第01話 事故死、そして転生へ
語彙力も知識もない私が、色々な作品を読んでいる内に自分でも書いてみたくなったので、軽い気持ちで投稿してみました。
自分で見ても拙い文章だな。と思っていますが、温かい目で見ていただけると幸いです。
※話の内容を変えないようにしながら多少の加筆をしました。
「どこだここは?」
目の前には知らない天井に、豪華なシャンデリア。
横を向くと、煌びやかな装飾が施された全身鏡。
何故このような場所にいるのかわからない。
自分に何があったのか、落ち着いて考える……。
◇◇◆◇◇
仕事が終わり、いつものようにコンビニに夕食を買いに来ていた。
ここの店員の女性は、綺麗な子が多い事で有名だ。実はオレもそれが目的で来ていた。
この日も必要以上に店の中を歩き回っている。商品よりも目当ての店員のレジに当たる為だ。
それから最後に弁当のコーナーへ。
今日の夕食に選んだのは中華丼だ。これもなかなかの味なのでオススメ商品である。
会計を済ませると、店から出て車に乗り込み、ふと考える。
「あー、明日は久々にリンに会えるな。」
名乗るのが遅れたが、オレは橋本怜士。アラフォーのバツイチ男だ。
今の鉄工所で20年勤務していて、仕事に関しては割と真面目に働いてると思う。
その分、私生活に関してはかなりだらしないかもしれない。今の家の状態はゴミ屋敷一歩手前という惨状だ。
2年前に離婚して、一人娘とは3ヶ月に1回のペースで会っているのだが、その子もウチの汚さには嫌気を差し、今では家には入らず外でしか会ってくれない。
離婚の原因はオレの浮気だ。実はかなりの浮気症だったりする。
いや、基本自分からそんなことはしない。しかし来る者も拒むこともないのだ。
なんだろうな。自分が特別イケメンとも思わないし、口が上手いわけでもない。
だが、そこそこモテるからこうなるのだと思う。
まあ、全面的に自分が悪い為、相手の要求をほとんど呑んだ。自業自得とはいえ、そのせいで常にお金には困っている。
走り出して5分、赤信号で止まった。
(明日はどこへ行こうか……)
ポケットの中のスマホに手を掛け、調べようかと思った瞬間、信号が青に変わった。
(おっと……)
スマホを取り出すのをやめ、ポケットの方を見たままアクセルを踏んだ。
走り出した瞬間、体中に衝撃が走った!オレは気がつかなかったが、横から車が突っ込んできていたのだ。
(え?うぐっ)
何が起きたのか?その衝撃の瞬間オレの意識は無くなっていた……。
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真っ暗な何もない世界……前後左右上下、自分がどっち向いているのかもわからない。
まるで無重力のような空間……しかし体を動かそうとしても全く動かない。
(なんだ?どうなってるんだ?)
五感が働いてるのかも分からない状況。
訳もわからず狼狽えていると、小さな光が浮かぶ。
これも光が見えてる訳ではない。しかし、目の前に光が浮かんでいるのが分かるのだ。
その光からオレの頭に直接何かが流れ込んできた。
「残念だったねー。キミの人生はこれでおしまーい。って、理解してる?」
頭の中に直接流れ込んでくるような声。アニメの声優で女性なのに男の声をやっているような、声変わり前の小学生男子のような、そんな感じの声。
「でも、キミは運がいいよ、見事に転生資格を得たんだから。」
(転生?なろうやラノベのあれか?実際に起きるのか!てか、オレは死んでるの?)
「でね、転生先はキミのいた世界ではなくて、所謂異世界ってトコなんだよねー。」
(うおっ!マジで異世界転生かよっ!)
「普通にモンスターとかいるから、そのまま行ったら何も出来ずに即死亡~ってなっちゃうかもしれないと思うんだ。だから、キミだけの能力を3つほど与えようと思うんだよね。」
(きたよ、これ!チート確定じゃん!!)
「ただ、与えれる能力は限られてて、まあ説明するのも面倒だから、向こうに行ってからメニューから調べてよ。それで必要だと思うものを自分で選んでねー。」
(あれ?思ってたのと違うな、お願いした能力貰えるわけじゃないのか?てか、メニューってなんだよ?くそっ、声が出ないと何も伝わらねぇ!)
「じゃ、良き第二の人生を~~!」
(ん?おいおい・・・まさかこれで説明終わりかよ!質問も出来ねぇし、これで放り出されてどうすればいいのよ・・・待てって・・・おい!おーーーい!)
◇◇◆◇◇
思い出したぞ、オレは死んで転生したんだった。
頭を抑えながら必死に思い出した。
とりあえず起き上がり、周囲を見渡す。
その空間は、如何にも物語の貴族が住んでいそうな豪華な家具の並ぶ広い部屋。
今寝ていたベッドに至っては天蓋付きだ。上流階級の住まいだという事は直ぐに理解出来た。
窓際に一人女性がいるのがわかる。窓拭きをしているメイドだろうか。
その女性は起き上がったオレに気が付くと、手を止めこちらに近づいてきた。
「気が付いたのですね。よかった、気分はいかがですか?」
「えーと、ここは……」
聞きたいことは沢山あるが、何から話せばいいか悩んでしまう。
自分が此処にいる理由、此処は何処なのか、抑も自分が橋本怜士であっているのか。
まてよ、オレは転生して此処にいる。て事は、オレって貴族に転生したのか。
そんな都合のいい事を考えていると、
「少々お待ちください。只今旦那様をお呼び致します。」
メイドは一礼をし、小走りで部屋から出ていった。
そういえばあの光は、メニューとか言ってたな。どこから見るのだろうか。
そんなことを考えてると、視界にウインドウが浮かび上がる。
「うおっ!」
まるでゲーム画面のような光景に少し仰け反ったが、すぐに体制を戻し、ウインドウを見る。
アイテム
ステータス
スキル
ユニークスキル選択
世界辞典
メニューはこの5つ、状況によって増える可能性もあるな。
操作の仕方が分からないが、とりあえず浮かんでるウインドウのステータスを指で触れてみる。
橋本 怜士(17)
ジョブ:鍛冶師
レベル:5
攻撃:22(12)
魔力:5 (0)
俊敏:10(5)
体力:17(10)
命中:11(5)
精神:5 (0)
運 :8 (3)
スキル:格闘・火耐性・氷耐性・鍛冶・言語変換
スキルポイント:50
称号:転生者
はあ?17歳って!おいおい、オレは40手前のおっさんだぞ!あ、死んで転生したからこうなったのか。でも、名前は元のままだな。
で、パラメータは……カッコ内はなんだろ?ジョブ補正か?
てか、ジョブは鍛冶師?なんでだ……?あ!前世で鉄工所で働いてたのを引き継いでるのか。それが鍛冶師って……変えることが出来なければ大変だぞ。
スキルが……格闘、これは空手やってたのを引き継いでるんだろうな。
火耐性と鍛冶が鉄工所で溶接していたのが現れてるんだろう。
氷耐性?まさか、北国育ちが影響してる?わからん。
あとは言語変換だな、多分これはこの世界全ての言葉が理解出来て、こちらの話も相手に伝わるんだろう。
元々ゲーム好きだったオレはそれを見ると様々な考えが浮かんでくる。
ステータスを閉じて次の項目に指を持っていく。
(スキルって、ステータスに出てたよな?……あ!スキルポイント!振り分けて習得させるのか!まずは確認だけしておくか。)
スキルにタッチしようと指を上げたが、
コンコン。
部屋をノックする音で慌ててそのウインドウを閉じる。
「失礼。目が覚めたようだね。」