【第7章】 神話・伝承に残る六脚類の痕跡(3)
7-3 漢方の「竜骨」は本物のドラゴンの骨だったか
――大型種の乱獲と素材需要(竜骨・竜鱗)**
東アジア圏では古来より「竜骨」と呼ばれる漢方素材が流通している。
現在、竜骨の正体は“化石化した大型哺乳類(主にゾウ・サイ類)の骨”であるとされるが、
文献上では明らかに“爬虫類的”“巨大種由来”として描写されている点が多く、
学術定説と伝統的用法の間に齟齬が存在する。
さらに、中国・モンゴル・中央アジアの民間伝承には、
竜骨・竜鱗・竜角などを“実際に採取していた”とする記録が散見される。
本節では、六脚脊椎動物類の大型系統(ドラゴン・グリフィン・ナーガ等)が
かつて実在したという前提のもと、
「竜骨」の正体と、大型六脚類が乱獲され絶滅へ追いやられたプロセスを考察する。
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◆ 1. 文献に残る“竜骨の形状”は、哺乳類とは一致しない
中国医学の古典『神農本草経』や『本草綱目』には、
竜骨を以下のように記す。
太く、湾曲し、節が大きい
淡白色で、粉化しやすい
表面に鱗状の模様が残ることがある
中が空洞気味(管状構造)
これらの特徴は、現生哺乳類の骨とは一致しにくい。
むしろ、以下の特徴を持つ生物に近い。
鳥類・爬虫類の中空骨(軽量化構造)
恐竜類の気囊構造
大型爬虫類の鱗の痕跡の残る骨表皮
軟骨魚類の脆性と粉化性の高さ
六脚脊椎動物類(特に竜型)は、
大型化に応じて内骨格の軽量化が進み、
鳥類や翼竜のような中空構造を持っていた可能性が高い。
つまり“竜骨=大型六脚類の骨”の方が、
むしろ生物学的に整合している。
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◆ 2. モンゴル・中央アジアの伝承では「竜骨=実物」という前提が残っている
中央アジアでは乾燥地帯での化石の露出が多く、
住民は古来より
地上に露出した巨大な骨
鱗状の痕跡
尾椎が異様に長い骨格
を発見しており、これらを**“竜の遺骸”**として扱ってきた。
実際に、
骨の掘り出し
粉末化
医療利用
などが行われていた記録が残る。
現代では恐竜骨と説明されるが、
問題はこれが**“爬虫類的ではない形状”**であることが多い点である。
特に
脊椎が6方向に派生
付属肢の基部が異様に太い
羽骨のような中空構造
などが報告されており、
これは四脚動物の構造とは整合しない。
六脚類(竜型)の骨格であれば説明が可能である。
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◆ 3. 竜鱗とされるものも、現生爬虫類とは一致しない
古代文献や博物誌では、
“竜鱗”として以下の特徴が記録されている。
金属的な光沢
層状構造
外側が硬く、内側が薄い複層構造
加熱すると脆く崩れる
研磨すると刀剣に使える硬度を示すこともある
これらの特徴は
ワニの鱗(皮骨)
サメ皮の歯状鱗
爬虫類のケラチン鱗
どれとも完全には一致しない。
むしろ、
「外骨格の名残+内骨格性鱗の複合構造」
という六脚類特有の“混成鱗”として解釈した方が合理的である。
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◆ 4. “竜骨”の流通量が多すぎる問題
歴史上、竜骨は大量に流通している。
しかし、恐竜化石は地表にそれほど露出しないし、
象・サイなどの骨では量が合わない。
ではなぜ“竜骨”が大量にあったのか?
仮説:
六脚大型種は、歴史上かなり近い時代まで生存しており、
その遺骸が交易品として扱われていた。
これを支持する根拠として、
中世中国の税記録に“竜骨・竜鱗”の項目がある
竜骨の産地が内陸(恐竜化石地帯)だけでなく
“山岳・高地”にも存在
明代の文献に「竜を討伐して骨を献じた」記述
などが挙げられる。
六脚類(竜型)が紀元前〜紀元後数百年頃まで存在していれば、
これらの記録はすべて自然に整合する。
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◆ 5. “乱獲”は六脚大型種絶滅の最大要因であった可能性
竜骨・竜鱗が高値で取引されたとすれば、
大型六脚種は「素材資源」として狩られた可能性が高い。
特に竜型六脚類は
長命
繁殖間隔が非常に長い
一胎の産仔が少ない
という大型脊椎動物に共通する特徴を持っていたはずであり、
過剰捕獲には極端に弱い。
大型種絶滅の要因を整理すると、
1. 宗教的理由による討伐(悪魔視)
2. 素材需要(竜骨・竜鱗)による狩猟圧
3. 領地争いによる排除(人類の拡大)
4. 気候変動による大型種の生存限界
これらが複合的に作用した。
とくに素材需要は、
“経済的な絶滅圧”として強烈で、
人類側が止める理由がなかった。
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◆ 6. “竜骨=ドラゴン骨説”の生物学的妥当性
六脚類が大型化すると、
骨構造は以下のように変化すると推定される。
硬骨化+中空化(軽量化のため)
気嚢状の内部構造の発達
外骨格由来の骨表皮の残存
骨密度の低下(飛翔・滑空のため)
粉化しやすいカルシウム構造
これらは“竜骨”の特性と合致する。
現代の化石学の技術で分析すれば、
