12 淋の正体
12 淋の正体
碧眼でクリーム色の髪で普通にツーインテールの少女・莉磨。黒い瞳に赤っぽい茶色い髪の毛の少年・捺輝。
表情は無かった。
「莉磨…何でここに……」
淋の息はまだ荒い。少しフラついていた。
「特殊能力でも使ったのかな」
ソラトはいつの間にかゆかりのそばにいた。
「彼女をあまり悲しませないで。後が大変なの」
莉磨も捺輝も無表情で冷静だった。
「普通の女の子とでも言いたいの?」
「謎が解けたんだよ。彼女は緋桜の長女。不運にも2才のとき両親を亡くし早見篤史に引き取られた。10才のときに大体のちからが目覚め11才である程度の事を知った。12才で零番隊に入隊し13才で初の隠密任務」
「彼女の身体能力は人並みだが頭脳は超えてる。特殊能力はリンクと再生、彼女自身気付いてないけど日本刀と自分の血である程度の攻撃もできると思うよ」
そんなこといってなにになるのか淋にはわからなかった。
「戦うにはまだ早い。今日はひいたら?」
あぁそういうことかと一人納得する淋。
「そうしようかな。近いうちにまたどこかであおうかな」
それは何をあらわすのか莉磨以外にはわからなかった。
「直しなさい。何事も無かったように。その間に僕達で一人ひとりと話をつけるよ」
今日の記憶についてはなすらしい。ソラトはもういなくてまわりが静まりかえる。
体育際は延期になった。
全校生徒と話をつけるのは時間がかかった。矢野達のほうにいくころにはもうよなかだった。
楽になりたくて任務内容を話した。全部。平山が紫紋の血縁であること、ここにきた理由、あのとき何が起きたのかを。
彼等は聴き理解し、全てを受け入れた。平山も矢野も篤史も。
「実をいうと俺はディセントなんだよね」
上野博紀がそっと手をあげた。
「俺は多分リンガ。あんまり血は濃くないけどね」
中谷俊介も言った。
彼等の殆んどが受け入れてくれた。
これが私を悩ませるのかと莉磨はふと笑った。