第21話 本命デート
本日2度目の投稿です。
喉の乾きで目が覚める。
昨夜は異常な程飲みすぎたようだ。
起き上がろうとしたところで妙な違和感に気が付いた。
ん?服を着ていない?昨夜どうやって寝たのか思い出そうとするが思い出せない。
もう一度寝転がり昨夜どうやって寝たのか考える。
!!
思い出した。と、同時に隣を見てみる。
同じように生まれたままの姿をしたミルファがそこにいた。
そうだ。昨夜はミルファと……。
暗闇に少し目が慣れ、ミルファの輪郭が分かるようになってきた。
その頬に手を当て、髪へとその手を走らせる。
「ん……おはよう、ございます。」
今ので起こしてしまったようだ。うん、愛おしく感じる。
「おはよう。ごめん、起こしたちゃったか。」
ミルファは首を横に振り、オレの頬に手を当て唇を重ねてきた。
ヤバい。朝からはマズイ。
オレは何事も無かったかのように平然と起き上がり、昨夜置いたままだった着替えに手を伸ばす。
それを見てミルファも服を着だした。
リビングに出ると、ディルが一人ほうじ茶を飲んでいた。
「おはようございます。早いですね。」
「おはよう。今日はゆっくりしてていいんだが……飲むか?」
おれは頷き椅子に座った。ミルファはディルとキッチンへ行くようだ。
「美味い。やっぱお茶は最高ですね。」
ディルが入れてくれたほうじ茶を啜り呟く。
「エイルさん達は飲みすぎで今日は寝て過ごすんですかね。」
「あいつらは仲良く一緒に寝てるだろうさ。」
ん?何か聞き逃してはいけない特別なフレーズが聞こえた気がする。
仲良く一緒に……それって……
もしかしてと思いディルを見る。
「お前らと同じだ。」
「え?……あ、いやー、えーと……」
そういう事なんですか。てか、バレてるんですね。流石ディルさんです。
「二人共朝食が出来ました。」
ミルファは朝食を作りに行ってたようだ。よくできた子だ。
ミルファが作ってくれた朝食は、ハムエッグトーストとサラダ、ジャガイモのスープだ。
ポタージュではなく、塩コショウで味付けされたスープだ。
問題なく普通に美味かった。聞くと孤児院では子供達が料理をする日があるそうで、ミルファはそれが楽しみで率先してやってたらしい。
「そういえば忘れてたが、これが昨日のお前達の報酬だ。二人でちゃんと分けろよ。」
そう言い渡されたのは100万Gだった。
「何ですか!この大金は?」
「昨日の打ち上げ分引いて、まあ俺達が少し多めに貰ってるが、お前達は見習いだしな。少し少なくてもいいだろ?」
いや、少ないって言ってるのではない。多すぎるのだ。まだチームに加わったばかりのペーペーが、まして冒険者になって十日ほどの新人が貰っていい金額ではない。
「まだ部屋にはベッドしかないんだろう?それで今日は色々買ってこい。」
ミルファとも話し、今日は二人で生活に必要なものを買いに出かける事となった。
今日も天気は良好、絶好のデート日和だ。
「では、いってきます。」
外に出て商店街の方へ歩き出す。ミルファはオレの一歩後ろをついてくる。
「ミルファ。」そう言いオレは手を差し出すと、ミルファは最高の笑顔でその手を取り、並んであるきだした。
家具屋でワードローブと鏡、服飾店でオレの下着数枚と、ミルファの下着と普段着を。ミルファの下着は後から楽しむ為見てません。
雑貨屋へ行きタオルを数枚と五人分の新しい食器、調理器具も買い足した。
更に工具店で鍛冶用工具一式を購入、薬剤店では調合用の道具も買っておいた。
ミルファが「何に使うの?」と、聞いてきたが、調合が出来るか分からないので、後からのお楽しみという事にしておいた。
「あ!ちょっとこの店見ていいかい。」
