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まだまだ序盤みたいだ

 この世界で俺達は野ネズミを狩り続けていた。そしてその度に2ゴールド手に入れていった。福ちゃんは余裕で息を吐き敵を倒していった。俺は木の剣で斬り(叩く?)続けた。そのうち一撃で野ネズミを倒せるようになった。しかし俺は疲労困憊。腹も減った。その時出会ってしまったんだ。よくいる奴に……。

「福ちゃんこっち来て」

「なに?」

「ゴブリンだ」

「ゴブリンって何?」

「よくゲームにいる敵だ。あいつを倒せば野ネズミより多少経験値もゴールドも増えるかも」

「いいね」

 俺は木の剣を振りながら言った。

「まず俺が本当にレベルが上がったのか確かめるために襲いかかってみる」

「無理しないでね」

「いくぞ!」

 俺はゴブリンを木で叩いたが折れてしまった。ゴブリンに睨みつけられる。殺されるか?

「ほのお」

 福ちゃんがいつの間にかそばにきて息を吐いた。ゴブリンは丸焼けになった。

「さすがに強いな福ちゃんは……」

「お腹すいた。ゴブリン食べていい?」

「え?いいけど」

 と言うと福ちゃんはゴブリンに噛みついた。むしゃむしゃ食べている。

「どんな味?昔ちょっとだけ食べた豚肉?の味」

 豚肉……。しかし俺は食べる気などおきず福ちゃんが食べ続けているのを見ているだけだった。

「全部は食べられない」

「燃やしちゃっていいよ」

 福ちゃんは炎を吐いて焼き尽くした。そこに10ゴールドが置かれていた。俺はそれをポケットに入れた。

「そういえば俺達はいくら稼いだんだ?」

 野ネズミは何百匹も狩った。そういえば福ちゃんは色違いの野ネズミも狩っていたっけ?あの時咥えてきたゴールドは高かったな。

「たかちゃん、お金はいくらか言ってポケットに手を入れれば取り出せると思うよ。剣士登録所の横でそうやって出している人がいた」

「そうなのか」

 福ちゃんはやはり賢いなと思いながら、ポケットが全然重くないのに今更気付いた。これはたぶん魔法のポケットなんだろう。アレみたいに。

「全額!」

 と言って手を入れた。すると220ゴールドあった。あれトーストいくらだったっけ?もう思い出せないほど戦っていた。

「街に戻ろう」

「うん」

 福ちゃんと歩き出すと陰が覆った。後ろを向くと超巨大な野ネズミが……。俺はネズミパンチで10メートルほどぶっとばされた。痛い。動けない。

「たかちゃん!」

 福ちゃんはそのボスネズミらしきものの攻撃を避けて俺に近づいてきた。

「福ちゃん……。もう駄目かも……」

 福ちゃんは振り向くと殺気で毛が逆立っていた。

「お前なんかいなくなれ!」

 すると今まで見たことが無いほどの激しい炎を吐きだした。ボスネズミは一瞬で消え去った。

「たかちゃん……。死なないで……」

 そう言うと福ちゃんは俺の頬を舐めた。

「そうだ」

 福ちゃんは呟いた。

「色んなブレスが吐けるって聞いた」

 そう言って俺に優しい緑色の息を吐いた。俺は完全に回復してしまった。これはチートだろ……。

「ありがとう福ちゃん」

「よかった」

「ゴールドを拾いに行こう」

 ボスネズミがいたところにはなんと1000ゴールド落ちていた。メシが食える……。

「よおし街に戻ってなんか良いもの食うぞ!」

「あたしはお腹いっぱいよ」

「刀も買える!楽しみだ!」

 俺たちはまだこの戦いの初歩の初歩にいた……。

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