竜骨は未知の生物由来として扱われる可能性が高く、
“恐竜・哺乳類でもない特徴”を持つはずである。
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◆ 7. 竜骨の分布と“六脚巨大種”の生息域の一致
竜骨が集中的に採取されてきた地域は、
中国北部・中央アジア・中東などの乾燥半乾燥地帯に偏る。
これらは、前章で述べた 大型六脚類(ドラゴン型)の主要生息域 と重なる。
季節的放牧地帯
山岳〜高原地帯
乾燥した風化層が露出しやすい地形
こうした環境は、化石化した骨が地表に出やすく、
住民の間で「竜の骨」として収集されやすい条件も兼ね備えている。
したがって、竜骨が“実際にドラゴンの骨を起源とした可能性”は、
地理学的にも無視しえない。
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◆ 8. 大型種乱獲の本質:ドラゴン素材は極めて高価だった
ドラゴン型六脚類は大型の脊椎動物であり、
その素材価値は極めて高かったと推測される。
竜鱗 → 軽量で強靱、防具素材として価値が高い
竜骨 → 漢方・呪具・宗教儀式に不可欠
竜脂肪 → 燃焼効率の高い油脂
竜皮 → 儀式的祭具・武具装飾に利用
竜牙 → 権威の象徴・護符
人類が大型脊椎動物を乱獲する例は歴史上無数に存在するが
(マンモス・アオサギ・ドードーなど)、
ドラゴン型六脚類もまた同様の運命を辿った可能性が高い。
とくに竜骨と竜鱗は、
需要が高く、再生産不能で、保存が利く素材であったため、
長期にわたって乱獲圧を受けたと考えられる。
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◆ 9. 教会・神殿への奉納:ドラゴン素材の“宗教的消失”
古代〜中世の宗教施設は、異界的・神聖的存在に由来する素材を
聖遺物として保管する習慣を持っていた。
六脚類が“天的存在”“悪魔的存在”“神獣”として扱われた地域では、
ドラゴンの骨・皮・鱗が宗教施設へ奉納されることは十分あり得る。
実際、ヨーロッパの中世教会では
「竜の骨」「竜の皮膜」「竜肋骨の聖遺物」が複数記録されている。
しかし、
湿度
バクテリア
微細なカビ
酸による劣化
などにより、動物素材は数百〜千年でほぼ劣化する。
現存しているとしても、原型をとどめるものは極めて少ないだろう。
ただし、もし理想的な環境下で保存されてきた“奇跡的な標本”があれば、
その骨からDNA断片を抽出できる可能性は否定できない。
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◆ 10. “DNAからは脚の本数がわからない”という決定的盲点
仮に最良の保存状態のドラゴン骨からDNAが抽出できたとして、
現代生物学はそれを**「未知の脊椎動物のDNA」**と位置づけるだろう。
なぜなら:
① DNA情報から 付属肢の本数(六肢か四肢か)を直接読み取ることはできない
(Hox遺伝子群の機能は解析可能だが、化石無しでは配置は推測困難)
② 生物学界には「脊椎動物=四肢」という固定観念が強く、
六脚脊椎動物を想定する学説が存在しない
③ 化石がほとんど残らないため、
DNAと化石情報の照合が不可能
このため、世界最高の保存状態の“本物のドラゴン骨”が現存し、
そこからDNAが取得できたとしても――
現代科学はそれを六脚脊椎動物類の存在証拠として認識できない。
学問的枠組みそのものが六脚系統の可能性を排除しているためである。
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◆ 11. 竜骨は「素材として消費され」、「宗教によって封印され」、「学問によって見落とされた」
竜骨=ドラゴン骨と仮定した場合、その歴史的経路は三段階で説明できる:
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① 素材需要による大量消費(乱獲・加工・粉砕)
生薬として粉末化
鎧・護符に加工
武具・装飾品として分割
→ 形をとどめない形で消失
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② 宗教施設への奉納(密閉・劣化・散逸)
“神獣の骨”として保管
劣化・カビにより同定不能
聖遺物庫の廃棄・戦争で焼失
→ 文化的に封印され消える
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③ 近代科学による“誤解”と“無視”
DNAは未知生物と判定される
四肢前提の分類体系が阻む
化石が無いため系統樹に載らない
→ 科学的に認識されない
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◆ 結語
漢方の「竜骨」は、
古代人がドラゴン型六脚脊椎動物類の骨を“現実の素材”として扱った名残りであり、
大規模な乱獲と宗教的収集の結果、
その多くは失われ、粉末化され、文化の影へと消えていった。
そして、仮に奇跡的に残された標本が発見されても、
現代生物学はそのDNAを六脚系統の証拠として適切に解釈できない。
“脚の本数がDNAに直接刻まれない”という生物学の盲点と、
“四脚中心史観”という思考的固定観念が、
六脚脊椎動物類の存在を歴史の背後へ押しやっているのである。




