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風に吹かれて  作者: lima
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33 実行

33 実行


そうそれは、ほんの少しの出来事。たまたますれ違った事から始まった姉妹喧嘩。

「悪いけど…いそがしいから」

捺輝が莉磨の手を引き歩く。詩織は2人をじっとみていた。

「めずらしいね。けんかなんて」

「誰かがつっついたんでしょ」

莉磨は冷静だ。昔と変わらないところもある。

捺輝が微かに笑ったのは誰も気が付かない。


黒髪の少年は椅子にすわり寝ている。ゆかりは椅子に座るその少年に近付いていいのだろうかと一歩を躊躇した。

「誰?」

少年は小さな物音に気付き目をさます。

「keep our promise.初めましてゆかりです」

「me too.」

その答えを確認しゆかりはそっとその少年に近付いた。そして一枚のまるめられた紙を少年に渡す。

「荒木渉。教室かここらにいるから」

渉はそれを受けとり立ち上がった。


本部内は混乱していた。真昼からこんなに本部内にディセントが集まっているのも珍しいがこんなに混乱している方が珍しい。何も出来ずその場でキョロキョロとしている人が多い。

ちょうど隊舎へ向かおうとしていた莉磨と捺輝は目的地を収集室へとかえ走る。

「何が起きてるの?」

「わからない」

捺輝は収集室の扉を勢いよく開けた。


炎天下の中、すでに練習は始まっている。今日は西地区ホームでの試合があり、珍しく全員揃っていた。大体誰かが本部や任務にかりだされている(席官だから余計)というのに西本部からの要請もなくディセント達の間で若干暇な空気が漂っている。本来の練習スピードだというのに。

欠伸をしながらも外周をしている広大。おそらくその眠気はすぐにふっとぶであろう。


扉を勢いよく開けまずまっていたのは求番隊員の竜一だ。

「莉磨さぁん!」

涙目で飛び付く竜一。段々由哉に似てきたと感じるのは捺輝だけだろうか。

「セキュリティシステムがハックされてIDとパスが書きかえられちゃいましたぁ。新しいのを設定するには向こうがかけたセキュリティ抜けないといけないんです」

電源きれば門ぐらい開けられるようになるのにと莉磨は思う。

「広大と隼斗は?」

竜一をひきはがしパソコンの前に座る莉磨。

「広大さんは練習に出てます。隼斗君は学校です」

「由哉は?」

「知りません」

無表情の莉磨と声が慌てている竜一。捺輝は笑いそうになった。



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