1日目
今日から「小説家になろう商店」に出店することにした。
審査や面接は一切無かったけど、これで大丈夫だろうか?
不安で一杯。
んで …… な に こ れ ?
なんにも用意されてないんだけど。
「ん、ぁ? ……見掛けない顔だな」
「あ、今日からお世話になります!」
「あぁ、堅っ苦しい挨拶はいいから」
「あのぉ、私は一体、どうすれば?」
「好きにしろ」
「ええぇ?!」
茫然自失 ――
「おいおい、惚けてる場合か?」
「ハッ?! ……そうでした!」
よし、この傑作大長編の1話目は大ヒット商品・間違いナシ!
これで後は何万という読者が感動の涙を流し ――
「素通りしていくみたいだな?」
「なんでぇ……」
「そりゃそうだ」
「だってぇ」
「その他〔その他〕なんて、客がいるのかいないのかも判然としないところにさ、ポロンと一本投げ込んで。百万からある作品の中から手に取ってもらえる確率は?単純計算で百万分の1。さんすうは苦手なほうか?」
「が~ん!」
「内容と合っているとか違うとか、そんなのどうでもいい。お客様がいるところに並べろ。タイトルしか見ないんだ、まずナニコレって興味持ってもらえる名前か?あらすじヒドイな、誰がこのパッケージで中身に期待する?それでも偶然の出会いに期待しているのなら、その確率は、百万分の1だ」
「が~ん!」
ジャンル、タイトル、あらすじか。
かきかたエッセイで見たことある。
実践できてなかった ――
よし、早速修正作業だ!
「これでどうだ!」
「さぁ。どうだろ」
「えぇ――っ?!」
「お客さんが判断するんだから。でも準備不足で新着から即・消えた。あとは自力で頑張るしかないけど徹夜で二話目を書くのかな? ……ストックある?」
「がぁ~ぁん!!」
そのくせ書いてる私が投稿するのは、その他〔その他〕。