そう言うと視界に入った露店に並ぶ商品を見に行った。
そこに並べられているのは魔道具。何かしらの特殊効果が魔力によって付与された品だ。
「魔道具…ですか?路上販売とは珍しいですね。」
「ヒュバルツから来たんだ。王都へ行くのと距離は変わらないけど、王都は出店料が高い割にイマイチ売れないからね。それでロードプルフに来ることは多いんだよ。」
ヒュバルツ……聞いたことが無いが王都との間にある街なのだろう。
商品は女性物のアクセサリーがメインだ。これら全てに付与が施されてるのか。
その中で気になった一つの商品。イヤリングみたいだ。
「これは?」
「ああ、それは石はヒスイの魔石。毒無効の効果を付与してあるなかなかの品さ。そうだなー……3万って言いたいトコだけど、2万5千Gでどうだい?」
毒無効か、丁度いいかもそれない。
「うん、それもらえるかい。」
「毎度有り~。おまけでこの未付与のヒスイを付けちゃおう。」
「これ。ミルファが付けてな。」
今買ったヒスイのイヤリングをミルファに渡した。
「ふぇ?」
よく分かっていないのか戸惑っている。
渡そうにも受け取りそうにないので、ミルファの耳に付けてあげた。
「うん!やっぱりミルファの目と似た色だ。良く似合ってる。」
「え?え?わ、私に……だったんですか?」
「オレが付けたら変だろ?」
「……いいんですか?……ありがとうございます。大事にしますね。」
ミルファのその頬は照れて紅潮している。
オレがその顔を見つめ、「真っ赤」と言うと、「見ないでください。」と、顔を隠してしまった。
最後に少し食材を買って、家に帰ることとなった。
陽が沈む前に家に着いた。荷物は多いが全てアイテムボックスの中だ。
「ただいまー。」
家に入ると三人ともリビングで談笑していた。
「これ、皆で使いましょう。」
出したのは五人でお揃いの食器だ。
「えーうそ?皆でお揃い?すごーい!ありがとね。」
「ヘタレイジの癖に気が効くじゃん。」
なかなかの好評だ。てか、もうヘタレイジじゃないし。
「ん~。コレは何かな~?」
マリーは直ぐにミルファの耳に気が付き、ニヤニヤと意味深な笑みを浮かべ、イヤリングの説明を求めてくる。オレは敢えてスルーした。
鍛冶や調合の道具を買ったことも説明し、隣の作業場に置かせてもらう。
鍛冶スキルがどう働くのか見てみたいのもそれらを買った理由の一つだ。
暇を見て練習しようと思う。
皆が集まったという事で、今後について話し合う事になった。
「あれだけ魔物を倒したけど、まだ足りないと思うんだよな。だからまあ、引き続き魔物討伐で経験を積んでいこうか。」
そのまま行くという方針だ。
「で、レイジ。ステータスは確認したか?」
してなかった。見てみることにしよう。
レイジ(17)
メインジョブ:戦士 LV9
2ジョブ :冒険者 LV10
3ジョブ :狩人 LV7
攻撃:62 (26) (14)(10)
魔力:21 (0) (9)(7)
俊敏:42 (9) (16)(12)
体力:54 (20) (19)(8)
命中:48 (9) (13)(20)
精神:20 (0) (9)(6)
運 :31 (7) (12)(7)
スキル:短剣・片手剣・弓・格闘・盾・警戒・命中・火耐性・氷耐性・暗闇耐性・鍛冶・清掃・言語変換・鑑定
ジョブスキル:索敵(冒険者)
ユニークスキル:マップ・ジョブ
スキルポイント:190
称号:転生者・旅立つ者・幸運者・迷宮から帰還せし者・冒険者ランクコモン
なんか、凄い上がってた。
ブクマも少しずつ増えています。
皆様ありがとうございます。
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