第24話 マヨネーズ
エイル・ディルと合流し、図書館を後にする。
「どうだ?うまくいったか?」
「バッチリです。」
少し不安そうに聞いてきたエイルに、少し間を置いてから答えた。
「スキルポイントも貯まってるので、4ジョブ出来るようにします。」
「何か俺ら直ぐに抜かれそうじゃね?」
今度は本当に不安そうに言ってくる。
「明日からまた依頼受けるけど、レイジのアイテムボックスに食材入れておいても劣化しないんだろ?色々買い出しに行かないか?」
そんな一言で帰る前に食材の買い出しに行くことになった。
食材の買い出し。オレは今どうしても欲しいモノがある。
それは調味料だ。オレはこの世界に来てこれまで見た調味料は、塩、胡椒、酢がメインで食堂では醤油があるくらいだ。
一応甘味もあるから砂糖はあるのだろう。しかし見たことはない。
個人的には味噌が欲しい。あれは日本人には欠かせないと思う。しかし作り方が分からない。大豆から作るとは聞いたことがあるがそれだけだ。
なので今はマヨネーズだけを作ろうと思う。
作り方?卵と油、後は酢だっけ?を混ぜるだけのはずだ。調整するのに塩も用意はする。
分量は分からないから全て適量だ。
油と酢と塩は家にあった。卵を切らしてたはずだ。これを買ってこよう。
醤油も家に常備しておきたい。これも売ってたら買いたい。
卵は普通に買っていた。食材は次々と買っていく。
保存が効くと分かったから肉と魚が多めだ。
その道の一角にスパイスショップを発見した。
その香りはすごく懐かしく、そこにいるだけでお腹が空いてくる。
スパイスといえばやはりアレだろう。そう、カレーだ。
しかし作るとしても、ルーを買ってきて作るのであって、スパイスからは作ったことがない。
オレが知ってるのはクミンシードとターメリックだけだ。
見たところ、クミンは売っている。あとウコンがターメリックだったはずだ。
ナツメグ、これは知ってる。けどこれはパスタとかだった気が……。
他に何を入れればいいのか分からない。
今回は諦めてそのうちチャレンジするか。
それと此処には醤油は売ってなかった。
少し歩くと大きな樽が並べてある店を発見した。
覗くと、扱ってたのは魚醤だ。大豆からではなかった。
店主に聞くと大豆から作る醤油は存在しないという。
ショックだった。とりあえず此処で癖のない魚醤を選んでもらいそれを買った。
醤油がない、だから味噌もないのかも知れない。
これは作り方が分からないから流石に無理だ。
店から出てショックを受けていると、ミルファが頭を撫でてくれた。やっぱりいい子だ。
一通り買い終わり、帰路に着く。ここは昨日も通った道だ。
ミルファにイヤリングを買った店もある。
マリーにその店で買ったことを伝えると、「寄ってみよう」と言い出したのだ。
皆してからかってくる。恥ずかしい。
やはり上手く加工されている。
魔石の種類も様々だ。
すると、ディルが商品の一つを手にとって眺めている。
メノウのチョーカーだ。
「すまん。これ五つあるだろうか?」
ディルがそれを買うらしい。
店主はそのチョーカーを五つ用意しディルに渡した。
「ディルー!どうした?まさか皆で付けるって言わねぇだろうな。」
「ああ。皆付けて欲しい。」
そう言うと、一人一人に配っていく。
「マジか、恥ずかしいな……。」
「俺達五人で最初にこなした依頼の品だからな。」
それだけ言うと直ぐに歩き出した。
エイルは照れながらマリーに付けて貰っている。
皆チョーカーを付けお互いを見ると、直ぐに大きな笑いになったのであった。
家に着き夕食の準備に入る。
オレは、少し別作業をさせてもらう。
マヨネーズだ。どうしても欲しい。
卵一個に油多め、酢少なめ、塩少々を混ぜる。混ぜる。混ぜる。混ぜる。……………。
油が分離して固まらない。何故だ?わからない。
