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シークレット・ブラッド  作者: うさぎさん⭐︎
【第2部】ワイルド・ブラッド(牙を剝く世界)/ 第1章 サンセット・ブラッド

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10 武者修行の果てに


(美紅さん、美紅さん)

 <墓>に花を添えてから、

(俺が必ず、美紅さんを守ります)

 若木は、墓石の裏に回った。

 そこには、隠し階段があった。


 ***


「はぁはぁはぁ」

 動く屍たちを蹴散らし、辿りついた、地下迷宮の最奥。

 棺に(ひつぎ)手を伸ばした若木。

 開けると中には、一巻ひとまき巻物スクロール

「これが……!」


 棺の巻物を手にした途端。 


「我の眠りを覚ますのは、誰だ?」

 響き渡る、地獄のような声と、黒い霧。

 霧の中から現れたのは、 

 月の届かない地下迷宮なのに、

 ━━狼男⁈

 若木の肩が跳ねる。唾を呑み、後ずさる。

「い、い、犬!!!」

 若木は犬が大嫌いだった。

「噛むなよ、噛むなよ……!」

「……なんだ、ポップコーンじゃないのか」

「は?」

「ポップと関係ないくせにしゃしゃりでおって!

 死ね‼︎」

「……なんだよくわからんが、こんなとこで死ぬわけにはいかないぜ!」

 若木が緑リュックから<コーラ爆弾>を投げる!

 コーラの缶が狼男に破裂する。視界を真っ黒に染める。

「ぐわぁぁ! コーラくさい‼︎」

「も一発! サイダー爆弾‼︎」

 サイダーの缶が狼男に破裂。泡で、動きを止める。

「ぐわあ! サイダーくさい‼︎」

「━━とどめだ!」

 鮮やかな緑の飛沫が、狼男を飲み込む!

「うわぁ、メロンソーダァァァ!!!!」


 その、刹那。

 嫌な音が、あちこちからした!


「しまった、やりすぎた!

 ━━崩れる!!」

 そう、今の衝撃で、地下迷宮が崩壊し始めたのだ。

 

「ヤベえええぇぇ‼︎」

 若木が光の速さでダッシュする。

「待てー!ソフトドリンク男ー‼︎

 巻物返せー!!」

 追いかけてくる狼男。

「ちっ。しつけーなぁ!」

 若木が振り切ろうとすると、

「グワァァァァッッッッ‼︎」

 狼男の絶叫が!

「なんだ?」

 振り返ると、狼男が、崩れて崖になったところから、落下しそうになっている。

「まじかよ」


 伸びてきた手が、けむくじゃらな手を掴む。

 間一髪、若木は狼男を救出した。

 だが、そのとき、若木のポケットから、青い何かが落ちた。


「走るぞ!」








 



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