3日目
勝手知ったる「小説家になろう商店」に無事到着した。
3日目ともなれば商品陳列もサクサクぅ お お お ?!
ふっふ~ん ふん ふふん うふふっ♪
よぉし今日だって頑張っちゃうぞぉ~!
「やけに機嫌が良いな、気色悪ぅ」
「いっしっしっ、実はですねぇ!」
「なんだこれは」
「ブクマして頂いたので~すっ!」
見たか「ブックマーク登録 1件」の輝かしい実績を!
わたしはこれからスターダムを駆け上っていくんです!
「あっそ」
「ぃゃぃゃいや、嫌。それだけ?!なんかあるでしょ!」
「おめでとー」
フッ……底辺作家がひがんでおります。
おぉ~嫌だ嫌だ、こうはなりたくない。
あ、誰か来たっ!
「こんちゃー」「あぁどうも」「どーです調子」「ぼちぼちで」「――」「……」「――」「……」「――」「……」「――じゃー。続き、楽しみにしてまーす!」「あぁ。まぁ、ぼちぼち」「とか言ってー!」
……え?
「今の御方は?」
「あぁ相互さん」
相互さん……とは?
検索、検索しよう!
「相互お気に入り」
「っへ?」
「お気に入りユーザさんで、逆お気に入りユーザしてくれた、ありがたい御方だ。お互いに活動報告や新着小説の情報が届く」
「そういうことは早く言って~?!」
これか!
よぉし。
【 お気に入りユーザは一人も登録していません 】
……何故?
「してください」
「更新頻度は毎日で、ばかは休み休みの月イチ程度で言ってくれ。始めて3日で、たったの3話。なにを気に入ってお気に入りするんだ」
「それは! ……人柄とか? なんかあるでしょ~?!」
「無駄口叩くな、作品で語れ」
「お気に入り、どうやるんですか?」
「調べろ」
「けち!」
「……先方様の、マイページにある」
「お名前は~?」
「今か?今その質問か! そもそも読んだことないだろ?!」
「人柄で」
「ばかも休み休み言え」
あっスマホ! あぁ、開いてくれてるのか、なんだ。
これがマイページ……自分以外のは初めて見たかも。
シリーズってなに? 作品数3桁! ブックマーク。
……え?!
「ブックマークの一覧に、私の作品があります」
「今まさにブクマ解除しようと思ったとこだよ」
そのくせ書いてる私は滅多にお気に入りしない。