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風に吹かれて  作者: lima
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24 始まり

24 始まり


本部塔から各隊舎へとつながる長い廊下を歩いて行く。陸番隊員とすれちがうたびひきとめられながら陸番隊舎の訓練室へと向かう。

第一訓練室とかかれた扉をあけ中に入る。

「痛そうだね、夏輝」

黒い長椅子に座り水をのんでいる男に声をかける。両腕と左足に包帯がまいているのがみえた。

「そんなに痛くないですよ」

「めずらしい」

「ただの不注意です。それより俺を名前で呼ぶほうがめずらしいです」

莉磨は昔、陸番隊の第5席だった。その頃夏輝は14席で莉磨の後輩にあたる。捺輝と名前がかぶっていたため基本的に本郷(ほんごう)と呼ばれていた。莉磨が白石に零番隊へひきぬかれて以降あまり関わりがなかった。

「なおしてあげようか」

「変わりましたね」

夏輝はたちあがり大きくのびをした。


生暖かい風が吹き付ける。今日は試合がない。チームの本拠地・西地区はうまれ故郷とは違うのに落ち着く。場所が近いからだろうか。

「博紀!」

チームメイトの俊介に声をかけられはっとする。俊介とは同期でよく一緒にいる。いると気が楽な相手だった。

「憲は?」

ふと回りをみわたすと数名いない事に気付く。それも全員ディセントだった。

「しらん」

「上野!」

苗字で呼ばれ俊介からはなれ駆け足でコーチの近くへよる。

「ディセントの関係者が……」

真剣な顔付きをしている。コーチの隣には求番隊色であるオレンジの入っているジャケットをきた男がたっていた。

「初めまして。求番隊第8席稲田竜一です。敵が一斉に動き始めました。現在零ぜろいちさんろくはち番隊の上位5名とよんしちきゅう番隊の上位3名に中央本部で待機してもらっています。伍番隊第6席下田辰典さん以下20名は東本部へ、参番隊第6席堤健太さん以下15名は西本部へ向かってもらうことになりました」

博紀は黙ってうなずく。竜一はうなずいたのを確認しゆっくり遠ざかる。博紀はその背中をじっとみていた。


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