと触れた。莉磨はロイへと寄りかかるような体勢となりロイはなにも言わず莉磨が落ち着くのを待ち続けた。


侑士はシエルとソラトを目の前にただ震えた。

―怖い。

久しい恐怖に立ち尽くし見ていることしか出来なかった。

「グッ!」

攻撃はこちらにもまわり腹部を直撃する。正直攻撃は見えずただその場に膝をついた。


収集室の扉はけやぶられた。いきなりのことで中にいた四人の手はとまる。

「逃げ……」

まだきたばかりだった優哉の声は途切れた。


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