【第6章】 なぜ六脚脊椎動物類は絶滅したのか(3)
6-3 気候変動と巨大種の崩壊
六脚脊椎動物類(Hexavertebrata)の大型種――とくにドラゴン系、グリフィン系、ナーガ系に代表される“巨大体躯ライン”は、最終的には気候変動への脆弱性によって急激に衰退したと考えられる。
大型動物は一般に環境変動の影響を強く受けるが、六脚類の場合は
四脚脊椎動物よりも“巨大種としての構造的リスク”が高かった
可能性がある。
本節では、
気候変動が六脚巨大種に与えた影響を、
生態・構造・代謝・生息地の観点から整理する。
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◆ 1. 六脚巨大種の“巨大化限界”は四脚種よりも高い
六脚構造は四脚よりも支持性が高いため、
ドラゴンや巨大グリフィンといった大型六脚類は、
陸上の生物としては最大クラスの体重域に達する潜在力を持っていた。
6点支持による荷重分散
胴体の長大化
尾部の副神経による運動補助
大型肺・大動脈の確保
鱗装による外部防護
これらは「巨大化を可能にした理由」であると同時に、
環境変動に対して極めて脆くなる要因でもあった。
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◆ 2. 気温低下が代謝構造に致命的な影響を与えた
六脚巨大種、とくにドラゴン系は、
“半恒温性の大型爬虫類に近い代謝型”
を持っていたと推測される。
体温維持を環境熱に依存
熱源として火山地帯や温暖地域を好む
長期の活動には日光や地熱が必要
という特性は、寒冷化に伴い大きな代謝負担となる。
● 気候寒冷化による影響
活動可能時間の減少
捕食効率の低下
消化器官の働きの低下
寒冷地への適応不可
生息域の急激な縮小
結果として、
大型種は **「巨大化したまま縮小できない」**という構造的欠陥を抱えることになる。
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◆ 3. 気候の乾燥化が餌資源を直撃した
六脚巨大種は、その体躯ゆえに
“高カロリー・高密度の餌資源”を必要としていた。
中型哺乳類
大型草食動物
湿地帯の魚類
多量の植物資源
しかし、後期氷期〜完新世の気候変動により
大陸の乾燥化と森林縮小が加速した。
● 捕食網の崩壊
乾燥化 → 大型草食動物の減少 → 大型捕食者の衰退
という連鎖の中で、
六脚巨大種は最も影響を受けた。
獲物が減れば、巨体を維持する代謝そのものが成立しない。
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◆ 4. 巨体の熱放散問題と“体温暴走”
ドラゴン系は “巨大な体表面”を持つが、
鱗装(外皮骨)の断熱性によって
熱放散効率が低い という弱点を持っていた可能性が高い。
低温時には有利だが、
地球が急激に温暖化した期間には逆に
熱の蓄積
熱ストレス
体温上昇による臓器不全
高温環境での活動困難
という問題が発生する。
また、“陽光で体温を上げる”という行動学的特性を持つ種では、
温暖化時に体温が過剰に上昇する危険もあった。
巨大化した六脚類は、
温暖化にも寒冷化にも弱い“両側から挟まれた存在”
となっていた。
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◆ 5. 生息域の“島状化”と遺伝的多様性の急減
気候変動によって生息地が縮小し、
かつ高地や火山帯など限られた環境に分散すると、
六脚巨大種は次の問題に直面する。
群れの分断
近親交配の増加
遺伝的多様性の喪失
免疫力低下
疾病の伝播
これらは、絶滅が加速する典型的なプロセスである。
特にドラゴンやグリフィンのような
「低密度で孤高の生態」を持つ種は、
遺伝的多様性がもともと少なく、
環境変化に不利であった。
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◆ 6. 小型・中型六脚類との“共倒れ現象”
大型六脚類の捕食対象や共生関係にあった
中型知性系
小型昆虫系の一部(大型昆虫群)
もまた環境変動の影響を受けた。
捕食網の崩壊は、生態系のピラミッド全体を揺るがし、
大型六脚類だけでなく
相互依存していた生物群すべてが連鎖的に衰退した可能性が高い。
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◆ 結語
六脚脊椎動物類の巨大種は、
六脚構造ゆえに“巨大化しやすい”という強みを持っていたが、
同時に
環境変動に対して極端に弱い構造的脆弱性
を抱えていた。
代謝の不安定化
餌資源の枯渇
生息地の縮小
遺伝的多様性の喪失
熱放散問題
生態系の崩壊
これらの要因が複合し、
六脚巨大種は気候変動によって急速に数を減らしていった。
以降の節では、
この気候変動と人類の迫害がどのように“同時進行で”
六脚類全体を絶滅へ追いやったのかを、
総合的に分析していく。




