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風に吹かれて  作者: lima
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35 実行Ⅲ

35 実行Ⅲ


収集室に一通のメールが届く。

from 広大 sb 無題 本文 終了

広大からのメールで竜一も慌ただしく動き出す。新しいIDとパスをまずは本部内にいるディセント達へと渡し、その他散らばっている求番隊員達に連絡し手分けして配ってもらう。

「終わったぁ」

莉磨のその一言で収集室にただよっていた重い空気が少し軽くなった。


ゆかりは二つのものをもって廊下を歩く。まえから歩いてくるのは荒木渉と後輩らしき男子生徒。

「keep our promise」

「me too」

「新しいIDとパスです」

ほんの一瞬、すれちがう間にゆかりはIDとパスワードのかいてある紙を渡す。隣にいる後輩にもきこえない小声で言われた言葉は二人を繋ぐ合言葉。渉は後輩と話すのに夢中に見えるが一度振り返る。ゆかりも振り返っていた。


魁central学園普通科S級教室。現在テスト中。

隼斗は寝ていた。

いたって真面目に授業を受ける碧人。見直しを終えたころチャイムはなる。

「回答用紙回収」

回答用紙の回収が始まると隼斗は一度起きる。隼斗の回答用紙は全ての欄がしっかりうまっている。

「睡眠学習でもしてるのか?コイツは」

集められた回答用紙を見て担任(男)は呟いた。


零番隊舎の寮部屋。いつもはいるはずの捺輝がいないためほとんど使われていない恭悟の部屋へと入りベットに寝そべる。少しの冷気を帯た布団は暖かい莉磨の肌にふれ生暖かく変化する。

「早く卒業しなきゃなぁ」

小さな呟きは響くことなく消え去った。

莉磨は一応高校生だ。高校3年になりもう半年ほど過ぎるがまだ登校していない。いやする暇がない。こんなときぐらいすればいいのにとも思うがいまさらな気がして行きたくないらしい。どうせあと少しで長期休暇に入る。ほとんどすることはない(はず)。

そんな考えを巡らせているうちに眠気が増す。そっと目を閉じ小さな寝息をたてた。


求番隊舎を訪れ待機室の扉を開ける。その場にいた求番隊員は動きをとめじっと扉の方をみる。

「悪いがもう一度橋ってもらう。公開訓練試合のトーナメント表だ。今さっき決まった」

白石は資料を近くにいた求番隊員に渡し扉を閉める。左腕にある腕時計で時間を確認し零番隊舎へと急ぎ足で戻った。


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