オレには無理なのか……。
「それって、油を少しずつ加えたらどうですか?」
ミルファが横から声を掛けてきた。見てたらしい。
言われた通りにやってみる。
少しずつ、少しずつ、固まったきた。少しずつ、少しずつ。いい感じだ。
完成した。ミルファにも味見をしてもらう。
「え!おいし……これなんですか?凄く美味しいですよ!」
思った以上の反応だ。
それを聞いた皆が集まってくる。
「……美味い。」
「ホント美味しい。どうやって作ったの?」
「ヤベェ、美味すぎだわ。レイジ天才か!」
そこまで感動してくれたなら作った甲斐があるな。てか、もうないし……。
今度は倍の量を作って食卓に並べた。
「それで、このマヨネーズってどうやって食うんだ?」
エイルはもう待てをしている犬見たくなってる。早く食べたくて仕方ないらしい。
「基本はサラダですね。そのままサラダに掛けて混ぜながら食べるのがいいですね。」
それを聞いて皆一斉にサラダに掛け始める。
「オレはちょっと捻って、パンに切り込みを入れて…っと、この間にレタスとこの肉を挟んで、マヨを掛けるっと。これで完成です。結構好きなんですよコレ。」
これも皆が真似をする。
「うっまっ!これ美味すぎ!ヤッベーわ!」
「ふわー……美味しいです……。」
「これ、もっと作ろうよ。マヨネーズ?作るから教えて、ねっ。」
ホントに作って良かった。まあ、ミルファのおかげだけどな。
食後には全員に作り方をレクチャーした。
「ちょっと思うところがあるんですけど、エイルさん作って貰っていいですか?」
エイルは不思議がっているがとりあえず作ってみる。上手く出来たようだ。
「じゃあ次は材料全部入れて錬成してみてください。」
「なるほど!」
ディルは分かったらしい。そうだ、自分で作って完成形がイメージ出来れば錬成で行けるというオレの予想だ。
結果は……成功だ!しかも普通に作るより味にバラつきがない。
そして分離することは無いだろう。
「アンタ、これからマヨネーズ係ね。」
マリーに即任命されてました。
その後は各自自由に過ごしてた。
オレはスキルポイントを使ってジョブレベルを上げた。
これで4ジョブを手に入れたので、魔道士をつける事にしたのだ。
魔法、使ってみたい。欲望だけが膨らんでいく。
そんな時、風呂が空いたと声が掛かった。
丁度いい。風呂で生活魔法を試してみればいいのだ。
早速風呂に入り、生活魔法を試してみる。
「ウォッシュ!」
その瞬間、水と泡が渦を作るように身体を包み込み纏わり付く。
消えた時には身体のベタつきはスッカリ消えて無くなっていた。
洗う必要なしか。湯船に浸かって温まるだけ。最高だ。
「いいですか?」
ミルファも入ってきた。まだ恥ずかしいのか手で身体を隠してる。
だがそれがまた艶かしいのだ。
「ちょっとそこに立ってて。……ウォッシュ!」
ミルファにも同じように水と泡が纏わり付きキレイになってる。
「これ、魔法ですか?もう使えるようになったんですか、凄いですね。」
何回やっても凄い!遂にオレが魔法を使えたのだ。
今使ったのは、魔道士が使える黒魔法に分類される魔法だ。
基本的には四大元素である、火・水・風・土から発生させる魔法は黒魔法となる。
今回は水を使った魔法なので、魔道士をセットしてるオレにも使える魔法だと言う事なのだ。
風呂上がりにはミルファの髪を風魔法で乾かす。最初は少し強すぎたが、魔力を調整しうまくいった。
出て行ったあとマリーに詰め寄られそちらも髪を乾かす事になってしまった。
その時マリーの項を見て少しドキッとした事は内緒である。
読んでいただきありがとうございます。
マヨ作りについて実際と違う所があるかもしれませんが、あくまで異世界だからと思ってください。
今後もよろしくお願いします。




